いよいよ来週開催、「Asia Leaders Summit 2015」「Incubate Camp Asia」から(プレビュー)

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Asia Leaders Summit 2014 から。

Asia Leaders Summit が返ってくる。日本やアジアの起業家や投資家が一堂に会する、スタートアップの祭典だ。前回は開催日前日、東京が稀に見るドカ雪で飛行機が飛ばず、泣く泣く渡星を諦めざるを得ない参加者も少なくなかったようだが、今回は天気予報が正しければ大丈夫そうである。

(昨年の Asia Leaders Summit 2014 の模様はこちらから)

THE BRIDGE では来週、シンガポールの Marina Bay Sands のコンベンションセンターから Asia Leaders Summit 2015 の模様をお届けする予定だ。

Asia Leaders Summit はインキュベイトファンドと、THE BRIDGE のアドバイザーでもある Jeffrey Paine らが運営する Golden Gate Ventures の共催だが、本イベントのプロデューサーであり、インキュベイトファンド代表パートナーの本間真彦氏に、今回の見どころを聞いた。

2回目の開催となる Asia Leaders Summit

2/27(金)〜28(土)に開催される Asia Leaders Summit 2015 には、日本、韓国、シンガポール、台湾、インドネシア、タイ、中国、ベトナム、マレーシアなど、アジア各国からスタートアップ関係者が集まる。完全招待制だが、他のオープンなスタートアップ・イベントと違って、いい頃合いの規模感の人数(100名程度)なので、ネットワーキングがしやすいのが特徴だ。

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Asia Leaders Summit 2014 で、開会の辞を話す本間氏。

東京には、見える形でスタートアップ・コミュニティが存在する。地理的にも一箇所に固まっているからだ。しかし、アジアのコミュニティは、自然発生的に一つの形として存在しているか、というと、そういうものはない。

アジアの起業家や投資家に話を聞いてみると、彼らはいろんなところに出入りしていて、決して一つだけのコミュニティに属している、という考えは持っていない。彼らを物理的に引き合わせるというのが第一の目的。しゃべりたいという人も多かったので、そのような人のために機会を作りたかった。(本間氏)

イベントは次の6つのセッションで構成されているが、スピーカーはスピーカーであると同時に、オーディエンスとしても参加し、イベント終了後にもネットワーキングの機会に自由に語りあうことができる。

  • Session 1 – Asian money, opportunities, and trends
  • Session 2 – Pitching East Asia: Innovators from Japan & Korea
  • Session 3 – New Asian Leaders disrupting/creating big industries
  • Session 4 – Executive talks from Japanese big internet companies
  • Session 5 – Pitching Asia: Startups from the Region
  • Session 6 – Keyman’s Talk: Innovations and management

日本にいると、「東南アジアはまだまだこれから…」と感じている人も少なくないだろう。しかし、昨年はシンガポールの RedMart の540万ドルの調達に始まり、GrabTaxi、Tokopedia などが巨額の資金調達を成功させ、Sequoia に代表されるグローバルな投資家が東南アジアにへとフォーカスをシフトしてきている。

Uber や AirBnB などのシェアリング・エコノミーは、すでに成熟した産業が存在する先進国では既存勢力の抵抗に会いやすい一方、東南アジアにはその種のイノベーションが許されやすい自由があるのも事実だ。Bitcoin のスタートアップなども、暗号通貨としての用途よりも、むしろオンラインの決済/送金手段が発展途上にある国々の方が成長が早いかもしれない。

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Asia Leaders Summit 2014 から。

特にスタートアップ業界においては、日本が進んでいて、東南アジアが遅れているという観念は当てはまらない。ジャパンマネーは東南アジアに活路を見出しており、ソフトバンクはもとより、Yahoo Japan や GREE に代表される日本のインターネット企業も今後、東南アジアのスタートアップへの投資を一層加速させるだろう。

4番目のセッション(上記の Session 4)では、特にアジアから大きな会社を作るにはどうすればいいということをみんな悩んでいるので、それを論じてみたいと思います。

セガの里見さん(代表取締役社長 里見治紀氏)のほか、ヤフーの小澤さん(ショッピングカンパニー長 小澤隆生氏)は、ヤフー以外にも楽天やソフトバンクでの仕事も経験されて、日本企業というものをよく知っておられる。とにかくグローバルになる…と言っている國光さん(gumi 代表取締役 國光宏尚氏)、三木谷さんとも密に動いている Saemin Ahn(楽天ベンチャーズ Managing Partner)らと同じ視座でみんなで考えてみたい。(本間氏)

シリコンバレーには既に成熟したスタートアップのエコシステムがある。もちろん、それはすごく便利なものなのだが、アジアでは、我々がこれから自らの手でエコシステムを形成していかなければならない大変さと面白みがある。それに必要なものが何かを、みんなで共に考えようというのが Asia Leaders Summit に課されたテーマだ。

アジアで初めて開催する Incubate Camp

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会場となる Singapore University of Technology and Design。

Asia Leaders Summit に先立ち、2/25(水)には、Incubate Camp 初の海外版「Incubate Camp Asia」が開催される。今までに日本で開催してきた Incubate Camp を、海外でやってみたいとの思いを実現するのそうだ。こちらも、アジア各地から選ばれたスタートアップ10社が一堂に会し、メンター12人を相手にそれぞれのビジネスアイデアを議論しあう。

世界でやる上でやりやすいテーマということで、一回目のテーマはゲームにしました。グローバルでオペレーションを作っているセガ、チェンクロのパブリッシングをシンガポールでやっている Gumi Asia などがメンタリングしてくれます。

東南アジアにもゲーム・デベロッパはいますが、パブリッシャーがいない。パブリッシャーがいないので、東南アジアのVCが興味を持たず、デベロッパは政府のグラント(助成金)が尽きたら、それで終わりとなっているのが現状。

そこで、日本からパブリッシングができる人たちを、集めてやることにしました。集まるスタートアップ(ゲーム・デベロッパ)は、日本がどちらかというと得意ではないグローバルな存在。日本ではパブリッシャーが物理的に近くにいるのでデベロッパはすぐに協業しやすいが、東南アジアではそうはいかない。なので、こういう機会は重要だと思います。(本間氏)

会場となるのは Singapore University of Technology and Design(SUTD)。マサチューセッツ工科大学と共同で、シンガポール随一のゲーム・デベロッパの育成機関「Singapore-MIT GAMBIT Game Lab」を運営している。今回の Incubate Camp Asia の最終セッションには、SUTD の学生も参加してピッチを観覧することになっている。彼らからの反応も楽しみにしたい。

現地からのレポートに乞うご期待。

【情報開示】インキュベイトファンドは THE BRIDGE のスポンサー会員で、THE BRIDGE は Asia Leaders Summit 2015 のメディアスポンサーとして協力関係にあります。

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