
JD.com(京東)は、エンタープライズ向けサービスへの参入を進める中、Zoom ライクなビデオ会議アプリ「JoyMeeting」を発表した。
重要視すべき理由:JD は、中国のテック企業の中で、リモートワークツール市場に参入した企業としては最後発だ。
- 生産性向上ツールやビデオ会議ツールなどのワークプレイステクノロジーへの関心は、中国のテック大手のエンタープライズ向けサービスへの移行に伴い高まってきた。
- 消費者向けサービスがすでに成熟している中国では、エンタープライズ・テックがテック企業にとって新たな成長ポイントになると考えられている。
- この分野への参入により、JD は Zoom のような世界の、また地元の Tencent(騰訊)、Alibaba(阿里巴巴)、Bytedance(字節跳動)と競合することになる。
- 新型コロナウイルスの流行が世界中に広がる中、Alibaba、Tencent、Bytedance は、ワークプレイスアプリのの国際版を強化することで、さらに世界市場に照準を合わせようとしている。
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詳細情報:JD の子会社 Jindong Shangke Information Technology(北京京東尚科信息技術)が開発した JoyMeeting は、これまで JD のチームやパートナーのみが利用できるビデオ会議ツールだった。
- JoyMeeting には、1対1の会話、会議、インタビュー、講演などのビデオ会議機能が搭載されている。
背景:中国のテック大手では、ワークフローを円滑にし、データの安全性を確保するために、自社開発のコミュニケーションアプリを開発することが一般的になっている。成長市場でのテリトリをマークするために、社内で開発・テストされたワークプレイスアプリを外部に公開する企業が増えている。
- 中国のテック企業は2019年後半以降、「Voov / Tencent Meeting(騰訊会議)」、「Alibaba Cloud Conference(阿里雲会議)」、「DingTalk(釘釘)」のグローバル版「DingTalk Lite」、「Feishu(飛書)」 など、多くのワークプレイスアプリをリリースしている。
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