
Image credit: Masaru Ikeda
BEENOS(東証:3328)は21日、今年で5回目を迎える起業家イベント「Bee Global Camp」を東京で開催した。Bee Global Camp は、BEENOS と BEENOS の創業者である佐藤輝英氏が運営するファンド BEENEXT が共催する年次イベントで、両社の投資先を集め起業家による起業家のためのブートキャンププログラムが展開される。
2014年にシンガポールで始まった Bee Global Camp は、2015年にインドネシア、2016年にインド、2018年にベトナムと回を重ね(2017年はお休み)、今回の東京イベントでは世界15ヵ国から約200名の起業家がグループディスカッション、ネットワークレセプション、パネルディスカッションなどに参加する。
BEENOS が25日に創業20周年を迎えるということもあり(創業当時はネットプライス)、Bee Global Camp に先立ってプレス向けのカンファレンスが開催され、BEENOS の代表取締役社長兼グループ CEO 直井聖太氏が今後の事業戦略について説明した。
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直井氏は、現在の BEENOS の事業が代理購入サービスの「Buyee」などを中心とした越境 EC サービス、国内外のスタートアップ投資を軸としたインキュベーションで構成されていると説明。越境 EC サービスでは先頃発表されたメルカリの海外展開支援に代表されるように需要が増える一方、インキュベーションにおいても投資実績は10ヵ国以上80社以上に及んでいると語った。
この日のイベントには、BEENOS の投資先を代表して、Tokopedia(インドネシア)の CEO William Tanuwijaya 氏、Zilingo(シンガポール拠点、東南アジア7ヵ国で事業展開)の COO Aadi Vaidya 氏、Sendo(ベトナム )の CEO Tran Hai Linh 氏がゲストスピーカーとして招かれた。いずれのスタートアップも、BEENOS(あるいは、その前身のネットプライス)からアーリーステージにおいて出資を受け、今日、ユニコーンまたは地域を代表する大型スタートアップへと成長した。3人の代表者はそれぞれ、事業開始直後の早い段階で佐藤氏に出会ったことに言及し、資金のみならずさまざまな人的ネットワークや知見を提供されたことに謝意を表した。
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BEENOS は BEENEXT と同じく、インドや東南アジアを〝次なる中国市場〟と位置づけ、その絶大なる商機を背景に同地域での投資事業を加速することを明らかにしている。今回、東南アジアから投資先3社は全社ともに E コマースをコア事業としているため、筆者は直井氏に BEENOS の越境 E コマース事業と彼らとのシナジーについて質問してみたが、現時点で具体的なプランについて言及は無かった。
Sendo は今週、シリーズ C ラウンドで6,100万米ドルを調達しており、このラウンドに参加した投資家の多くが日本の VC や企業、または、日本人投資家が関与する VC となった。シリーズ C ラウンドのリードインベスターはシリーズ B ラウンドに続いて SBI グループが務めているが、広く資金を日本の投資家から集める上で BEENOS や BEENEXT が呼び水的存在になっていることを窺い知ることができる。

Image credit: Beenext
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