〈東京スタートアップ・オフィスツアー〉正式ローンチを目前に控え、プロトタイピング・ツール「Prott」の開発に勤しむGoodpatch

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

本稿は、「東京スタートアップ・オフィスツアー」シリーズの一部だ。

UI/UX 改善のソリューション提供を専業とする Goodpatch を以前取材したのは、昨年12月のことだ。同社はその頃、デジタルガレージ(東証:4819)の投資子会社 DG Incubation から1億円を資金調達した。

当時、Goodpatch のオフィスは秋葉原の近くにあったが、東京に集まるスタートアップ・ハブの一つである渋谷にオフィスを移転してから、2ヶ月あまりが経過した。

オフィスを訪れてみると、CEO の土屋尚史氏に加えて、見覚えのある顔がオフィスの奥から近づいて来た。Boris Friedrich Milkowski 氏だ。Milkowski 氏はドイツ出身で、Goodpatch に入る前、彼は慶応大学メディアデザイン研究科(KMD)に在籍していた。その頃、筆者は、彼と彼の友人のの学生らから、日本のアプリの UI/UX や、日本のスタートアップ・シーンに対する所見について、質問インタビューを受けたことがある。Goodpatch のグローバル展開を念頭に、彼はビジネス開発担当として今年チームに加わった。

Goodpatch は、ラピッド・プロトタイピング・ツール「Prott」のベータ版を今年3月にローンチしており、チームメンバーは現在、近日予定されている正式ローンチと iOS アプリ版のリリースに向けて、開発作業最後の追い込みに精を出している。

日本ではプロトタイピングをする文化がまだ薄いが、海外では開発に着手する前にプロトタイピングすることが多い。同業他社と共に、プロトタイピングの必要性を業界全体に啓蒙していきたい。
プロトタイピング・ツールを使えば、コードを知らないプランナーやデザイナーであっても、簡単にモックアップが作れる。

既存のグラフィック・ツールはモバイルデザインとなると機能しないことが多いので、ドローイング機能とか、いろいろ機能を追加していくことで、例えば、Adobe Photoshop が持っている機能を〝食う〟こともできるだろう。(土屋氏)

土屋氏が言う「ドローイング機能」は、今後の Prott のバージョンアップの中でサポートされる予定で、同社は今後の長いロードマップの中で、作成したプロトタイプを Prott の外へエクスポートできるような機能の実装も検討している。Prott は日本で開発されたアプリなので、日本語に対応していることは特徴の一つだが、実のところ、ユーザの7割は海外からのアクセスだ。正式ローンチと本格的なグローバル展開が待ち遠しい。

そんな Goodpatch が標榜するのは、シリコンバレーによく見受けられるようなオフィスの雰囲気づくりであり、オフィスの移転や内装には相当な金額を投じたようだが、「それで優秀な人が集まってくれれば安いもの」(土屋氏)だそうだ。

別のルートから入手した情報では、昨年も開催された、フィンランドのスタートアップ・カンファレンス Slush の東京版「Slush Tokyo(または Startup Sauna Tokyo)」が、今年は10月3日に Goodpatch のオフィスで開催されるらしい。このようなイベントを通じて、彼らは東京のスタートアップ・コミュニティに貢献するとともに、国際色溢れる環境やマインドセットを我々にもたらしてくれるだろう。

Goodpatch には現在32人の社員が居て、うち7人が Prott の開発に従事している。シリコンバレーのプロトタイピング・ツール「POP」も日本市場への本格参入を表明するなど、この分野はホットになりつつある。Prott やそれ以外の UI/UX プロジェクトの拡大のため、広く人材を募集しているということなので、この素晴らしいオフィスで仕事をしてみたい人は、Goodpatch に連絡を取ってみるとよいだろう。

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エレベータを出ると、そこは Goodpatch だった。
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玄関には、移転祝の蘭がたくさん。
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良席はリラックマがリザーブ。
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立ったまま仕事をするスタイルは、ぜひ腰痛持ちの筆者も参考にしたい。
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開放感あふれるミーティング・ルーム。
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いつの日からか、日本のスタートアップのオフィスには、必ず卓球台が置かれるようになった。
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休憩スペースの一角は、夜に訪れると、シャレたバーと見間違うようなライティング。

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