ピックアップ:Lithuanian blockchain startup DappRadar raises €2.1 million seed round led by Naspers Ventures
ニュースサマリー:リトアニアに拠点をおく、ブロックチェーンアプリのアナリティクスサイト運営企業「Dapp Radar」が、シードラウンドにてNaperとAngel Invest、Blockchain.com Venturesから合計230万ドルを調達した。同社は今回の調達を、主にR&D(研究開発)に投じ、新機能の追加に繋げていくとしている。
Dapp Radarは、EthereumやEOS、Tron、IOSTなど7つのスマートコントラクトプラットホーム上で運営される2,500を超えるDapp(分散型アプリケーション)のアナリティクスサイト。
アクティブユーザーだけでなく、24時間以内の仮想通貨取引ボリュームやトランザクション発生回数、過去7日間のアクティビティに関するグラフなど、様々な観点から現在のアプリ利用率やDappトレンドを把握することができる。
(※Dapp=Decentralized Application)
上記画像はEthereumブロックチェーンに関するデータで、24時間以内で最もアクティブユーザーの多いサービスをランキング形式で表示している。
Dapp Radar CEOのSkirmantas Januskas氏は記事の中で、今回の調達に対して以下のようにコメントしている。
Dapp Radarを設立してからすぐにビジネス的な見通しは立っていました。今回の調達に関していえば、Nasperの持つグローバルなマーケット知識とBlockchain.comが持つ業界知識を糧に、今後さらにビジネスを拡大していくことができると感じています。
話題のポイント:Dapp Radarでは過去24時間以内・過去7日間という最近のデータを見ることができますが、その中で現在のDapp動向について具体的にどんなことが学べるのでしょうか。
1つ目に、ブロックチェーンアプリの中で現在も最もユーザー数・取引ボリュームを稼いでいるカテゴリーはゲーム・ギャンブルだということが分かります。以下画像では、24時間以内のユーザー数ランキングの上位10つのアプリのうち、ゲームは4つ、ギャンブルも4つとなっています。(5位のゲームは日本発のMy Crypto Heros)
2つ目に、有名なスマートコントラクトプラットホームであるEthereumだけでなく、EOSなどの新興プラットホームがランキング上位アプリの開発に利用されている点。再び上記画像を見ると、EOSアプリが6つ、Tronアプリが2つに入っていることがわかります。
補足データとしてDapp reviewが公開しているグラフを見ると、Ethereum・EOS・TronがDAppsの過去1ヶ月の取引ボリュームにおいて拮抗しています。
3つ目のポイントとして、基盤となるブロックチェーンの性質によってアプリケーションのカテゴリが分かれているという点です。Etheruemプラットホーム上にはステーブルコインや取引所などの金融アプリケーションが最も多く存在する一方、EOSやTronはギャンブルやゲームに特化しています。
両者の違いは、基盤となるブロックチェーン自体の分散性やスマートコントラクトの設計の違いにより生じているものだと考えられます。(※参考記事)
ブロックチェーンアプリケーションは基本的にオープンソースコードで公開されており、かつスマートコントラクトの動作内容は全て公開されているため、Dapp Radarの情報はマーケットトレンドやそれぞれのブロックチェーンが持つ性質を見分けるために非常に良い判断材料になります。
今後、市場の成長とアプリ開発数増加に拍車がかかれば、さらにアナリティクスサイトの需要は上がると予想されます。Dappに利用価値が今まで以上に高まることは必至でしょう。
Image Source&Credit: Dapp Radar, Dapp review
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