創業理由は「返済に苦しんだこと」ーー学生ローン市場の課題を解決する、返済管理アプリ「Pillar」がシードで550万ドル調達

by souta watanabe souta watanabe on 2019.6.6

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ピックアップPillar launches with $5.5M from Kleiner Perkins and others to tackle your student loan debt

ニュースサマリー:5月30日、米国ニューヨークを拠点とする学生ローン管理アプリを提供する「Pillar」は、シードラウンドでKleiner Perkinsを含む10のファンド及びエンジェルから550万ドルの資金を調達した。Pillarのサービスは非常にシンプルで、学生ローンを提供する金融機関(奨学金サービスや銀行)と提携し、学生が奨学金の返済を効率的に行えるような財務管理アプリを提供している。

ユーザーはPillarのアプリを利用することで、自分の収入・支出状況の確認ができるだけでなく、定期的に個別の財政状況から計算された返済プランを提示してもらうことや、お金を使い過ぎた場合にはアラート通知を受けることなどができる。

話題のポイント:以前本誌ではSoFiという学生ローンという領域では有名なユニコーンの記事を公開を紹介しましたが、PillarがSoFiと異なるのは、そもそもがエンタープライズ向けのビジネスモデルである点と、そしてローンの提供を低収入の顧客をメイン・ターゲットにしているという点です。

<参考記事>

・優秀な大学生はカネを返すーー学生向けP2Pレンディング「SoFi」が5億ドルを調達、その躍進の謎を紐解く

同社の創業者であるBloch氏がPillarを始めたきっかけは、彼の妻が学生ローンの返済に苦しんでいたこと、そしてそれがきっかけとなって知った米国の学生ローンの実態に大きな課題感を感じたためです。

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TechCrunchの記事によれば、実は学生ローンは米国で2番目に大きい消費者債務のカテゴリーで、4500万人の借り手が1.5兆ドル以上の学生ローンを借りています。なんと10人の学生のうち7人が大学への支払いのためにローンを取り、平均で3万ドルの借金を負ったまま卒業し、その返済には20年がかかるそうです。

また債務を有している3分の2は女性だということも特徴的です。これは女性が給与水準及び育児による一時休暇の有無の観点から、返済に時間がかかりやすいことがディスアドバンテージとなっていることを意味します。

以上のような背景を踏まえ、Bloch氏はスタンフォードのビジネススクールを中退しPillarを創業しました。シードラウンドにも関わらず550万ドルを調達しているということは、よほど期待されているのでしょう。その期待の理由は以下の実績を見るとよくわかります。

Pillarは2018年に創業したばかりのスタートアップにも関わらず、NelnetやNavient、Great Lakesなど、米国内のほぼすべての主要な学生ローンプロバイダーと提携しています。インタビューの中で、同社CEOのBloch氏はPillarの過去の実績について以下のように述べています。

Pillarはこれまで非公開のベータ版を提供してテストを実行しており、その中で総計5000万ドル以上のローン債務の管理に携わる中で、平均で借り手に約6,000ドル(=約4年分)の節約を達成させることに成功しています。

今回の調達の目的はチームの拡大及びサービス開発の加速化です。Pillarは現在ニューヨークに10人のメンバーを持っていますが、今後は特にエンジニアの採用に重点を置いて、来年中にチームの規模を2倍にすることを目指しています。そして長期的には、クレジットカードを含むすべての消費者債務に対してソリューションを提供していくとしています。

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