サウジのスマートシティ「NEOM」のChatterjee氏が語った、資金調達の危機をチャンスに変える方法

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Kumardev Chatterjee 氏
Image credit: KOTRA

先週、ソウルでスタートアップの海外進出を支援するイベント「InnoGate 2022」 が開催された(主催:KOTRA=大韓貿易投資振興公社)。基調演説では、NEOM Tech & Digital のディレクターで、世界経済フォーラム諮問委員の Kumardev Chatterjee 氏が「危機を機会に変える方法」というテーマで発表した。

グローバルスタートアップ投資の現状とトレンドを見て、スタートアップは現在の危機にどのように対応すればよいかなどを紹介した。その内容を簡単にまとめた。

<世界の資金調達状況>

  • 2022年上半期の投資は1,230億米ドルの投資が行われたアメリカが最も大きく、投資1件当たりの規模も最も大きい。
  • ヨーロッパにおける同時期の投資は500億米ドル未満で、市場の断片化と政府の規制でアメリカより小さく、投資1件当たりの金額も小さい。
  • アジアは昨年から頭角を現し、投資件数と投資金額は増えたが、調達ラウンド毎の投資規模が小さく、全体的に規模は小さく、オーストラリアは主要プレイヤーとして見にくい。
  • アメリカはサンフランシスコベイエリア、ニューヨーク、ボストンで投資が多く行われているため、資金調達を望むならこの3カ所のいずれかに行かなければならない。オースティン、マイアミもあるが、実際には前出の3都市に投資が集中し、その他地域では調達の可能性が希薄なため、調達を受ける場所が重要だ。
  • ヨーロッパではイギリスが調子良く、ヨーロッパでスタートアップ資金調達1位だ。
  • アジアは国ごとに偏差が大きく、投資規模で中国の次は香港だが数字は半分に減少する。日本とシンガポールは実際の投資はあまり大きくなく、投資もあまり流入していない。
  • 現在、経済市場は弱含みで投資額が減少している。不確実性のため海外市場への投資を減らしており、投資家は次のラウンドでの投資を展望しており、フィンテックやデジタルヘルスなどすべてのセクターで前四半期比で投資が30%下落した。
世界の投資機会
Image credit: Blue Hat Founders

<成長分野>

  • 成長し続けているのは Web3 分野で、特に機関投資家は Web3 に投資を増やしており、下半期には生まれる Web3 ファンドは増える模様だ。
  • Target や Walmart をはじめ、アメリカ小売事業者の75%が今後2年以内にステープルコインで決済を可能にすることを宣言した。これらはアメリカ経済の60%を占めるため、機関投資家と個人投資家は引き続き投資に乗り出すことになるだろう。
  • NFT は取引が増加し依然として好況期であり、スタートアップであるならば、今こそ Web3 分野に参入しなければならない。
  • アジアは一貫した政策がないため、資金が正しく流れない。
  • メタバースで購入したものは、今後、価値が上がる可能性が高い。
  • ドバイ未来財団(The Dubai Future Foundation)は2030年までに4万件以上の仮想雇用を創出し、UAE(アラブ首長国連邦)の  Damac Group もメタバースに1億米ドルを投資する予定だ。
  • McKinsey が11カ国で調査した結果、79%の消費者がメタバースに移行したいと答えたという。
  • スタートアップはメタバースを戦略の一部として導入し、技術ロードマップを構築する際にメタバースをどのように攻略するかを考慮する必要がある。

<資金調達のためのアドバイス>

  • スタートアップは段階的にお金が必要だが、常に資金調達をしていなければならない。
  • 技術があって市場を理解し、スマートであってもビジョンをきちんと説明できないと失敗する。スタートアップが1社成功する裏では、200社が失敗している。
  • 資金調達には、製品(ビジョン/コンセプト/チーム/技術/戦略/ビジネスモデル)、コミュニティ(タイプ、規模、ROI/顧客)、展望(ビジネスモデル、キャッシュフロー/イグジット、トラクション、パートナーシップ)などを準備する必要がある。
  • 経済が良くなるまで待たずに、後続の資金調達を絶えず準備すべきだ。
  • 具体的な準備やネットワーキングにも資金が必要なので、投資を受けるために必要な予算を策定しなければならない。
  • アメリカでは創業者1人が優れているケースがあるが、アジアでは優れたチームを構成する必要がある。
  • アジアでは謙虚さが美徳だが、積極的にサービスをアピールし、支援してくれる人とネットワークを構築しなければならない。
  • 一度成功したら、また成功できるという過信は禁物。市場は急速に変わっており、スマートな人は増えている。

via YouTube / KOTRA

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