サイバーエージェント・ベンチャーズ、3億円のシード企業支援枠「Seed Generator Fund」を開始

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Seed Generator Fund

サイバーエージェント・ベンチャーズ(以下、CAV)は12月1日、シード期のスタートアップ向け支援策として「Seed Generator Fund」を開始したと発表した。また、これに伴い、1号案件として士業向けクラウドサービス「BEC」への出資も公表している。

Seed Generator Fundは新設されるファンドではなく、現在CAVで運用中のファンド「CA Startups Internet Fund 2号投資事業有限責任組合」の投資枠として設定される。金額は約3億円で、CAVのヴァイス・プレジデント、竹川祐也氏が統括責任者としてこの運用にあたる。

創業前から創業して1年未満のチーム・企業が応募の対象となり、チームには技術者が1名以上いることと、設立時の自己資金があることが条件となる。

エントリーはオンラインで実施し、毎週水曜日と金曜日に実施されている朝食勉強会もしくは個別の面談などを経て2、3週間で投資可否の判断が実施される。竹川氏によれば、投資金額はおよそ数百万円から1000万円程度の額で約30社程度の支援を予定、CAVは支援企業の評価額に対して10%未満の普通株式を取得する予定とのことだった。また、対象領域も、ヘルスケアからものづくり系、広告、ゲーム、教育、金融など約19項目に渡り、幅広く募集されている。

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写真:竹川 祐也氏、三田 浩騎氏

今回、責任者として投資枠の運用にあたる竹川氏は、今回の支援策についてこのように話していた。

「現在、CAVはアーリーからミドルぐらいのステージ企業を支援しているというイメージがあると思います。ただ、思い返せばクラウドワークスもシード期に支援していて、決して初期企業の支援をしていないわけではないのです。そこでそれを明確にするために看板をしっかりと掲げることにしました」(竹川氏)。

シード期の支援といえばサムライ・インキュベートに始まり、Open Network LabやMOVIDA JAPAN、インキュベイト・ファンド、最近ではInfinity Venture PartnersもTechTemple Tokyoとしてプログラムを開始するなど、またにわかにこのシード期の支援策が賑やかになりつつある。ただ、各社ともオープンに集める方向性ではなく、どちらかというと絞り込んでこれという起業家の育成に集中している傾向がある。

なお今回、開始されるSeed Generator Fundはあくまで投資枠であり、Y Combinatorスタイルのような短期育成プログラムを提供するというわけではない。

「ファンドの規模は各社どんどん大きくなっている割に、起業家の数はまだまだ少ないんです。現在実施している朝の勉強会は創業間も無い起業家や学生などが集まっています。私自身の経験も含め、立ち上げにあたってのアドバイスを提供する場所にしています」(竹川氏)。

竹川氏は金融系のキャリアを歩みながら、自身もノッキングオンでCFO、CEOを務めた経験があり、そういった「生っぽい」体験が現在の起業家たちへのアドバイスに役立っていると話していた。

(情報開示:THE BRIDGEもサポーターとして支援先スタートアップの取材などにあたる予定だ)

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