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5カ月で1000万回答を達成したnanapiのアンサー、Android版を正式提供開始

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新しいタイプのQ&Aサービス「アンサー」を提供するnanapiは5月16日、同アプリのAndroid版の正式提供を発表した。Android2.3.3 以降のスマートフォンおよびタブレットが対象で、利用は無料。 なお、nanapiでは2013年12月から提供を開始しているiOS版の回答数が約5カ月で1000万回を突破したことも合わせて発表している。4月14日時点で発表されている回答数が600…

アンサー 内緒で相談!無料チャットで即返信_ひまつぶし_音声_-_Android_Apps_on_Google_Play

新しいタイプのQ&Aサービス「アンサー」を提供するnanapiは5月16日、同アプリのAndroid版の正式提供を発表した。Android2.3.3 以降のスマートフォンおよびタブレットが対象で、利用は無料。

なお、nanapiでは2013年12月から提供を開始しているiOS版の回答数が約5カ月で1000万回を突破したことも合わせて発表している。4月14日時点で発表されている回答数が600万回だったので、約1カ月で倍近くの伸びを示していることになる。

<参考記事> 回答600万件のスマホQ&A「アンサー」、講談社などと人気漫画キャラが回答してくれるコラボを実施

アンサーはユーザーの一般的な質問にユーザー同士が回答するコミュニケーションサービス。従来のQ&Aサービスに比較して、チャットのような感覚で相談できることから5分以内のレスポンス率90%という高い利用状態にあった。

また、レスポンスにもアンサーらしいアイデアが含まれており、4月には講談社などと連携し、人気漫画のキャラクターがbotとしてユーザー間コミュニケーションに参加するサービス提供も開始している。

グローバル展開を目指す、シリアルアントレプレナー古川健介氏

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See the original story on Tech in Asia. 「高校生の頃、私はインターネットに夢中でした」とnanapiのCEOで、共同創業者の古川健介氏は語る。2000年、19歳だった古川氏は学生向けオンライン掲示板「ミルクカフェ」を立ち上げた。 ニュースレターの購読 注目すべき記事、世界のスタートアップシーンの話題、BRIDGE 主催のイベントに関する情報をお届けします! …

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See the original story on Tech in Asia.

「高校生の頃、私はインターネットに夢中でした」とnanapiのCEOで、共同創業者の古川健介氏は語る。2000年、19歳だった古川氏は学生向けオンライン掲示板「ミルクカフェ」を立ち上げた。

「当時、大学や学校に関する情報を見つけることは非常に困難だったので、私はインターネットで情報が共有できる学生向けオンラインフォーラムを作ったんです」(古川氏)。

ミルクカフェは急成長した。

最盛期、同サイトは毎月1000万ページビューを獲得し、2009年には1000万円でサイブリッジに売却することになる。古川氏は当時を振り返り、「オープンソース技術を使い、高校生たちにコーディングを手伝ってもらいました。それがこんなに成長するとは思ってもいませんでした」と語る。

2003年、古川氏は一般向けのオンライン・フォーラム「したらばBBS」を立ち上げる。翌年の2004年、古川氏は就職面接で当時インターネット大手だったライブドアCEOの堀江貴文氏と出会った。堀江氏はしたらばBBSに強い興味を示し、古川氏はまたも同サイトを約1億円で売却することに成功する。ちなみに売却後も運営管理は継続していたという。

nanapi__ナナピ____生活の知恵があつまる情報サイト___nanapi__ナナピ_

同氏は早稲田大学を2006年に卒業した後、リクルートに3年間務めた。その後2009年に、楽天でエンジニアをしていた和田修一氏とともにnanapiを始めるにあたって、リクルートを退職。nanapiは月に2800万のビジターと6000万以上のページビューを誇る日本最大級のライフハックメディアサイトとなった。

「nanapiのビジョンは、できることをふやすことです」(古川氏)。

同サイトの成長はすごかった。1年目には月に40万以上のビジターを惹きつけ、2012年には640万に成長し、2013年にはひと月に2400万ビジターを獲得し、転換点を迎えた。

サイトの初期段階の成長戦略について、nanapiのCMO原田和英氏に尋ねた。

「まずはじめに、私たちは影響力のあるライターにnanapiに投稿してもらいました。彼らのおかげでソーシャルメディアで大きな話題となり、良いスタートが切れたのです。古川さんも有名なブロガーであるため、彼自身が記事を書くことによって他のブロガーもnanapiに記事を投稿してくれたのです」(原田氏)。

原田氏は、nanapiがSEOとソーシャルメディアに多大な労力を割いているということも明かしてくれた。

nanapiワークス__ナナピワークス____あなたの得意な「やり方」を投稿してお小遣いを稼ごう

今日において、nanapiは最新のコンテンツを読者に提供するため、今もコミュニティに大きく依存している。例えばライター向けにはクラウドソーシングのサービスがあり、必要としている全ての記事で募集をかけている。ライターは書く記事を選び、それらを書き上げる。そしてnanapiの編集者が記事を公開する前に最終チェックをおこなう。公開された記事ごとにライターは300円を受け取る仕組みになっている。

2013年12月、nanapiは新しいQ&Aモバイルアプリである「アンサー」を公開した。特徴的なの点は、アンサー上のコンテンツは24時間しか掲載されないということ。

「質問はたいていお悩み相談であり、人々はそういうことを思い出したくないでしょうから」(古川氏)。

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アンサーは今のところ10万人のユーザにより2000万のページビューを生成しており、非常に良いスタートを切っている。ユーザは同アプリに平均22分の時間を費やしている。また、2014年3月には、作者が感動的な長編記事を掲載する英語サイトを公開している。これがnanapiのグローバル戦略の第一歩となる。

「私たちはグローバル企業を目指しており、日本の外の世界を模索し始めたところです。良い結果がある程度得られればと思います」(古川氏)。

nanapiのチームには30人のフルタイムスタッフと30人のパート社員がいる。同社は昨年7月にはグロービス・キャピタル・パートナーズとKDDI Open Innovation Fundから2億7000万円の資金を調達している。

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回答600万件のスマホQ&A「アンサー」、講談社などと人気漫画キャラが回答してくれるコラボを実施

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Q&Aという形式で新しいスマートフォンコミュニケーションサービスが生まれつつあるのかもしれない。 ノンジャンルのQ&Aアプリサービス「アンサー」を提供するnanapiは4月14日、講談社およびエキサイトと共同で、週刊コミック誌定期購読アプリ「週刊Dモーニング」との連携を開始したと発表した。 ニュースレターの購読 注目すべき記事、世界のスタートアップシーンの話題、BRIDGE 主催の…

thebridge様用プレスリリース_pdf(1_2ページ)

Q&Aという形式で新しいスマートフォンコミュニケーションサービスが生まれつつあるのかもしれない。

ノンジャンルのQ&Aアプリサービス「アンサー」を提供するnanapiは4月14日、講談社およびエキサイトと共同で、週刊コミック誌定期購読アプリ「週刊Dモーニング」との連携を開始したと発表した

週刊Dモーニングの公式アカウントがアンサー内に設置され、同コミック内で提供されている「島耕作」「鬼灯の冷徹」「メロポンだし!」などの作品キャラクターからのレスが受けられるようになる。

元々、アンサーには公式キャラクター(?)のアンサーくんが存在しており、質問を投稿すると合いの手を入れてくれていた。今回もそのbot形式での提供になる。スクリーンショットにある通り、「給料が安いからなんとかしてくれ」という質問に対して島耕作のコマが回答してくれる、というような具合だ。

また、これに合わせ、nanapi代表取締役の古川健介氏は12月7日公開のアンサーの質問件数が50万件、回答件数が600万件に到達していることも教えてくれた。

Q&Aをきっかけとしたスマートフォンでのコミュニケーション

ストレートなQ&Aの価値は「知りたいことを人力で教えてもらえること」にある。しかしアンサーが今回とった方向性をみる限り、そこが最大のポイントでないことは明らかだ。

古川氏も「アンサーの価値は即レスであり、この反応にユーザーが価値、楽しみに繋がっている」と本誌取材に回答してくれている。今回「bot」という形式での即レスを、しかも人気キャラのコマで演出することでさらなるQ&A内コミュニケーションの活性化に繋げようという方向性は、巷に多く出回っているQ&Aサービスとの差別化においては正しいように感じられる。

また、古川氏はnanapiとのシナジーについてはまだないとしつつも、質問と回答のデータを蓄積しながらこのコミュニケーションそのものの価値を高めていきたいと回答してくれた。

【投資家・起業家対談】「フリーミアムは本質的価値ではなくフリクションポイントにお金を支払う」ーーグロービス・キャピタル・パートナーズ高宮氏×nanapi古川氏(4/4)

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投資家と起業家の関係は興味深い。特にシード期の投資家と起業家は共同で経営にあたり、資金だけでない特別な関係を結ぶことが多い。そこにはどのようなやり取りや葛藤があるのだろうか。このインタビュー・シリーズでは、投資家と起業家のお二人に対談形式で「二人だから語れる」内情に迫る。これまでの掲載:1回目、2回目、3回目、最終回 (文中敬称略、聞き手は筆者) nanapiの道のり 2007/12 ロケットスタ…

投資家と起業家の関係は興味深い。特にシード期の投資家と起業家は共同で経営にあたり、資金だけでない特別な関係を結ぶことが多い。そこにはどのようなやり取りや葛藤があるのだろうか。このインタビュー・シリーズでは、投資家と起業家のお二人に対談形式で「二人だから語れる」内情に迫る。これまでの掲載:1回目2回目3回目最終回

(文中敬称略、聞き手は筆者)

nanapiの道のり

2007/12 ロケットスタート設立
2009/06 代表取締役古川健介、取締役CTO和田修一の2名で本格始動
2009/09 ライフレシピ共有サイト「nanapi」をリリース
2010/11 グロービス・キャピタル・パートナーズから3.3億円の資金調達
2012/04 株式会社nanapiに商号変更
2013/07 KOIF、グロービス・キャピタル・パートナーズから2.7億円の資金調達
2013/12 東京都渋谷区道玄坂に移転

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コンテンツの発見方法と検索の次

TB:興味深いお話続いていて勉強になるんですが、例えば私が知り得ないコンテンツ、欲しい鞄とか、そういうものがある日突然提示されるような世界ってくるんですか?

古川:いつかはくると思いますよ。ただ、そこはコンテンツの力というよりは、(下記図の)真ん中のデータからではないかなと。コンテンツの力だけでやろうとしている人たちはずっと辛い思いをするかもしれません。

高宮:ネットビジネスの本質ってデータベースビジネス、とも言えるじゃないですか。コンテンツのデータベースと、ユーザの行動履歴やプロフィール、デモグラと言ったデータベースを掛けあわせることで、ユーザーとコンテンツのマッチング精度を上げるということができますというようなことだと思うんですよね。メディアでもビッグデータ的なビジネスって出てきてしかるべきなんですよね。

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古川:元々はコンテンツデータベースを押さえようと考えてましたが、ユーザー履歴やコンテンツに辿り着くところのデータを扱うような企業にならないと、ブロガーが記事を量産しているのとそんなに変わりなくなってしまいますよね。

ヤフーのEC戦略もそれを確実に理解してて、それこそ「アマゾンでも楽天でも出店してくれ」と発言しているのも、検索の部分や商品を探す部分を押さえてユーザーデータを集めることで、いかに商品に対してユーザーさんを導けるか、というところに焦点を当ててるのだと思っていて、非常にいい方向だなと思っています。

高宮:無料化することでコンテンツの獲得コストを押さえて大量に集めるのに成功していますよね。そして、検索の部分を押さえているので、検索連動広告でマネタイズできる楽天やアマゾンを追い上げないといけない立場としては、非常に良い戦略だと思います。一方で、ユーザ目線で見た時のコンテンツディスカバリー、つまり本当に欲しい商品をどのように提示するかは興味がありますね。

古川:アマゾンはデバイスから検索まで全部押さえてきてますからね。GoogleやAppleはOSレベルから押さえてきている。「あいつらずりーよ!」っていつも思っています(笑。

TB:私もこれを書いたんですけどコンテンツデリバリーの世界観って確実にスマートフォンになって変化してますよね。

古川:Gunosyが最近、新年挨拶広告という商材を出したのですが、あれはインパクトがありました。あれを見た側は「新聞のようにコンテンツを届けているんだ」と感じたんだと思うんですよね。僕もそう思いました。そういう啓蒙を経営者に対してするのは素晴らしいなと。しかも結構いい値段がする(笑。

コンテンツを届けるところは、nanapiではやっていませんでした。なので、コンテンツを届ける方をこれから作っていく必要があります。ありがたいことに、優秀なメンバーが揃っているので、あとは挑戦していくだけかなあ、と。

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メディアビジネスの課金ポイント

TB:スマホシフトが起こって、メディアビジネスって変化するのでしょうか。

古川:どこかのブランドに集客が固定化されると苦しいですよね。PCは完全にヤフーが押さえていて、他が覆すのは結局無理でしたから。でも、今スマホになってゼロリセットになっているので、その辺の変化はあるかもしれません。ただこれも今、LINEが非常に強いので、LINEの一人勝ちが起これば、これから数年はLINEの時代かなあ、と。

高宮:課金のポイントがズレるというのはあるかもしれませんね。これまで料理レシピを調べる時って紙の本を買っていたのですが、クックパッドでウェブになって人気順でソートにお金を払うようになったわけです。

フリーミアムのモデルって、サービスの提供する本質的な価値じゃなくて、フリクションポイント(ユーザにとっての不便さ、ストレス)に支払ってるとも言えるんです。例えば無料でマンガ読み放題のサービスは、一日1時間だけとか、10巻までだけとかを無料として、それを超える所で事業者はわざとフリクションポイントを演出しているんです。

ユーザーは結果的にマンガを購入していることに代わりはないんですが、課金ポイントが違う。

古川:重要なのは、ユーザーが求める価値はそんなに変わってないけど、課金ポイントがズレてるってことですよね。

高宮:ユーザが心理的に支払いやすいポイントって、世の中のうつろいで変化していくんだと思います。

古川:クックパッドの例でいうと、検索にお金がかかるって「本の目次にお金がかかる」と言われているようなもんですものね。紙の本だったら「えーっ」って思う箇所です。

よく「スマホ時代のメディアはどうなるか」とかそういう議論がありますが、人が求めるものの本質は変わらないんです。

たとえば、コンシューマーゲームのソフトに5000円出していたのが、スマホになるとアイテムに100円課金するほうがいい、となった。課金ポイントはずれていますが、本質的に楽しいゲームがしたいことに変わりはない。

高宮:そうそう。ただ、今はメディアとコンテンツだけだとそろそろ課金ポイントをずらす方法がなくなってきて、配信を含めた縦に押さえる必要が出てきている、というのが現状でしょうね。変わらない本質と変わっていく提供過程という感じでしょうか。

TB:私もメディアをやるひとりとして大変勉強になりました。長時間ありがとうございました。ここでお時間です。

これまでの掲載:1回目2回目3回目最終回

【投資家・起業家対談】「コンテンツにはお金が払われてなかった説を持ってるんです」ーーグロービス・キャピタル・パートナーズ高宮氏×nanapi古川氏(3/4)

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投資家と起業家の関係は興味深い。特にシード期の投資家と起業家は共同で経営にあたり、資金だけでない特別な関係を結ぶことが多い。そこにはどのようなやり取りや葛藤があるのだろうか。このインタビュー・シリーズでは、投資家と起業家のお二人に対談形式で「二人だから語れる」内情に迫る。これまでの掲載:1回目、2回目、3回目、最終回 (文中敬称略、聞き手は筆者) nanapiの道のり 2007/12 ロケットスタ…

投資家と起業家の関係は興味深い。特にシード期の投資家と起業家は共同で経営にあたり、資金だけでない特別な関係を結ぶことが多い。そこにはどのようなやり取りや葛藤があるのだろうか。このインタビュー・シリーズでは、投資家と起業家のお二人に対談形式で「二人だから語れる」内情に迫る。これまでの掲載:1回目2回目3回目最終回

(文中敬称略、聞き手は筆者)

nanapiの道のり

2007/12 ロケットスタート設立
2009/06 代表取締役古川健介、取締役CTO和田修一の2名で本格始動
2009/09 ライフレシピ共有サイト「nanapi」をリリース
2010/11 グロービス・キャピタル・パートナーズから3.3億円の資金調達
2012/04 株式会社nanapiに商号変更
2013/07 KOIF、グロービス・キャピタル・パートナーズから2.7億円の資金調達
2013/12 東京都渋谷区道玄坂に移転

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インターネットの変化

古川:ここ半年ぐらいで「インターネットが変化した」という実感をすごく感じるんです。この半年で変わったというより、実感として感じられるようになったのが最近という感じなんですけど。たとえば、CGMからのメディアが、スマホアプリ時代には成り立たなくなったというのがあります。

今までは「ユーザーさんが何かを投稿する→それがコンテンツになり貯まっていく→貯まったコンテンツが検索エンジンに引っかかる→またそのユーザーさんが投稿してくれる」という、うまく回る仕組みがあったんですよね。とにかくユーザーを集めれば伸びていくという方程式です。

一方で、アプリ内だけで完結するものだったら、「アプリで投稿→アプリに閉じる→(検索を含めた)外部からの流入がない」となってしまいます。なので、PC-Web時代の方程式が崩れてしまってるような気がしてて、考え方を変えなきゃなぁって。

高宮:アプリ生態系の中だけだとおっしゃる通りって感じなんですけど、一方でインターネット全体の話だと、これまでのフィーチャーフォンとPCで分離していたのが融合しつつあると思うんですよね。

アプリとウェブでデータベースが共有化されて繋がってて、例えばウェブ側=ブラウザでユーザー獲得して、アプリに流し込むというようなこともあるわけです。ネイティブアプリだけが将来のインターネットって考えるのは危険かもしれませんね。

古川:おっしゃる通りです。よく見ている情報サイトのアプリについて、ダウンロードするかっていうアンケート取ったんです。そしたら「毎日見ているサイトのアプリがあったとしても、ダウンロードしない」という人の方が多かった。ブラウザで十分だと。僕らが思っているほどは、アプリが必要とされていないみたいですね。

一方で、アプリ化だけの問題ではないとも思っています。たとえば、動画や写真など、テキストではない投稿が今後は主流になっていくでしょう。検索エンジン観点でいうと、テキストから取得している情報がほとんどなので、普通にやればマッチング精度が低いんじゃないかなっていうのはあります。

なので、インターネット上でのコンテンツの作り方は、「プロが投稿するようなハイクオリティ」の方向に向かうか、もしく「まるばつnanapi」のように、簡単なお題に対するアクションの集積で成立していくのかのどちらかかな、っていうのが個人的な考え方です。

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コンテンツやメディアに求められる価値

TB:メディアに求められるものって変わるんですかね。例えばPV(ページビュー)を指標とする構造とか。

古川: そうですね。PVは重要な指標ではなくなる可能性は高いと思います。

高宮:結局、PVが重要な指標って、広告単価が大体一定だからそうなるんですよね。でも、例えば今後、アプリがメディア化しても、クライアント側がの支払える単価が下がってしまうとPVが指標としてあまり意味なくなってしまう。

ただそれって、にわとりとタマゴの問題で、現時点でアプリ内の広告枠が少ないから立上がりきってないだけっていうのもありますよね。もしくは広告よりもゲームの課金の方が爆発的なマネタイズ力があるのでそちらに意識がいってしまってるというのもあると思います。

よく、スマートフォンになると色々変わるって言われますけど、フィーチャーフォンだろうがスマートフォンだろうがPCだろうが、ユーザーや顧客の根源的なニーズは変わらないんです。ただそれをスマホコンテキストみたいに、正しくデバイスやそのデバイスの使われ方みたいなコンテキストに当てはめていくことが肝だと思うんですよね。

古川:その通りです。求められるコンテンツは変わっていないと思います。

ちなみに、この前、nanapiでコンテンツを整理した時に、「!(潜在的問題と気付き)」と「?(顕在化した疑問)」にざっくりと分けれることに気づきました。今まで、nanapiは「?」のずっと問題の解決をやってきていたんですね。たとえば「にんじんを切りたい時に調べて解決する」というものです。

しかし、見た時に「ああ、これを知りたかった」といったような、潜在的な問題に対してメディアのようなな気づきは提供できてませんでした。ここがないと、常に着地点としてのコンテンツになってしまう。

そもそも、顕在化している問題をふたつぐらいの単語に集約して検索エンジンにぶち込んで10件の結果から取捨選択できる人って実はすごく少ないんですよね。にんじんの切り方だったらすぐ検索できますけど、なんかもやもやしている時とかに、検索で解決はできない。

これもアンケート取ったんですけど、どういう時に検索を使うか?と聞くと、やはりほとんどの方はサイト名を検索するか、「芸能人、誕生日」ぐらいの検索しかやってないんです。一方でQAアプリで試してみると、やはり多くの人たちは自分が何に悩んでいるかわからないけど悩んでいるっていう状況なんですよね。

なので、これからは「!」のコンテンツを作って、気付きを提供できるようなものも増やしていきたいなと考えてます。

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コンテンツとディストリビューターの関係

TB:メディアのビジネスの部分はどうですか?

古川:そもそも、僕は、個人的には「コンテンツにはお金が払われてなかった」という説を支持しているんです。ユーザーは「コンテンツを運んでくるところ」もしくは「コンテンツを表示する場所」にお金を支払っていたんじゃないかなと思っています。新聞でいうと、宅配と、紙面ですね。新聞は、その2つが強烈なので、今まで収益をあげられてたんじゃないかなあ、と。

逆に、地方の有名な新聞社がネット上にコンテンツをアップしても、100pvも見られないことが多くてショックだ、と記者の人から聞いたことがあります。無料のコンテンツですら、なかなか見られていないんですね。

と考えると、GoogleやGunosyのように、コンテンツがある場所までユーザーを運ぶ人のほうが、ビジネス的には有利なのかなあ、と思っています。

ユーザーさんは、体験にお金を払います。クックパッドもコンテンツそのものに課金をしているわけではなくて、検索をしやすくして、コンテンツまでたどり着きやすくするという「体験」を有料にしています。課金を考えるとしたら、コンテンツではなくて体験ではないか、という整理をしています。

高宮:そうですね。コンテンツ自体は変化してなくて、ユーザーが求めている情報に変わりはないんですよね。ただ、課金のポイントはずれている、もしくは「ずれ方」が変化しているんだと思います。

古川:課金以外、たとえば広告だと以下のように考えています。

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これは、議論の時によく使う図で、もともとは、小澤さんに教わったのです。これまで(図の中心点が)GoogleやYahoo!だったのが、デバイスの変化に伴って変わるかもしれないと。例えばスマートフォンだったらGunosyやSmartNewsなんかもそうですよね。またサービス単体で、真ん中の中心点から、コンテンツの着地点まで実現できているのがクックパッドやPixivだったりします。

クックパッドやPixivは、一回サイトにいってから、レシピやイラストを探します。その状況になったサービスは、かなり強いと考えています。こういったサービスであれば、ブランディング広告がとれたり、記事広告がとれたりするようになってくるので、広告ビジネスでも大きく拡大することができます。逆に着地点だけしかできていないメディアは、Adsenseなどが収益の中心になります。

高宮:これってどこまで垂直統合するかっていう話ですよね。仮にアプリの時代がやってきたとして、横で押さえていた関所が崩されて抜かれてしまう可能性が出てくる。言い換えればコンテンツと運ぶところを両方垂直統合すると一番強いってことだと思います。

古川:真ん中の人たちがコンテンツ作っちゃうと、一気に垂直統合できちゃうので強いです。たとえば、SmartNewsやGunosyがニュース配信し始めたりするのは、戦略的にすごいありですね。そのうちやるんじゃないかな?

TB:LINEニュースの編集チームみたいな。

高宮:逆に言えば、この真ん中の部分、ユーザーが集まる中心点から抑えないと、スマホへのシフトがおこっている今、どんなサービスでもひっくり返される可能性がある、というリスクをはらんでますよね。

古川:その通りです。なので、コンテンツをスマホ向けに考え抜きつつ、ユーザーが集まる中心点も抑えなければいけなくなります。

最近リリースした「アンサー」というQ&Aアプリは、まさにこのユーザーの集まる中心点のところを念頭において作っています。

TB:たとえば、何に困っているのかすらわからない人はアンサーにやってくると。

古川:そうですね。先ほども言いましたが、そもそも悩みが何かわからない人が多いので、雑談レベルでもいいので、質問を投げてもらうと、あとは会話から悩みを引き出すという形ができればいいなと考えています。

また、顕在的な質問でも、アンサーで聞いたものがnanapiにあればbotが自動的に提示する、とかできたらいいな、と考えています。そうすると、コンテンツ資産も活かせますし。

どのみち、「!」のようなコンテンツを創るのも、アンサーのようにユーザーが動くところからやるのも、着地点としてのコンテンツを作り続けるだけでは限界があるのではないか、という観点から作っています。

高宮:ウェブって元々ディレクトリやランクという世の中順とか、そういった軸できれいに構造化されて整理していたものが、ここのところになって情報がセマンティック的に整理されて行く方向に変化してきていて、正しいカテゴライズやタグ付けがなされていないと探しにくくなってきてますよね。

広告業界で起こったアナロジーがメディア業界にもきているんじゃないでしょうか。その感覚はありますよ。

この図って横にするとそのまま広告業界のカオスマップになるじゃないですか。テクノロジーによって広告がターゲティングされて効率がよくなりマネタイズがしやすくなった。今度はその広告でおこったイノベーションが、メディア側に波及してくることで、近い将来メディアのマネタイズモデルにもイノベーションが起こるように思っています。

古川:確かに。広告もコンテンツといえばそうですしね。

高宮:ビジネスになりやすかった広告「コンテンツ」が、全コンテンツの中で先駆けてイノベーションが起こった、という言い方もできますね。

これまでの掲載:1回目2回目3回目最終回

【投資家・起業家対談】「nanapiって今までやってきたサービスの中で一番難しい」ーーグロービス・キャピタル・パートナーズ高宮氏×nanapi古川氏(2/4)

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投資家と起業家の関係は興味深い。特にシード期の投資家と起業家は共同で経営にあたり、資金だけでない特別な関係を結ぶことが多い。そこにはどのようなやり取りや葛藤があるのだろうか。このインタビュー・シリーズでは、投資家と起業家のお二人に対談形式で「二人だから語れる」内情に迫る。これまでの掲載:1回目、2回目、3回目、最終回 (文中敬称略、聞き手は筆者) nanapiの道のり 2007/12 ロケットスタ…

投資家と起業家の関係は興味深い。特にシード期の投資家と起業家は共同で経営にあたり、資金だけでない特別な関係を結ぶことが多い。そこにはどのようなやり取りや葛藤があるのだろうか。このインタビュー・シリーズでは、投資家と起業家のお二人に対談形式で「二人だから語れる」内情に迫る。これまでの掲載:1回目2回目3回目最終回

(文中敬称略、聞き手は筆者)

nanapiの道のり

2007/12 ロケットスタート設立
2009/06 代表取締役古川健介、取締役CTO和田修一の2名で本格始動
2009/09 ライフレシピ共有サイト「nanapi」をリリース
2010/11 グロービス・キャピタル・パートナーズから3.3億円の資金調達
2012/04 株式会社nanapiに商号変更
2013/07 KOIF、グロービス・キャピタル・パートナーズから2.7億円の資金調達
2013/12 東京都渋谷区道玄坂に移転

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nanapiにとって2011年は我慢の年

TB:2011年は我慢の年でした。お二人の雰囲気が悪くなったりとかってあったんですか?

古川: それはなかったですね。思い浮かばない。ただ、nanapiって僕が今までやってきたサービスの中で一番難しいですね。誤解を恐れずに言えば苦戦してます。

高宮: 記事を作れば伸びるんですけどね。累乗的な伸びがいつかはやってくるだろうと思ってたんですけど、その「ぐわん」って伸びるタイミングがいつかわからない。ドキドキしてましたよね。

古川: じわじわ伸びるんですよね。月10%成長とか。

高宮: 去年の5月頃でしたっけ。カテゴリ分けしてぐわんと伸びたの。

古川: そうですねー。今はまた止まってますけど(笑。小澤さんはずっとこういう(アクセスが一気に伸びて、踊り場に入ってまた伸びる)動きになるんじゃないかって言ってましたけど、その通りですね。

このnanapiって僕らにしては結構考えて、ここを増やせば伸びるっていうロジックで攻めてるのが珍しいやり方なんですよ。これまでって「これやれば絶対当たるよね!」っていうのをやって「わーい1億PVいったー」っていうのが今まででしたから新鮮と言えば新鮮ですね。

高宮: なので、ぐっと伸びるタイミングまではひたすらキャッシュ使ってたんですよね。

古川: そうですね。

高宮: 平坦な伸び率のまま、中期戦略の大きな絵についての議論の中で、最悪成長率はこのままじわじわで、1年後にキャッシュが尽きたらどうしましょうかって話が出た時、実は最悪の場合はウチでもう一回支えなきゃいけないって腹括ってたりしました。

古川: おお。

高宮: もちろん投資家としてはイヤな状況ですよ。大きなマイルストーンを達成して次のラウンドにいく方が当然スムーズだし、道半ばのラウンドって苦戦するのは必死なので。

古川: じゃあその腹括った直後ですね。

高宮: カテゴリ分けしたら一気に伸びましたね。

TB:そういう時ってハッパかけたりしないんですか?

高宮: nanapiにはCFO(最高財務責任者)がいなかったんですよ。だから敢えてハッパかけたり、こちらが腹括ったみたいなのは出しませんでした。CFOがいない会社にファイナンス的にヤバいっていうプレッシャーかけたところで仕方ないし、そこはリードの投資家が引っ張るしかないじゃないですか。

古川: そうですね。それにどちらかというと私たち、「お金なくなったら稼げばいいや」っていう感覚があるので、それはセーフティーネットになってましたね。

高宮: ラーメン代ならいつでも稼げるっていう。

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急成長期への期待

高宮:1000万ユーザーを越えたのはそこからもうちょっと先ですかね。

古川: 大体1年後ぐらいです。

高宮: 2011年って何やっても上手くいってなかったですよね。

古川: それでも1年でみると、170万ユーザーが400万ユーザーになってるので、今からみたらそんなに悪くはないんですけどね。

高宮: 順調に一次関数的に伸びてますね。クリティカル・マスに達するまでひたすら記事を作り続ける。オペレーション効率を高めてどうやって記事制作を効率化させるか。

古川: そうですね(遠い目。

高宮: 記事数のクリティカルマスって、最終的にはお金で解決する話なので、いつかは絶対到達できると思ってました。ただ、いつくるのかという不安はありましたよ。クリティカルマスに達するまでに3億円かかるのか、5億円なのか、10億なのか。20億円だと単独だと支えるのは無理だな、とか。でも掘り続ければなんか金脈は出るだろうって信じてました。

TB:大変だったんですか?

古川: いや、言い方はちょっとアレなんですが、nanapiってずっと大変なんですよ。だから変わってないんです。

高宮: ただ、みんなの期待値は高いんですよね。

古川: そうですね。未だにやってて全然ブレイクしてないなーって思ってますけど。2000万ユニークユーザーまでは、変な言い方かもしれませんが、小手先でもいけるんです。でもこれを4000万人とかにしようとすると、本当にユーザーに支持されないと無理。

昔やってたサービスで、1カ月で1億PV増えた、とかそういうのはあったんですけど、nanapiが明日突然成長するというのはやはりないですね。

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拡大期ーnanapiのビジネスについて

古川: だいぶ長い時期、広告貼ってなかったんですよね。

高宮: ユーザ数やPVの成長がもやもやしてる時に、中途半端に広告のチューニングとかにリソースかけるんだったら、オペレーションの改善をもっとやって記事をもっといっぱい書こうっていうことで広告を全撤廃してましたもんね。

古川: お金にならないイメージあったけど貼ってみたら意外と儲かったんですよね。初月で100万円ぐらいいって、これチューニングしたらもっといけるんじゃないのってやってみたら3カ月で1000万円ぐらいいっちゃって。

高宮: そう。もっと早く気付けばよかったですよね(笑。

古川: 事業的な視点でみると月次でイーブンになっちゃったりしてましたね。確か去年の8月で単月黒字になっちゃったんですよね。

高宮: そう。よくない(笑。

古川: 黒字になって「やべー怒られるなー」って思ってました(笑。

高宮: nanapiのコストは、ほぼ記事書くところだけですからね。極端な話、記事書くのをやめたら売上だけ残りますから、利益を出すのは難しくないと思います。まあ、逆に、売上がそれだけ立つってことは、もう後はどれだけ上を狙うかってことだけですよね。

古川: 当時で2500万人訪問ぐらいですね。

高宮: シリーズBの前ってKPIも明確だし、オペレーションも定型化してました。

古川: これまでって安定して記事制作することを重視してきましたからね。ただとにかく今はサービスがまだまだなので、組織を変えて、カオスでも熱量が産まれるように工夫しています。

ここ1,2カ月ぐらいやってうまくいきそうなんですが、トラブルが多すぎて寝れなくなってるのが悩みの種です。

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同世代の起業家、そして会社の今後

高宮: 世代に収束するかどうかは別として、イグジットの選択肢が増えたり、モチベーションが変わったりしつつありますよね。76世代って成り上がりとか、そういう雰囲気があったじゃないですか。

古川:大きな事業をやりたいから、大きな会社と一緒にやればいいやっていうのは確かにありますよね。ただ、私たちの世代ってヤフーが存在してて、今の時代にヤフーのようなものを作ることはやっぱり難しいと思うんです。

高宮: nanapiだってシリーズBのラウンドでバイアウトという選択肢がなかったわけじゃないですからね。

古川: むしろ話としては、「どこかに買われるんじゃねえの」ってみんな思ってたみたいです(笑。

高宮: 検討の遡上にも乗らなかったですよね。

古川: せっかくベンチャーやっているし、「グーグルを超える!」とか考えててもいいんじゃないかと思っていたりします。

高宮: 小澤さんも1000億円企業を目指せ!ってハッパかけて、気がついたら7000億円企業目指せ!に変わってましたから(笑。

古川: 小澤さんとやってたときは「よし、けんすう、30億円で売ることを目指そう。30億円稼いだらすごいぞ」って言ってました。なんなら10億円でもいいって。小澤さん含めてみんなの目線は著しく低かったです(笑。

高宮: 笑。でも当時は20億円でイグジットしたらすごいっていう状況でしたからね。小澤さんが言い続けた結果、視点が高くなったんですよね。

古川: それはそう思います。でも最近、「1兆円の企業を目指すとか言わないとダメだ!」と思った翌日にソフトバンクの人に「うちは200兆円を目指しています」と言われて、落ち込みましたよ。想像の世界ですら辿り着いてなかったって。

これまでの掲載:1回目2回目3回目最終回

【投資家・起業家対談】「けんすうさんは長期マーク対象でした」ーーグロービス・キャピタル・パートナーズ高宮氏×nanapi古川氏(1/4)

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投資家と起業家の関係は興味深い。特にシード期の投資家と起業家は共同で経営にあたり、資金だけでない特別な関係を結ぶことが多い。そこにはどのようなやり取りや葛藤があるのだろうか。このインタビュー・シリーズでは、投資家と起業家のお二人に対談形式で「二人だから語れる」内情に迫る。 今回は国内独立系ベンチャーキャピタル、グロービス・キャピタル・パートナーズ、パートナーの高宮慎一氏と、2010年に同ファンドか…

投資家と起業家の関係は興味深い。特にシード期の投資家と起業家は共同で経営にあたり、資金だけでない特別な関係を結ぶことが多い。そこにはどのようなやり取りや葛藤があるのだろうか。このインタビュー・シリーズでは、投資家と起業家のお二人に対談形式で「二人だから語れる」内情に迫る。

今回は国内独立系ベンチャーキャピタル、グロービス・キャピタル・パートナーズ、パートナーの高宮慎一氏と、2010年に同ファンドから3億円の資金調達を経て大きく成長したライフレシピ共有サービス「nanapi」を運営するnanapi代表取締役の古川健介氏が対談する。これまでの掲載:1回目2回目3回目最終回

(文中敬称略、聞き手は筆者)

nanapiの道のり

2007/12 ロケットスタート設立
2009/06 代表取締役古川健介、取締役CTO和田修一の2名で本格始動
2009/09 ライフレシピ共有サイト「nanapi」をリリース
2010/11 グロービス・キャピタル・パートナーズから3.3億円の資金調達
2012/04 株式会社nanapiに商号変更
2013/07 KOIF、グロービス・キャピタル・パートナーズから2.7億円の資金調達
2013/12 東京都渋谷区道玄坂に移転

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二人の出会い

ーー対談はお二人の出会いの頃の記憶を辿ることから始まった。

高宮:初めて会ったのは、リクルートを辞める1、2カ月前ですよね?

古川:いや、もっと前ですよ。

高宮:今はやっていないかもしれませんが、『ベンチャービート』というイベントで初めて会ったんですよね。

古川: そうでしたっけ?

高宮: あるベンチャーキャピタリストの方は、けんすうさんと一緒にいた友人のほうを紹介してくれたんですが、僕としてはけんすうさんに興味もってしまったわけで。面白い人がいるなって。その時に、けんすうさんは「実は僕、リクルートを辞める予定なんです、起業の準備しようと思ってるんです」と言っていました。

古川: 会社を辞めたのが2009年。だから前の年の秋とか夏とかなんですかねぇ?

高宮: 僕がグロービス(・キャピタル・パートナーズ)に入ったのは2008年の夏だから、会ったのは秋冬ですね。そして、その次が、けんすうさんがリクルートを辞める一週間前あたりで、別件のヒアリングをお願いして、そうそう確か四谷のBECKSかな。

古川: BECKSの前に、海鮮丼を食べました。

高宮: そうだそうだ。その後にBECKSです。よく覚えてますね(笑。1000円単品メニューの海鮮丼。

古川: ごはんをおごってもらったことは覚えてるんです。でもその時話した内容は覚えていないです(笑。

高宮:そのBECKSの時から少し時間が空いて、代々木の前の前のオフィスにいた頃で、nanapiをリリースしたくらいのタイミングで、なんかそろそろやるんじゃないかなって思って会いに行ったら「いや、実は調達を考えておりまして」ってなったんですよね。

そのちょっと後にも、小澤さん(ロケットスタートのエンジェルでもある小澤隆生氏)と別件で会って「実はひとつ、調達の案件があるんです」って小声で言われて。もう会ってますって。

古川:小澤さんの投資が2009年で先なんですよね。ただ、お会いしてるのは高宮さんの方が先だったりするんですよね。

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高宮: 最初にベンチャービートでお会いした時は、これはあんまり距離感を詰め寄りすぎない方がいいぞっていう第一印象でした(笑。けんすうさんの印象は、スキルとしての外交能力はすこぶる高いけど、本質的にはあんまり人を中に入れないタイプと思っていました…。

古川: いや、そんなことないですよ!使ってくれてるユーザーさんと社員だったり会社の人とかとの境目というのがないので、そういう意味での距離感はあるかもしれませんけど…。

TB:高宮さんの第一印象は?

古川: 海鮮丼が美味しかったです。…ってイベントでは実はあんまり覚えてないんですよね…。

高宮: えぇーーー、こっちは合コンで気になった人から電話番号貰ったけど、あえてその日にはかけないっていうセコイ戦術を駆使していたのに…印象にすら残ってなかっただなんて(笑。

古川: 冗談です(笑。インターネットの話が分かるベンチャーキャピタリストは当時あまりいなかったので、話が分かる人だなーっていう記憶はありますよ。

高宮: BECKSでの会話は、C-teamの話を聞きにいって、今後はアプリを繋いでメディアネットワークみたいな形にして、そこにゲームを乗っけたら面白いですよね、とかそういうディスカッションしてたのを覚えてます。今から思えばコロプラですよね。投資テーマとしては正解だっただけにもったいない…。

古川: そうだったんですね…。

高宮: 覚えてない(笑。

TB: お二人は何歳の時になるんですか

高宮: 僕が32歳で、けんすうさんは?

古川: 27歳の時ですかね。

高宮: そうだ。僕らが投資した後(2010年11月に投資実行、年表参照)に小澤さんに「けんすうはシリーズAの後に結婚して、カネも女も全部俺が紹介した」って言われてましたね(笑。

古川: そうなんです(笑。2007年、リクルートに入って2年目にロケットスタートを作ったんです。ややこしいですよね。

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高宮:最初は 会社組織ではない、“チーム”だったんですよね?

古川: 設立をしようと思ったのが2007年の5月だったんですけど、登記するまでに7カ月ぐらいかかってるんです。

高宮: どうしてそんなに時間かかったんですか?

古川: いや、あのですね、みんな印鑑証明持ってなかったり…。社会に適合してなかったんですね。それでちゃんと働こう、って準備してたら半年…。

TB:その頃はちょくちょく会ったりしてたんですか?

高宮: いや、その当時はそんなに会ってなかったですね。面白いことをやりそうだったので長期マーク対象として生暖かく見守ってました(笑。

古川: 8月とか9月とかに近くのパスタ屋で話しましたね。

高宮: サービスがいい感じになってきてるし、ちょうど資金調達しようかなってことでお話を貰いました。そこからですよね。調達の話が本格的に進んだのは。

古川:(クラウドソーシング型の)nanapiワークスをリリースして、記事が集まり出したので「これはいいな!」って思ったんですけど、気がついたらお金がどんどん減っていくんですよね。でもそこで手を緩めるわけにはいかないし、よし、じゃあ投資かなって思って小澤さんに相談してました。

TB: あ、やっぱり小澤さんに相談してたんだ。

古川: そうです。当時、投資とかベンチャーキャピタルとか、よくわからなかったのですね。小澤さんとお話をしたら「やっぱりグロービスさんがいいでしょう」ということを聞いて。

高宮: でも最初に話した時から結構時間かかりましたよね。事業計画ブラッシュアップしたり、コ・インベスターをどうしようとか、色々議論しましたね。

当時はまだ今のような市況じゃないし、シリーズAで3.3億円は結構な話題になるサイズでしたからね…。事業のタイミングとしてもユーザーのトラクションは付いてきているけど、PLはなんだかよくわからない受託開発のラーメン代稼ぎで黒字になってたり。あれって小澤さんの入れ知恵ですか?PLは一応黒にしておいた方が見栄えが良いって。

古川:いや、単純に稼がないと死んじゃいますからね…。

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グロービス・キャピタル・パートナーズからの増資へ

高宮: あの当時の市況だと、なかなかチャレンジングな調達の計画でしたよね。事業計画のビジネス側、プロダクト側の両方を相当ガリガリ一緒に作り込んでいた覚えがあります。3.3億円増資する条件決めは大変でしたね。当時の数字って言っていいんでしたっけ?

古川: なんでもいいですよ。

高宮: 増資当時って月次のユニークユーザー、160万人だったんです。

古川:そんなもんでしたね。

高宮: トラフィックとして記事を増やせば、PVはスケールするのは分かっていましたが、じゃあビジネスとして経済性が合うのかな、っていう方程式に落とし込んだがミソでしたね。nanapiワークスでの1記事あたりの生産コストが分かっていて、それに対して一方で、1記事当りのライフタイムとライフタイムPVが実績からでてきて、世の中一般的には1PVあたりの広告単価がだいたいこれくらいだからみたいな方程式に落とし込んで、、、。

古川: そうですね。どうするんだろうなって当時も思ってましたが、今もまだどうしようかなって思ってます(笑。

高宮: ちょうど、ソーシャルの波がきていて、その本質は何か、そんなことを議論してましたね。Yahooみたいなディレクトリ構造で情報が整理されて、次にGoogleみたいな世の中一般的なランクで整理されて、、そしてfacebookみたいにソーシャルグラフで情報が整理されていく流れへと続く。

こんな感じで情報の整理軸が変わっていくと、情報の発見方法もディレクトリ構造のトップページからリンクを辿っていく形からサーチになり、次のソーシャル時代では、ディレクトリ構造だと一番下のレイヤーであるコンテンツの所にいきなりソーシャルのポストから飛んでくるようになる、じゃあnanapiは将来のメディアの新しいモデルになれるよね…とか議論してましたよね。

古川: すごい抽象的な議論してましたよね。

高宮: 僕らキャピタリストは、プロダクトそのものを作れる訳ではないので、大きな流れがどうなっているのか、その中でどこを狙うのか、プライオリティはどうあるべきか、それは金脈なのかなど大局観を議論するのがバリューだと思ってます。実際のプロダクトの実装はお任せになりますから。

古川: もともと、考えるのは好きなんですよね。

高宮: シリーズA以降、1年ぐらい前までは、とにかく記事を効率よく作り、サイトのユーザ数やPVを規模化するフェーズだったので、あまりごちゃごちゃ言い過ぎないようには、気をつけていました。徐々にスケールして経営イシューが出てきたタイミングでちょっとずつ発言量増やそうかなって。元々しゃべりたがりだし(笑。

古川: じゃあ結構我慢をしてたんですね…。

高宮: そのフェーズでは「中途半端にヒットを狙いにいくな、日和らず振り抜いてホームランを狙いにいけ、いつかはいくさ」しか言ってなかったですよね。

これまでの掲載:1回目2回目3回目最終回

CTOは採用にフルコミットしろ−−nanapi和田氏が語る「CTOに必要な役割とエンジニアの組織づくり」

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ウェブサービス開発にはエンジニアの存在が必要であり、彼らをまとめて組織の技術力を向上させるCTOは、企業を成長に導くキーとなる存在だ。 ハウツーサイトnanapiを運営するnanapi取締役CTOの和田修一氏は、2005年に楽天に就職、2009年から同社代表取締役の古川健介氏とともにnanapi.jpを立ち上げた人物だ。 同氏がMOVIDA SCHOOLで語った、CTOに必要な役割とエンジニアの組…

ウェブサービス開発にはエンジニアの存在が必要であり、彼らをまとめて組織の技術力を向上させるCTOは、企業を成長に導くキーとなる存在だ。

ハウツーサイトnanapiを運営するnanapi取締役CTOの和田修一氏は、2005年に楽天に就職、2009年から同社代表取締役の古川健介氏とともにnanapi.jpを立ち上げた人物だ。

同氏がMOVIDA SCHOOLで語った、CTOに必要な役割とエンジニアの組織づくりについてまとめた。

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ビジョンとマネジメントが必要な「役員型CTO」

CTOには、大きく2つに分類されると考えている。その1つが役員型CTOだ。私自身がまさにこちらの立場で、役員型CTOはエンジニアリングだけでなく経営全般に対しても責任を持ち、コミットしていかなけばならない。そのため、技術よりも経営を立場上優先しないといけない場合もある。

もちろん、役員といえども技術力は必要だ。ビジョンを持ち、技術力をもったエンジニアとコミュニケーションができ、組織づくりのためにマネジメントをするポジションにならなければいけない。

圧倒的な技術力をもった「技術リーダー型CTO」

もう一つは、技術リーダー型CTOだ。技術型は、圧倒的な技術力によりメンバーから尊敬される立場であり、社外からの評価も高い。取締役に就任しない代わりに、スーパープレイヤーとして企業の中の技術部門を牽引していく存在だ。もちろん、組織づくりなどへの分野はコミットは必要ないため、社長が技術型CTOをハンドリングする必要がある。

組織にとって、どちらのCTOタイプが良いかを考える

社長が技術について分からないならば、役員型CTOがエンジニアを組織していくべきだ。逆に社長がエンジニアを理解し、マネージメントが可能ならば技術リーダー型CTOのもとで開発を強化していこう。

どちらが良いというものではなく、社長の素質や組織体制にとってどちらのタイプが必要なのかを見極めることが大事だ。

サービスにどのような技術が必要かを考える「サービス指向型」エンジニア

またエンジニアも2種類に分類される。1つがサービス指向型のエンジニアだ。どんなサービスを作り、そのサービスに必要な手段として技術を見据えている人間のことを指す。UIやUXなどデザイン面にもこだわりも持ち、サービスを形にするためにどうすべきかを考えられる人間だ。

とことん技術を突き詰める「技術志向型」エンジニア

もう一つは、技術志向型のエンジニアだ。自身の技術をとことん追求し、ひたすらコードを書き続けていくことに熱意を持っている人間を指す。1つの分野に特化したエンジニアは、企業としての本質的なアセットになり、時に大きなイノベーションを生み出す可能性を持っている。

サービスのフェーズに応じて必要なエンジニアの役割

サービス志向型も技術志向型もどちらもが必要であり、組織にとってどのようにバランスを取っていくかを考えなければいけない。初期のウェブサービスやアプリを立ち上げようとするならば、サービス志向型の方がバランスの取れたよいサービスを作りやすい。しかし、サービスとしての追求をしていくのならば、技術力がないとサービスとしての質は向上していかない。

CTOは採用にフルコミットしろ

エンジニア採用の過程は仕事量が多い。連絡や内定通知、書類審査などは雑務ではなく、すべてが採用のプロセスとなる。nanapiの場合は選考フローはすべてCTOが担当し、採用要件の作成や求人票の確認、書類審査や一次面接、内定後のフォローなど採用すべてをカバーしている。

良いエンジニアを採用するためには、エンジニア自身で面接すること

今はエンジニア側が働く場所を選べる時代だ。そのため、採用側はいかに入社してもらうためにエンジニアをやる気にさせるかが大事だ。面接時には、どういった言語が書けるかではなく、どういった分野の技術に興味があり、システムを作る上でどこにこだわりがあるのか、その分野に対してどういった考えを持っているのかという人間性を引き出さなければいけない。

エンジニアの気持ちはエンジニアにしか分からない。面接などの採用プロセスは、同じエンジニア部門の人間と採用過程を共有させ、納得のいく採用を実施しよう。

働くために必要な最高の環境を整えること

エンジニアは、自身の働く環境に対して強いこだわりを持っている人たちが多い。そのため、意見を尊重して働きやすい環境を作りあげることが大切だ。Macが使えない、支給されるマシンスペックが低いなどの条件では駄目だ。働く環境のために必要な設備投資を惜しまず、最高の働く環境であることをアピールしよう。

人が増えても崩壊しない組織づくり

CTOが現場にいることは大事だが、時に現場にいることでボトルネックになることもある。エンジニアと同じ目線だからこそ見えてこない問題もある。nanapiでは、組織図を作りプロジェクトやサービス軸で組織を構成し、エンジニアやデザインの品質を保つために横断的にマネージメントするチーフを設置して組織を運営している。

スーパープレイヤーがいることはたしかに大事だが、スーパープレイヤーに頼りすぎな組織は脆い。できる人間だけではなく、組織としてサービスを開発できる体制づくりを構築することで、組織がスケールしても対応できるチームを作ることができる。

ビジョンを浸透させ企業を成長させよう

サービスを開発する企業の役員は、組織全体に対してしっかりとビジョンを浸透させなけばいけない。そのためには、しつこいくらいに言い続けていくことが大事だ。ビジョンを浸透させるのは役員の仕事であり、ビジョンを強く描き社長とともに企業を成長させることを忘れてはいけない。

日本のライフハック・シェアサイト「Nanapi」が270万ドルを資金調達

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから。 Nanapi は、ユーザが自分の好きなライフハックをシェアできる、日本で人気のウェブサイトだ。同社は今日、KDDI の Open Innovation Fund [1]と Globis Capital Partners から2億7千万円(約270万ドル)を調達したと発表した。これは、Globis Capital Pa…

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

Nanapi は、ユーザが自分の好きなライフハックをシェアできる、日本で人気のウェブサイトだ。同社は今日、KDDI の Open Innovation Fund [1]と Globis Capital Partners から2億7千万円(約270万ドル)を調達したと発表した。これは、Globis Capital Partners から3億3千万円を資金調達した以前のラウンドに続くものだ。

同社はリクルートの社員だった古川健介氏と楽天のエンジニアだった和田修一氏によって、2007年に設立された。彼ら2人と社員達は2009年にライフハック・シェアサイト「Nanapi」をローンチし、これまでに1,200万人のユーザを集めた。ユーザは野菜の切り方、トイレの清掃方法、洗濯機でネクタイを洗う方法など、実用的なハウツーや日常のティップスを交換している。日本の主導的なウェブポータルである Yahoo Japan と2012年に提携し、Nanapi の月間6,000万ページビュー中のうち10〜20%を Yahoo Japan からトラフィック誘導することに成功した。

今回の資金調達を受けて、同社は特にスマートフォンユーザ向けに、システム開発の強化を計画している。

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  1. KDDI Open Innovation Fund は、日本第二の電話会社KDDIとベンチャーキャピタルのグローバルブレインが共同で運用している。

ユーザ指向とデータドリブンーーユーザのためになることを徹底的に実践する「nanapi」のグロースハック #on_lab

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5月25日にOpen Network Labの主催で「Onlab Growth Hackers Conference 2013」が開催された。DropboxやAirbnbなど、世界規模でのグロースハックを手がけたスペシャリスト達が、それぞれのユーザー獲得の経験・事例を共有した。 プロダクトを利用するユーザ動向データを解析し、プロダクトの改善・改良を迅速に行っていくシリコンバレーで今最も注目の役割で…

5月25日にOpen Network Labの主催で「Onlab Growth Hackers Conference 2013」が開催された。DropboxやAirbnbなど、世界規模でのグロースハックを手がけたスペシャリスト達が、それぞれのユーザー獲得の経験・事例を共有した。

プロダクトを利用するユーザ動向データを解析し、プロダクトの改善・改良を迅速に行っていくシリコンバレーで今最も注目の役割である「Growth Hacker(グロースハッカー)」について語られたセッションの模様をレポートしていく。


続いてのセッションはnanapi代表の古川健介氏が登壇。古川氏は大学在学中から、中高生コミュニティ「ミルクカフェ」代表や2ちゃんねる型レンタル掲示板「したらば」を運営していた株式会社メディアクリップ代表取締役社長などを務めていた人物だ。現在、月2000万UUまで成長したというハウツーサイト「nanapi」のグロースハックについての話を伺った。

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古川氏が考えるグロースハックとは、A/Bテストを実践することだったり、単にユーザ数を増やすことではない。グロースハックとはユーザの気持ちになって考え、仮説を立てて試行錯誤していくこと。そのため、nanapiはユーザが何を求めているのかを徹底的に考え続けることを基本としている。

自分たちのサイトに人に来てもらうことを考えるとき、ユーザのサイトの中だけの行動を考えていてはいけないと古川氏は語る。普通、ユーザは圧倒的にサイトにアクセスしていない時間のほうが多い。サイトに来ていない時間は何をを考え、何をしているのか、サイトに来るときにはどういった気持ちでサイトに来るのかを考えるのが大事。

ユーザは一体、サイトに来るまでのプロセスをどうしているのか。これを考える準備ができたら、次のステップに移る。

グロースハックする上で大事なのはKPI設定

グロースハックする上で大事なのはKPI設定だと語る古川氏。nanapiでは、「PV = KPI」だという。PVをKPIに設定し、「ユニークユーザー」「月の訪問数」「一回あたりの閲覧PV」3つの数字の組み合わせてPVがでるので、3つの数字をそれぞれ伸ばしていく必要がある。それぞれの指標に対して、とるべき改善策は以下のとおりだ。

      ユニークユーザー = SEO / 記事増加
      月の訪問数 = リピート施策
      一回あたりの閲覧PV = 回遊施策

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今回のセッションでは、とくにSEOを中心に共有が行われた。

SEO

SEOの要点は、以下の2つに分けられる。

      ・検索順位を上げる
      ・CTRを上げる

・検索順位を上げる

まずは検索順位を上げるためにとった施策から。nanapiで実施したSEO施策はテーマページの新設だ。元々、7つのカテゴリに分かれていたものを、5000のテーマに分解することでサイトを構造化した。構造化されることで、ユーザはハウツー記事を探しやすくなった。

独自に作成したハウツーに特化した構造化がされているのが特徴だ。たとえば、7つのカテゴリで分かれていたことには「恋愛」のカテゴリがあった。だが実際に女性が異性にモテる方法を探したいと思ったとき、モテるための方法自体もいくつかあり、さらに「男心を理解する」といったようなものはモテる方法の1つだったりする。構造化を追求していった結果、パンくずは「恋愛 > 片思い > 脈ありの見極め方 > 女性のサイン」というようにかなり細分化された。

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5000もの数に分けた、テーマ分けの基準は一体どのようなものだったのか。古川氏曰く、検索キーワードと本の目次を調査して作成したそうだ。テーマ分けを行おうと考えた際、分け方は分類学に寄るか、編集観点で分けるか、検索流入の観点かに分かれてくる。nanapiのテーマ分けではそれをどれかに一元化するのではなく、すべての要素を合わせて考えたという。最も重要なのは、ユーザがどんな考えをもって、そのキーワードを探そうとしたのかを考えることだ、と古川氏は語る。

テーマ分けをすることで、テーマページが検索エンジンの上位へ。「結婚」はGoogleの検索結果で4位、「Facebook」は検索結果で5位になったという。たとえば、「Facebook 退会方法」など、人々の悩みが顕在化していることは少ない。各トピックの順位ではなく、テーマ全体のページのランキングをあげることで、人々のニーズに応えようとしている。

nanapiは現在、19000個以上のテーマに分かれている。テーマページも、単なる検索結果一覧にはしていない。検索結果を並べるだけのページではなく、ユーザが理解しやすい形に編集しているそうだ。

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効率化を意識してシステムで片付けてしまいたいところを、ユーザの見つけやすさ、クリックしたくなるようにすることを意識して、これだけ大量のデータにも人の手で編集を行なっていることは驚きだ。

・CTRを上げる

検索順位が上がったら続いては、CTRの改善だ。CTRの改善にはWebマスターツールのトラフィック部分を主に活用したという。検索クエリからわかることは多く、トラフィック・検索クエリは宝の山だと語る古川氏。

検索クエリを調べ、シートを作成してキーワードの管理を実施したそうだ。そうやって本当にユーザにとってわかりやすいHTMLタイトルになっているかをしっかりと検証する必要があるという。

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「ホワイトデー お返し 義理」で検索した際に、ユーザがなかなか求めている情報にアクセスできなかったとする。そうした際には、キーワードを管理シートに追加し、記事から内部リンクをヒットさせたいページに多く貼りつけ、同じキーワードを検索した際にヒットするページを変更する。Googleではリンクが多く集まっているページを重要だと認識し、これはサイト内部でも同じことが言えるため、自分たちでヒットさせたいページへのリンクを集めるようにしたという。

また、サイト内、パンくず、ソーシャルサイト、検索エンジンなどHTMLタイトルは様々な場所で表示される。これらはすべて分けるべきだと古川氏は語る。ユーザが自分のサイトに来る前にどういった気持ち、考えなのかを考え、タイトルが表示される箇所によって、ユーザの気持ち、考えは違うはずなので、それに合わせてタイトルを最適化するために変更する必要がある。冒頭でも語られたように、ユーザがサイトに来てからのことだけを考えていてもダメなのだ。

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ディスクリプションも、テンプレにしてしまわないで、すべてオリジナルで執筆しているという。ユーザがわかりやすいように、ちゃんとそのページの説明を丁寧に入れようにしているとのこと。テーマ分けや、テーマページの編集作業と同様に、ここも人的作業となっている。タイトル、パンくず、ディスクリプション、そのすべてがわかりやすく説明されているようにする。CTR改善のためには細かく対応していくことが重要だと古川氏は語る。

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スマートフォン用にも対応しており、ディスクリプションが最初の50文字程度で一度文末になるように調整している。これは検索結果で表示される文章が省略されない文字数に設定している。

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月の訪問回数を増やすには?

SEOが中心に語られたセッションだったが、訪問回数を増やすために行った施策についても触れられた。nanapiで月の訪問数を増やそうと考えたときに、「そもそもnanapiを知らないで見ているのではないか?」という仮説が立てられたという。

インターネットで調べたいことがあったときに検索して到達したサイト名前は知らないこともある。ハウツーの内容を検索する回数は、一般的に一人あたり月に1.5回〜2回と言われているという。つまり、ほとんどのユーザーはたまたまnanapiに来ているだけ。では見ているハウツーサイトが「nanapi」であることを訪問者に意識させると、訪問回数の数字が改善されるのでは?と考えたそうだ。

nanapiを意識させるために実施したことは、「nanapiとは?」のaboutページを見せること。aboutページを見たユーザは見ていないユーザに比べて、平均で2倍の回数訪問する傾向にあることがデータ解析でわかり、初回ユーザはなるべくガイドを踏ませるようになったという。どういう状態になったらユーザはリピートするのかを分析しなければならず、そのために色々な試行錯誤を行ったそうだ。

ユーザ観点で数字を改善し続ける

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最初の段階では、SEOやソーシャルメディアへの施策をうち、どうやってサイトに来てもらうかを考えました。今は次の段階に入っていて、月の訪問回数を改善しています。ひたすらユーザ視点に立ち、どうやったらもう1回サイト来てくれるのかをひたすら考えながら改善を重ねています。これがなかなか数字に出にくい部分なので、色々考えながら試行錯誤しています。

たとえば、nanapiに来たときに「Facebook 退会」の記事を読んで満足した人はどういった人なのか、データからではわからないと古川氏は語る。すぐに離脱した人なのか、ずっと読んでた人なのか。マウスカーソルを多く動かした人で、記事を3分の2以上スクロールした人なのか。こういった仮設を立て、実験しているという。

サイト内で何らかのアクションをした人は訪問回数が上がっているそうで、「1回デートした子は次から口説きやすい」のと同じように、どうユーザの心理的なハードルが下げ、仲良くなれるかが次の課題だと古川氏は語っていた。

この他にも、SEO施策でテーマの細分化を行い、階層を深くしたことにより、階層を深くすればするほど、構造化の観点とUI観点が一致しないことがあるというデメリットもあるという。こういった課題にも、nanapiは今後改善を重ねながら対応していくのだろう。

ユーザの立ち場になってみて、サイトに来る前の行動から考えて対応していき、データ・ドリブンに改善を重ねていく。こうしたnanapiの姿勢から学べることは多いのではないだろうか。


この記事は、5月25日に開催されたGrowth Hack(グロースハック)をテーマにしたカンファレンスのレポート。他のセッションについては「Onlab Growth Hackers Conference 2013」でまとめている。

今カンファレンスを主催したOpen Network Labはスタートアップを支援するSeed Accelerator Programの第7期を2013年5月31日(正午)まで受付を行なっている。