ライドシェア次の戦場はどこにーーUber2Q決算から紐解く次の一手は?

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ピックアップUber Reports Second Quarter 2019 Results 

ニュースサマリー:Uberは9日、第2四半期の決算報告書を公開した。同資料によれば、Q2における同社純利益は14%(YoY比)増で約31億ドルとなる一方、純損益は52億ドルと前年度の8780万ドルから大きく増加する結果となった。それでも最終的な修正後純利益は28.7億ドルと12% (YoY比)の増加率となっている。ニューヨークタイムズによれば純損益の52億ドルの内39億ドルはIPO時における従業員への配当や関連資金としている。

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話題のポイント:先日Pinterestの第2四半期決算報告書の内容をお伝えしましたが、今回はUberの2Qをチェックしてみたいと思います。

上記でも述べた通り損失の内39億ドルはIPO時における株式配当金(RSU:制限付きのストックオプション)、2億9800万ドルは「Driver Appreciation Award」というUberの運転手への報奨金として使われた一時的なものです。IPOに準じて生ずる内部の費用がマイナス全体の約80%を占めていることになるため、実質の損失額は約10億ドルいえるので前年度の8億7800万ドルと比較してもそこまで大きな差がありません。

Uberの決算報告書では、Uber ProやUber Rewardを通した利用者並びにドライバーへの還元姿勢、またUberEatsの海外市場における成長がハイライトとして言及されていました。ただ、ライドシェアリングという市場で見れば、この様な内容は目新しいものでなく、競合のLyftやGrabなども同じ内容を含んでいることが想像つきます。

Uberが先行していると感じたのは「Uber Air」、同社が進める「空飛ぶタクシー」プロジェクトです。ライドシェアが当たり前になった今、Uberは新たに「空」の移動市場に拡大をしようとしています。

<参考資料>

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上資料はUberAirのホワイトペーパーに記載の、同プロジェクトにおける今後のタイムラインです。2025年を目途にオペレーションが開始されることが明記されており、初期デモンストレーションに1000万ドルから2000万ドル、公的な諸手続きや生産に1億5000万ドルから3億ドルのコストがかかると見込んでいます。

同プロジェクトの本格始動は2019年度、つまりまさに今、進行中ということなので、今後の決算資料にUberAirがどういった立ち位置で出てくるのか楽しみです。

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