Oasis Labs はブロックチェーン技術を用いた「プライバシーファースト」のクラウド型プラットフォームの開発に向け、4,500万米ドルの資金を調達した。

カリフォルニア州バークレーに拠点を置く Oasis Labs は、今までブロックチェーン導入の妨げとなっていたパフォーマンスやセキュリティ、プライバシーの制約を打破するために、新たなプラットフォームを設計中だ。その目的は、イーサリアムなどの仮想通貨を促進する安全な分散型レジャーであるブロックチェーンを、多くの企業にとってより有益なものにすることである。

同社 CEO である Dawn Song 氏は声明で以下のように語っている。

ブロックチェーンは私たちの生活に変革をもたらそうとしています。しかし、多くの開発者や企業はパフォーマンスやプライバシー面の制約により、このテクノロジーを活用する能力を発揮できずにいます。彼らがこのような悩みを持つのは、当然なのです。Oasis プラットフォームはユーザの皆様に、データ管理の権限を与えるとともに優れたパフォーマンスとプライバシー保護を提供します。弊社は「ユーザファースト」に重きを置いた、拡張性が高く、安全な分散型インターネットを築くことを目標としています。

最初の投資ラウンドには、a16z crypto や Accel、Binance、DCVC（Data Collective）、Electric Capital、Foundation Capital、Metastable、Pantera、Polychain などが参加した。

Accel のパートナーである Jake Flomenberg 氏は声明で次のように語った。

効果的なセキュリティおよびプライバシー保護を提供するにあたり、今日のインターネットは大きな困難に直面しています。AI のようなデータ集約型サービスの台頭により、問題が悪化するばかりです。しかしそれと同時に、次世代のウェブにおけるプロダクトやイノベーションで、責任もってデータを活用できるチャンスはかつてないほど多くあります。Oasis Labs は、クラウドの未来を変える高パフォーマンスなブロックチェーンプラットフォームを提供しつつ、人々が自身のデータを管理できるようにすることで、新たな道を切り拓こうとしているのです。

こういったアプリケーションを促進させるために、Oasis プラットフォームは2つの核となるアイデアを具現化している。

1つ目は、以前は不可能であったプライバシーやセキュリティ保護をブロックチェーン上に持ってくること、2つ目は複雑化したアプリケーションでも、従来のシステムと比べはるかに高いパフォーマンスを備えた処理能力を提供することである。

同社によると、この2つを組み合わせることでプライバシーに配慮し、かつ洗練された計算集約型サービス、例えばブロックチェーンを利用した機械学習が可能となるという。

Coinbase の共同設立者で Oasis Labs の出資者である Fred Ehrsam 氏は声明でこう語った。

Dawn 氏と彼女のチームのような才能あふれる人たちが、インターネットをデータサイロから脱却させ、データを所有したりシェアしたりするために、より責任を持った世界に移行できるよう努力しているのを見ると大変わくわくさせられます。

本日（7月9日）から Oasis Labs は開発者に対し、テストネット（非公開）へのアクセス申請を求めている。

同社の共同設立者で CTO の Raymond Cheng 氏は以下のように語った。

ブロックチェーンを最も役立つ形で導入するため、プラットフォームの開発に全力で取り組んでいます。次なるステップは、弊社のミッションに協力してくれている開発者たちにプロダクトを提供することです。そして、彼らがプロダクトの中でアプリケーションを作ることで、進化したプラットフォームをアピールすることができます。彼らに弊社が目指しているものをお見せできる日を楽しみにしています。

Oasis Labs のリーダーらは、コンピュータの安全性やプライバシー保護の分野において、オープンソース型ハードウェアを開発するために数々のオープンソースプロジェクトで中心的な役割を担ってきた。その中には、Uber と共同で行われた差分プライバシーのプロジェクト、MIT とカリフォルニア大学バークレー校の研究グループとのキーストーンプロジェクトも含まれる。

Oasis Labs は2018年に設立、20人の従業員が在籍している。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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