タクシー配車アプリのHAILOが日本法人の体制を一新――梅澤亮氏が代表に就任し、光通信から資金を調達

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(右から)ヘイロー株式会社代表取締役に就任した梅澤亮氏、光通信社長室経営企画室長の奥井大氏

イギリス発のタクシー配車アプリ HAILO(ヘイロー)が日本に進出したのは昨年のことだ。東京ではなく大阪からサービス展開を始めたので、印象に残っている読者も少なくないだろう。当初 HAILO が日本に開設した現地法人は Hailo Network Japan というだったが、今回、経営体制を刷新しヘイロー株式会社(以下、ヘイローと略す)として再出発することになった。ヘイローの代表取締役には梅澤亮氏が就任し、光通信(東証:9435)から資金調達。同社社長室経営企画室長の奥井大(だい)氏が取締役に就任する。梅澤氏はこれまでに、インキュベーション会社 J-Seed Ventures で取締役を務める傍ら、Sakebii やアクセルビートなど数々の事業開発に従事してきたシリアルアントレプレナーだ。

ヘイローの光通信からの調達額については明らかではないが、開示されているヘイローの資本金額が600万円であるため、おそらく少額のシード的な資金注入と考えてよいだろう。

この種のサービスでよく取り沙汰されるのは、台頭する好敵手 UBER との違いや、新市場に参入した際の現地のタクシー会社/運転手組合などとの軋轢だ。この点について、HAILO はタクシー供給側にも消費者側にも受け入れられやすいサービスであると、梅澤氏は説明する。

例えば、UBER などの日本でのサービスは、ハイヤー会社からハイヤーを借り切り、走行中の時間を区切って顧客に提供する、という形をとっている。一方、ヘイローは、ロンドンでタクシー運転手3人と起業家3人で立ち上げた会社だ。タクシー運転手のSNSとしてスタートし、現在ではタクシーに送客するアプリとしてサービスを提供している。

タクシーに送客し、タクシー運転手の売上を伸ばすことに注力するやり方は日本でも変わらない。アプリを通じて、どこでどのタクシーに乗るか乗ったかがわかるので、お客にも安心と信頼を提供することができる。だから、ヘイローを使った乗車は、通常のタクシーよりも女性の利用が多い。(梅澤氏)

日本では大阪からビジネスを始めたヘイローは、これまでに38社の現地タクシー会社/個人タクシー組合と提携した。この数は、日本のタクシー運転手にも、ヘイローのビジネスモデルが理解され始めた証と言えるだろう。

新法人の設立にあたり、光通信が出資・提携している背景について、光通信の奥井氏が説明してくれた。

光通信のリアルな店舗を使ったり、光通信の飲食業向けの営業部隊を使ったりしてヘイローの会員獲得につなげることもできるだろう。また、通信を販売している会社なので、ヘイローを使うタクシー運転手向けにスマートフォンの導入支援することもできるだろう。(奥井氏)

今回の新体制確立に伴い、ヘイローではいよいよ近日中に、日本市場の本丸である東京でのサービスを開始する。現在彼らは大阪に4名、東京に3名の小さなチームでサービスを運営しているが、目下、東京で営業部長とオフィスマネージャーを募集しているとのことなので、彼らのビジネスに興味がある人は連絡を取ってみるとよいだろう。

UBER日本交通アプリなどが台頭する東京でヘイローがどのように受け入れられていくか、今後の展開を楽しみにしたい。

日本で走るヘイローのタクシー(写真は東京・新宿で撮影されたものですが、本稿公開段階で東京でのサービスは開始していません。)
日本で走るヘイローのタクシー(写真は東京・新宿で撮影されたものですが、本稿公開段階で東京での正式サービスは開始されていません)

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