起業家とメンターが1対1のアイデア・ブラッシュアップ、Incubate Camp初の海外版がシンガポールで開催

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2015.2.26

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Incubate Camp は、インキュベイトファンドが定期的に開催している、起業家と投資家が一対一でアイデアをブラッシュアップする合宿イベントだ。これまで、日本国内で7回にわたって開催されている。

25日、Incubate Camp 初となる海外版「Incubate Camp Asia」がシンガポールの SUTD(Singapore University of Technology and Design)で開催された。既報の通り、SUTD はマサチューセッツ工科大学(MIT)と提携関係を持ち、シンガポール随一のゲームデベロッパ養成機関「Singapore-MIT GAMBIT Game Lab」を運営している。

第一回の Incubate Camp Asia は、アジア各国のゲームデベロッパ(起業家サイド)と、メンターとして日本などのゲームパブリッシャ(投資家サイド)がタグを組む形でチームが構成され、数回に及ぶセッションを経て、改善されたアイデアが披露された。アイデアプランは投資の可能性なども考慮して、メンター陣と SUTD の学生らによって採点が行われ、上位3位のスタートアップが選ばれた。

(編注:本稿には、執筆時点で開発中であり、未公開のタイトルの情報が含まれます。)

1位:JOY Entertainment J.S.C.(ベトナム)

(メンターは、Allan Simonsen, Founder and CEO, Boomzap 創業者兼CEO Allan Simonsen 氏)

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JOY Entertainment J.S.C. はベトナムのゲームデベロッパで、リアルタイムの 3D MMOTPS (multiplayer online third-person shooter)タイトルを展開し、東南アジアに200万人のユーザがいる。今後、中国、日本、韓国、その他の市場へと展開が図りたいとのことだ。中国進出にあたっては Tencent、日本進出にあたっては DeNA や Gumi などのパブリッシャとの協業を模索している。現在はベトナムで、自らゲームパブリッシャーを行うための投資を集めているところ。

ゲーム分野で十年以上のキャリアを持つ Boomzap の Allan が UX 改善やマネタイズ改善について指導をした。Allan は、JOY がすでにベトナムや東南アジアで多くダウンロードされるアプリを出しており、非常にパッション豊富なチームであることを評価した。

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メンタリングに臨むAllan Simonsen 氏。

3位タイ:Alkemis Games(インドネシア)

(メンターは、TENCENT JAPAN ビジネス開発リーダー Juno Shin 氏)

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Alkemis Games はインドネシアで今春公開されるゲームを開発している。彼らの目標は、アプリストアで上位に行くことだが、それよりもむしろ注力したいのは、それを長期的に維持することだ。

彼らはゲームの UX を改善する上で、改善案を複数提示することで市場のフィードバックをもらえる Pickfu.com で調査した事例を紹介。Tencent の Juno からは、GvG(Guild vs Guild、グループ対戦型)や、アイテムのスワッピングや貸出のアイデアを取り込むことで、アメリカの他のゲームと差別化ができるのではないか、とのアイデアが出された。

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メンタリングの成果を講評をする Juno Shin 氏。

3位タイ:SnoozeFox(タイ)

(メンターは、セガネットワークス上席執行役員事業本部長 岩城農氏)

SnoozeFox は、Chaos Sphere というゲームを開発している。ユーザの LTV(ライフタイムバリュー)を上げるために、メンタリングでは、自動対戦モードを追加したり、登場するキャラクター、武器、消費するアイテムの数を増やしたりするなどの提言がなされた。

岩城氏は、SnoozeFox が素晴らしいアセット(ゲーム資産)を持っており、ゲームにはすでに GvG の要素が導入されていることなどについて高評した。

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岩城農氏による講評。

今回のメンタリングで印象に残ったのは、Gumi Asia の David Ng のコメントだ。パブリッシャと密接に仕事をしていないデベロッパは、概してパブリッシングのことを考えずに開発に着手する。UI/UX の向上に注力するあまり、できあがったモバイルアプリの大きさが1GBを超えるというような悲劇になりかねない。これでは、広帯域の環境が確保しづらいインドネシアなどでは、パブリッシュしたところで、そもそもダウンロードすらされず、ユーザからはそっぽを向かれてしまう。

パブリッシャが近隣に多くない東南アジアでは難しいかもしれないが、ゲームは常にパブリッシングを意識した上でゲームを開発すること。また、たとえメジャーではないインディーズ・ゲームであっても、UI/UX 改善には手を抜かず、市場の声には耳を傾けることが提言され、メンター陣は皆、深くうなづいていた。

この他に参加した、Incubate Camp Asia にスタートアップとメンターの組み合わせは以下の通りだ。

  • Altitude games(フィリピン) メンターは、Jakob Lykkegaard, Co-Founder/CEO, Playlab
  • Dreamlords Digital(フィリピン、アメリカ) メンターは、Akira Abe, General Manager, DeNA Asia Singapore
  • Firebeast Studio(インドネシア) メンターは、Aiming COO 萩原和之氏
  • Hextek(中国) メンターは、David Ng, CEO of Gumi Asia
  • Ixora Studios(シンガポール) メンターは、Gerald Tock, Co-Founder/CEO, Inzen Studio
  • Touch Dimensions(シンガポール) メンターは、Kent Byers, Co-Founder/CEO, Booster Pack
  • Witching Hour(シンガポール) メンターは、インキュベイトファンド 代表パートナー 村田祐介氏
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メンタリングの様子。
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メンタリングの様子。
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ピッチに聞き入るメンター陣。
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会場となった、Singapore University of Technology and Design(SUTD)。

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