共通の関心トピックを持つ話し相手を見つけて語り合えるトークアプリ「Talkstand(トークスタンド)」がβローンチ

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「Talkstand」
Image credit: the Babels

東京に拠点を置くスタートアップ the Babels は15日、トークアプリ「Talkstand(トークスタンド)」をβローンチした。AndroidiOS で動作する。

Talkstand は「同じ興味の話し相手を見つけて語り合える」トークアプリだ。ビジネスでも恋愛でも、実際に会うことを前提に出会いをマッチングするアプリはこれまでにもあった。Talkstand は実際に会うかどうかは二の次で、興味を同じくする誰かと会話してみるアプローチを取る。通常はビデオ通話だが、顔を出したくないユーザのために、音声だけでのやりとりも可能だ。

大西ラドクリフ貴士氏

the Babels は、リクルートの社内新規事業制度「RING(旧:NewRING)」でグループ全社1位を獲得し、後にリクルート MTL(Media Technology Lab)などでスタートアップ支援を手掛けてきた大西ラドクリフ貴士氏が2017年に創業。当初は、世界中の人々が対立しやすい話題について、それぞれの立場からの意見を多面的に読めるプラットフォーム「Historie」を開発していた。

Historie は多面的な意見の収集に成功したが、大西氏はユーザヒアリングを続ける中で、「違う意見を読むだけじゃなくて、違う意見の人とゆっくり話してみたいんだ」というフィードバックを得る。そうして生まれたのが Talkstand だ。

世の中では意見が分かれると、どちらかが正でどちらかが誤と定義しがちだ。その方が説明しやすいし、多数決の論理からもそうなので、メディアはこぞってそういう立場を取りたがる。しかし、多様な意見やそれを語る人に接することができれば、自分と異なる価値観を受け入れ、人々はもっと寛容になれるかもしれない。

テクノロジーの力で人と人との間の衝突を少なくし、ひいては、社会対立の構造や紛争などを減らそうとするアプローチをピーステック(PeachTech)と呼ぶ。ワシントン DC には、このピーステックに特化してスタートアップを支援するアクセラレータも存在するくらいだ。

Talkstand で実際に話されているトピック(一部)
Image credit: the Babels

新型コロナウイルス感染拡大の影響で外出や人に会うことが抑制され、ストレスを増幅させたり孤独感を感じたりしている人は少なくないが、the Babels では、そんな人たちにこそ Talkstand の利用を薦めている。トピックを選び、話し相手を見つけ、事前にチャットでやりとりし、互いが話してみようということになれば、ビデオ通話のスケジュールを決めるというステップだ。

アプリがα版の段階からコアユーザがデモに参加していたので、β版ローンチの段階で新しく参加したユーザが Talkstand 上で話し相手探しに困ると言うことも無いだろう。the Babels では、「どんな話題でも、安心して話せる相手が見つかる」ことや「新しい人との会話で、予想外の気付きに出会える」ことが Talkstand のバリュープロポジションだとしている。

the Babels はこれまでに、F Ventures、古川健介氏(アル)、石田健氏(Minor Studio、イシケンTV)、桂大介氏(リブセンス共同創業者)、菅原健一氏(moonshot)、中川綾太郎氏(newn)、那珂通雅氏(ボード・ウォークキャピタル)、冨塚優氏(元リクルート)、久住拓寛氏(アルシオン・ファミリーオフィスサービシズ)、金野索一氏(Peace Tech Lab/Edtech Global)、真下幸宏氏(aviators 司法書士事務所)という錚々たる顔ぶれのエンジェル投資家から資金を調達している。

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