国内もLUUPがきたので2200億円評価の電動キックボードシェア「Bird」を調べてみた

by Takuya Tsuchiya Takuya Tsuchiya on 2019.4.19

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ピックアップ:Scoop: Bird raising $300 million in Fidelity-led round

昨日発表になった国内キックボードシェア「LUUP」に関連して、改めてこの市場のプレーヤーについて調べてみたいと思います。今回取り上げるのは最大手と言っていいでしょう、「Bird」です。調査会社CB Insigthsのユニコーンランキングで20億ドル評価、ライバルのLimeも24億ドル評価なのでこの2社がグローバルトップラインといったところでしょうか。

Birdの直近ラウンドはAxiosがスクープした3億ドルの調達です。このタイミングでプレ評価20億ドルに到達しました。米都市部を中心に都市部を中心にラストワンマイルを移動できる電動スクーターシェアリングサービスを提供しており、ユーザーはアプリで利用可能なBirdを検索してバーコードスキャンすれば利用開始になります。初回利用時に1ドルを支払った後、毎分15セントが徴収されるモデルで、現在100以上の都市でサービスを展開中。

いわゆる「ドッグレス(乗り捨てOK)」が特徴で、ある一定のルールに従えば、国内シェアサイクルのように駐輪ポートを探す必要はありません。なお、国内でも今後安全性などの検討議論は出てくると思いますが、Birdもヘルメットの持参が必要で、リクエストすればBirdがユーザーの家まで無料で配送してくれる仕組みになってます。

では、このシェア事業がどうして日本円にして2200億円もの評価を獲得しているのでしょうか?こちらに詳細なレポートがあったので紐解いてみましょう。まずはトランザクションデータを提供するSecond MeasureによるLimeとBirdのセールスグロースから。売上については拮抗しているのが分かります。

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次にトラクションデータ。Limeは2017年のローンチから1年強で1100万回、Birdは約1年で1000万回を達成しています。

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レポートでは成長の要因を3つほど挙げています。

  • GPS対応スマートフォンの普及が過去10年間で2倍以上に増えた
  • 米国のほとんどの都市では交通渋滞が激しさを増しており、自転車やスクーターを使用して3マイル以下の短い距離を走行する方が早い
  • VCによるマイクロモビリティへの投資がこれらのサービスの供給を促進し、より速い普及率に繋がっている

レポートで現在米国での市場規模を調べることは難しいとしていますが、中国で27億ドルでM&AされたMobike、20億ドル評価のOfoなどの自転車シェアのサービスの数字を元に、BirdやLimeのバリュエーションの可能性について考察しています。

中国のシェアバイクの平均利用コストは0.15ドルなのに対し、Birdは2.92ドルであり、19.5倍。米国の人口は中国の24%なので、その分を差し引いて米国での収益機会を計算すると、19.5倍の利用コスト x 24%の人口 = 4.7倍の収益機会があることになります。

なのでもし、中国のMobikeやOfoの同じレートをベースにして算出すると、BirdとLimeの売却やIPOのバリュエーションの可能性は90億ドル〜120億ドルということで、現在の5〜6倍の可能性ということですね。あくまでひとつの考え方で、先日のLUUPのように、シェア経済の移動インフラになるとすれば、また違った考え方ができるようになるかもしれません。

最後は売上です。この記事ではBirdの2018年4月の利用回数の発表データに基づいて、年間の売上高は1400万ドル(日本円で約15億円)と推測しています。ということで、あくまでレポートなどからの推定ですが、売上の規模感や評価の可能性などが見えてきました。

利用シーンは米国とアジアで相当に異なると思いますし、国内はまだ始まってもいませんから、どのような戦略で移動体験が変化するのか大変楽しみです。(共同編集:平野武士)

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