Zopim はシンガポールのスタートアップで、ウェブサイトにウィジェットを貼付けるだけで、ライブチャット形式のユーザ向けカスタマーサポート機能を提供してくれる。このしくみを採用したウェブサービスでは、カスタマーサポート担当者はパソコンの前に張り付いていなくても、SMS やメッセンジャーを使って、外出先からユーザの質問に答えられる。
昨日、サンフランシスコを拠点に、同じくカスタマーサポート向けのウェブソリューションを提供する Zendesk は Zopim の買収を発表した。買収金額は2,980万ドル(約30億円)で、Tech in Asia の報道によれば、1,590万ドル(約16.1億円)は現金前払、500万ドル(約5億円)は普通株式、残りの1,390万ドル(約14億円)は今後数年間に渡って支払われる。また、Zopim の現社員はそのまま勤務を続けるとのことだ。
上の写真は2010年秋、ツイキャスの赤松洋介氏(当時はツイキャスを手がけるモイ株式会社はまだ無く、その前身であるサイドフィードを経営)と共に、シンガポールにある Zopim のオフィスを訪れたときのものだ。この当時はシンガポール国立大学(NUS)のインキュベーション施設に入居していた彼らだが、従業員数も増え移転したようなので、近日中に新しいオフィスを訪問してみたい。なお、Zopim は日本でも代理店を通じて、ローカライズされたサービスが提供されている。
Zendesk は先頃、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に1.5億ドル(約152億円)規模での上場を発表した。上場後の取引値にもよるが、少なくとも Zendesk は Zopim の買収に要するコストの約2割を市場からの調達で賄えることになる。Zendesk は昨年の日本市場進出、東京オフィスの開設と順風満帆な動きを見せているが、Zopim というアジアに強いスタートアップを手中に収め、Zendesk 自身のアジア展開についてもどう影響を及ぼすのか、近いうちにインタビューしてみようと思う。
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