〈東京スタートアップ・オフィスツアー〉在庫状態を一覧表示、本好きを最寄りの書店に誘導するSpinningWorks

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

本稿は、「東京スタートアップ・オフィスツアー」シリーズの一部だ。

SpinningWorks は、東京を拠点とするスタートアップで 2010年以降、さまざまなサービスを提供してきた。これまでに、さまざまな電子書籍リーダーにソーシャル機能を追加できる SDK「Qlippy」などを発表している。2011年10月には、日本の複数の投資会社から4,100万円を資金調達している。

私は最近、SpinningWorks の創業者兼CEO である白形洋一氏を訪問し、最近の同社の動向について尋ねる機会を得た。[1]

Qlippy に加え、同社は約1年前に TakeStock という新サービスをローンチしている。このサービスは国内の主要書店から在庫情報を収集し、近所でどこへ行けば好きな本が買えるかを教えてくれる。

日本には14,000の書店があり、我々のサービスを使えば、1,400店舗の在庫情報をチェックすることができます。これはオンライン、オフライン両方の書店の売上の約40%に相当します。我々のユーザの多くが Internet Explorer を使っていることからもわかるのは、我々のサービスはテックに精通した人々よりもむしろ平均的な消費者に利用されているということです。

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オンラインで購入したいユーザもいるが、買う前に見比べたり確認したりしたい人もいるだろう。

買いたい本を探すとき、我々のサービスはオンライン購入もオフライン購入もお手伝いします。配達を待ちたくなければ、近くですぐに購入できる店をお知らせします。このようにして、他の小売店をアマゾンや楽天と並べて、消費者に選択肢として見せることができるわけです。

日本の書籍市場は1.9兆円市場と非常に大きいため、同社は書籍にフォーカスしてサービスをスタートさせた。本は一冊毎に一意のコードを持っており(ISBN)、ファッション業界などに比べてプロセスをシステム化しやすかったということもある。また、日本ではほとんどの書籍はすべての書店で定価で売られており、消費者は自分の都合だけで(金額を比較することなく)購入する。

白形氏によれば、日本のEコマース市場は全商取引の2.8%に過ぎず、伸びしろはまだ大きい。[2] 将来的には、TakeStock を書籍以外の分野にも拡大し、より多くのオフラインビジネスが見込客を見つけやすくし、消費者がオンラインで買えないものをオフラインで買えるようにしたいと考えている。

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  1. 先日、ナイトレイのCEO石川豊氏にインタビューしている。SpinningWorks とナイトレイは、同じオフィススペースをシェアしている。
  2. 経済産業省の報告による。

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