Walmartなどの小売業者が使用するオンデマンドの倉庫サービスとテクノロジープラットフォームを提供するFlexeは、T.RowePriceが主導するラウンドで7,000万ドルの資金調達を実施した。この資金調達は、オンラインショッピングへの移行が2年近くも早まり、米国のオンライン上での取引額が30%も増加したeコマースブームの真っただ中に行われた。
世界は2021年の内にある程度以前の生活を取り戻すかもしれないが、一部の消費者に発生した変化はもう戻ることはなく、さらにデジタルコマースには増え続けるデータと分析によるメリットもあるため、多くの企業がオンラインでの運営に投資し続けることだろう。
柔軟なロジスティクス
2013年に設立されたシアトルを拠点とするFlexeは、米国全土の約1,500の倉庫で小売業者とブランドの需要を満たしている。クラウドコンピューティングがビジネスを変革し、莫大なインフラ投資なしにデータストレージとコンピューターの処理能力の拡張が可能となったように、Flexeは同様の思想を倉庫とフルフィルメント事業に採用することにした。
「AWSが15年前にクラウドコンピューティングを考案するまで、企業は独自のデータセンターをリースして運用したり、サードパーティのデータセンターオペレーターにアウトソーシングしたりしていましたが、どちらの選択肢にも多額の固定費と時間的な制約が伴いました。従来の倉庫ソリューションは、ファーストパーティまたはサードパーティのどちらが運営する場合でも、基本的な契約の形は定期リースであるため、長期契約が必須で高い固定費がかかるという課題があったのです」(FlexeのCEO兼共同創設者のKarl Siebrecht氏)。
さらに従来の契約の仕組みでは、予測できない(あるいは予測可能だったとしても)市場の変化に直面した場合、企業が柔軟な対応をしてくれることはほとんどない。しかし企業の製品に対する需要は、時期やサプライチェーンの問題による予期せぬ障害、気象条件、あるいは実際に起こった世界的なパンデミックなど、様々な要因によって増減する可能性がある。
「一般的なFlexeの顧客であるオムニチャネルを導入する小売業者やブランドは、ロジスティクスネットワークを迅速に拡大や縮小してビジネスの成長を維持し、消費者の近くに商品を保管して納期を短縮し、サプライチェーンの混乱を迅速に解決できます。COVID-19はこういった多くの問題を表面化させました」(FlexeのCEO兼共同創設者のKarl Siebrecht氏)。
Flexeを使用すると、企業は商品の保管だけでなく、直接販売(D2C)と卸売りの両方のフルフィルメント(ピッキング、梱包、出荷)を提供する、管理が行き届いた倉庫の運用ネットワークにもアクセスできる。クラウドコンピューティングと同様多くのFlexeの顧客は、独自のネットワークとインフラをFlexeのプラットフォームと合わせた”ハイブリッド “アプローチを採用している。
「事実上すべてのエンタープライズ事業がクラウドとデータセンターインフラストラクチャのハイブリッドで運用されているように、Flexeの顧客は、俊敏性と回復力がより優れたサプライチェーンを構築するため、堅固かつ柔軟性のあるハイブリッドなロジスティクスネットワークを運用しています」とSiebrecht氏は付け加えた。(次につづく)
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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