バンコクを拠点とし食料品バイオテクノロジーに特化したディープテックのスタートアップ JuiceInnov8 は、500 Startups の Durians 2号ファンドと TukTuks Fund がリードする50万米ドルのプレシリーズ A ラウンドをクローズした。
同社はこの資金で中心的な科学者とエンジニアリングのチームを拡大し、プラットフォームをパイロット版から商業規模へと開発を加速させるとしている。
JuiceInnov8は糖分が少なく低カロリーで健康的なジュースを届けようとしている。そのために同社は世界中の飲食品メーカーと協力し、遺伝子操作されていない自然のままの微生物や独自の糖分変換プロセスを使用する糖分削減技術のプラットフォームを開発している。
JuiceInnov8の技術により、市場に出回るジュースは元々の果汁が持つ含有物や重要な栄養素を保ちつつも糖分やカロリーをほぼゼロにすることができる。
共同設立者兼CEOのSean Chonchayong Trairatkeyoon氏は以下のように述べた。
消費者はより良くより健康的な飲食物を口にすることに関してますます意識が高まってきています。糖分や脂質、ナトリウムをより少なくということから、健康を促進させる機能を持つ栄養素をより多くということまで。だからこそ弊社は、自分たちで CPG ブランドを作るのではなく、JuiceInnov8を立ち上げ、あらゆる場所の消費者へ健康的なジュースを届けることができるよう世界中の飲料企業との協力を目指しているのです。
同氏はこう付け加えた。
弊社は市場で売られているジュースの少なくとも30%で糖分を減らすことを使命としています。またジュースはたいていの食品、スナック、菓子類、乳製品の材料となっていますので、弊社の技術は飲料にのみ限って適用されるものではありません。
Trairatkeyoon 氏はさらに、東南アジアに拠点を置くことでビジネスに強みがあることを説明した。
アメリカや他の地域と比べて、弊社は運営や開発の費用を低く抑えています。このためタイで開発と生産の両方のコストで競争力を維持しながら、弊社の技術のプラットフォームをあらゆる大陸にお届けできるのです。
JuiceInnov8 は4年前に設立され、スペインの食品スタートアップインキュベータ DigEatAll やシリコンバレーの食品・アグリテックのアクセラレータ TERRA などにその技術と目標が認められている。
同社の技術の一部は地元チュラロンコーン大学食品技術学科の、タイでもトップの食品バイオテックの教授から得たものだ。技術開発とスケールアップはチュラーロンコーン大学化学工業学科との協力でなされた。
同社は分子生物学、生物医学や生化学、食品科学、そして機械的または化学的なエンジニアリングの経歴を持つ15名の科学者とエンジニアからなるチームが先頭に立っている。来年、減糖ジュースという新たなカテゴリーを市場にローンチすることになっている。
2018年8月には Plug and Play が JuiceInnov8 を「Food & Beverage Verticals Cohort 4」に採択し、このプログラムにおけるアジア初のスタートアップとなった。
JuiceInnov8 は以前に Intania Open Innovation Club がリードした50万米ドルのシードラウンドをクローズしている。Intania Open Innovation Club はチュラロンコーン大学工学部卒業生が率いる企業や、世界的な飲料ブランドの前トップクラス幹部に投資しているベンチャーファンドである。
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