Windows 365はMicrosoftが「インスタントオン」と呼ぶ起動体験を提供し、アプリやツール、データ、設定をクラウドからMacOS、iOS、Linux、Androidにストリーミングする。各インスタンスの状態は暗号化されており、デバイスを切り替えても同じ状態を維持する。またWindows 365は、標準のWindowsインストールと同様にMicrosoft 365、Dynamics 365、Power Platformなどのビジネスアプリケーションをサポートしている。
さらに「App Assurance」と呼ばれる新しいサービスでは、150人以上のユーザーを持つ顧客に対しては、発生したアプリの問題を追加費用なしで解決することができる。ITに関しては、Windows 365がMicrosoft Endpoint Managerで物理デバイスと一緒に表示されることになる。管理者は、管理ポリシーとセキュリティポリシーを適用し、Windows 10、Microsoft Defender for Endpoint、Microsoft Edge、またはクラウドPC固有のセキュリティベースラインを使用することができる。
Windows 365 の多要素認証(MFA)は、Microsoft Azure Active Directory との統合によりクラウド PCへのログインやアクセスを検証する。Microsoft Endpoint Managerでは、MFAをWindows 365の条件付きアクセスポリシーと組み合わせ、ライセンスやデバイス管理、クラウド PC 管理などの権限を特定のロールに対して委譲することができる。Microsoft Defender for Endpointは、クラウドPCにも対応しており、管理者はインスタンスをオンボードし、セキュリティ推奨事項を活用して課題発見や優先順位付けを行うことが可能だ。
株主総会効率化の分野では、金融大手 Citi からスピンオフした、ロンドン拠点の投資家向け議決権代理行使プラットフォーム「「Proxymity」が昨年7月、金融各社から2,050万米ドルを調達している。日本では昨年6月、スマートラウンドが提供する「smartround」が、新機能「株主総会 smartround」をローンチした。
Nature は今年3月に電力小売事業に参入し「Nature スマート電気」を開始しており、今回調達した資金を使って、家庭用太陽光の導入とエコキュート(給湯器)・蓄電池・EV等のエネルギーマネージメントをセットにした「Behind The Meter 事業」の拡販を図るとしている。また、今回の調達と合わせ、クックパッドのデザイン戦略本部長で UI デザイナーの宇野雄氏をアドバイザーに迎えたことも明らかにした。Nature では宇野氏の参画を受け、今後はより一層デザイン領域を強化する。
Nature は、三井物産出身でハーバード MBA を取得した塩出晴海氏(現 CEO)らがボストンで起業。NatureRemo は、出先から帰宅前にスマートフォンでエアコンをつけたり、Google Home や Amazon Echo から音声でテレビや照明を操作することができるほか、API を使ったサードパーティーによるサービス構築も可能だ。
Nature は 2016年に Nature Remo を発表し、その後、Kickstarter、Indiegogo、Makuake の3サイトでのクラウドファンディングで総額2,200万円以上を調達。2018年に全国家電量販店(ビックカメラ、ヨドバシカメラ、ヤマダ電機等)で販売を開始し、2019年4月にスマートホームスターターキットとして Google Home Mini と Nature Remo mini のバンドル商品を量販店で販売開始した。Nature Remo の累積販売台数は30万台以上。Nature は今年、「Google for Startups」に選出された。
海外旅行客の免税手続をモバイルアプリで完結できるデジタルプラットフォームを運営する Pie Systems は14日、日本法人となる Pie Systems Japan を設立したことを発表した。Pie Systems Japan の代表取締役には、PayPal 日本法人の社員第1号で、 Square の日本法人代表、Origami(メルペイが2020年1月に買収)の COO を務めた水野博商(み…
Image credit: Pie Systems
海外旅行客の免税手続をモバイルアプリで完結できるデジタルプラットフォームを運営する Pie Systems は14日、日本法人となる Pie Systems Japan を設立したことを発表した。Pie Systems Japan の代表取締役には、PayPal 日本法人の社員第1号で、 Square の日本法人代表、Origami(メルペイが2020年1月に買収)の COO を務めた水野博商(みずの・ひろあき)氏が就任したことも明らかになった。
Pie Systems は2018年、ThirdLove や Udacity 出身の Sunny Long 氏によりシリコンバレーで設立。街角に免税店が並ぶ市場がある国として、2019年にデンマークから事業を開始し、その後、ノルウェー、スウェーデンで事業展開。EU 地域1,000店舗以上で、モバイルで免税手続を行える仕組みとして普及が進んでいる。アジアでは日本が初参入する市場として、2020年から準備を開始し、国税庁から免税手続を電子的に処理できる承認送信事業者として認められた。今年から正式サービスを開始する。
Pie Systems は昨年8月に実施したラウンドで、デジタルガレージ(東証:4819)グループの投資部門である DG Ventures を含む投資家から160万米ドルを調達。これを契機として、同グループのアクセラレータ Open Network Lab が福岡で運営するオープンイノベーションプログラム「Open Network Lab FUKUOKA)」で PoC を展開していた。
訪日観光客の人数は新型コロナウイルス感染拡大の影響で激減しているものの、日本政府が昨年の政策会議で発表した「観光ビジョン実現プログラム2020」では、新型コロナ感染の収束を見極めた上でインバウンド回復を図り観光立国を目指すことが改めて確認されており、2030年の目標は年間6,000万人、旅行消費額は15兆円に設定されている。一方、Pie Systems が独自に集計・見積もった資産によれば、免税店の数は現在54,667店であるが、潜在的には97万店までの伸びる可能性があるという。
Image credit: Pie Systems
今年10月、日本政府は免税手続を電子処理に完全移行させる計画で、事実上、アナログ手続、すなわち、旅行客がレシートや領収書を提示して専用窓口で免税申請を行うことはできなくなる。免税店は自ら、国税庁サーバに販売データを送信するか、これを承認送信事業者を利用して行う必要が生じる。前出のように、Pie Systems は承認送信事業者を認められているため、Pie Systems のアプリを利用することで、海外旅行客は日本で購入した商品について電子的に免税手続を行えるようになる。
また、通常の免税手続においては、申請の都度、パスポートの提示が必要になるが、Pie Systems では、少なくとも旅行中に本人の ID 情報が変化する可能性はないことに着目し、パスポート情報を本人認証とともにアプリに登録することで、手続のステップを一部簡便化した。免税店での購入時には、お店から渡される6桁の番号または QR コードをユーザがアプリに入力またはスキャンすることで、本人情報と購買情報が Pie Systems でチェックされた後に紐づけられ、国税庁に送信される仕組みだ。
Pie Systems はシステムの導入にあたり、導入店舗からは利用料を徴収しない。手続完了後に免税が認められ、ユーザが持つ Pie Systems のアプリのウォレットに還元される金額のうち一部を Pie Systems が手数料として受け取る形でビジネスを成立させる。また、店舗にとってはシステムを通じて、どの顧客が商品を購入したかの記録やトラッキングできるため、再訪を促すためのリピーター施策やプロモーション活動にも活用することが可能になる。