製造業向け間接材ポータル「Cluez」や価格比較サイト「Aperza」運営のアペルザ、GMO-VPから1.5億円を資金調達

Masaru IKEDA by Masaru IKEDA on 2016.11.28

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アペルザ 代表取締役 石原誠氏
Image credit: アペルザ

横浜を拠点とし、製造業向けの間接材カタログダウンロードサイト「Cluez(クルーズ)」や価格比較サイト「Aperza(アペルザ)」を運営するアペルザは、GMO ベンチャーパートナーズ(GMO-VP)から1.5億円を調達したと発表した

Cluez は、アペルザの創業者で代表取締役の石原誠氏が、大阪のセンサー開発大手キーエンス(東証:6861)で、社内プロジェクトとして、製造業向けカタログダウンロードサイト「IPROS(イプロス)」の立ち上げに参画したことに端を発する。一メーカーの立場ではなく、複数メーカーをも横断した業界のエコシステムの形成を目指し、石原氏らは2014年12月にクルーズを創業した(その後、FAナビ、オートメ新聞との経営統合を機に、クルーズはアペルザに改称している)。

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Cluez

アペルザが舞台とするのは、間接資材(生産材)と言われる領域だ。製造業において、商品の中身に使われるパーツ類が直接資材(原材料)と呼ばれるのに対し、その商品の生産設備に必要となるパーツ類はそのように呼ばれる。間接資材はその特性上、量産体制の影響を受けやすい直接資材ほどは定期的に多量を求められるものではなく、効率的なサプライチェーンが形成されにくい。全国に約46,000社あるという間接資材を扱う中小の商社では、宅急便など使わず手持ちで間接資材を納品する、というような光景は日常茶飯事なのだそうだ。

C 向けの E コマースの世界では、マーケットプレイス、価格比較サイト、需要家と供給家のマッチングサイトなどがいることでエコシステムが形成されているが、アペルザが挑戦しているのは、このエコシステムの製造業分野における再現だ。その実現のために、前述した FAナビやオートメ新聞などを経営統合し、ものづくりニュースオートメーション新聞といった製造業に関わるメディアを傘下に置いた。

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Image credit: アペルザ

従来、製造業の情報というのはオンライン上にはなかった。展示会や業界新聞がメインプレーヤーだった。(石原氏)

直接資材の分野ほどは整理されたサプライチェーンが形成されていないとはいえ、間接資材の市場は国内だけで年間20兆円。国内で300万人が関わっているという業界で、Cluez は数十万人のユーザを獲得し、約1,600社の間接資材商社が出展するまでに成長した。B 向けのサービスであるにもかかわらず、ローンチから約1年半でこれらの数字を達成できているのは、石原氏らの努力のみならず、市場からの需要がそれだけ大きかったことを表している。同社にとって成長スピードの指標である Cluez でのダウンロード数は、月単位の増分(MoM ベース)で40%以上のペースで成長を続けており、今月の時点では、月あたり数万件をくだらないだろう。

この分野には、住友商事や アメリカの Grainger International が立ち上げた MonotaRO(東証:3064)や、800垓(1兆の800億倍)種ものパーツを扱うとされるミスミグループ(東証:9962)など、オンライン化された資材の商社が存在する。ただ、製造業の世界にも、小売でいう SPA(speciality store retailer of private label apparel)に似た波が訪れていて、商社は売れ筋の間接資材がわかると、プライベートブランドで同じパーツを出し始め、結果的にパーツメーカーの売上が阻害されることもあるのだとか。アペルザは、カタログダウンロードサイトや商品比較サイトのみならず、エコシステム全体を形成することで強みを発揮しようとしているようだ。

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Image credit: アペルザ

アペルザが提供するオンラインサービスのラインアップのうち、エコシステム形成に必須と考えられるマーケットプレイスがまだ存在していない。今回調達した資金を使って、来年以降、アペルザではマーケットプレイスの構築に注力する。Cluez は2015年8月に台湾版をローンチ、今年に入って、中国最大の製造業ポータル「Gongkong(工控)」と戦略的業務提携を締結しているが、海外展開にも拍車をかけるようだ。

今回出資した GMO-VP は2015年から2016年にかけ、建設機械や農業機械のオンラインマーケットプレイス「ALLSTOCKER」を運営する SORABITO にも複数回にわたり出資している。アナログな B2B 領域への GMO-VP の出資という点では、アペルザとの間に何らかのシナジーが生まれるのかもしれないし、これからの動静が興味深い。

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中国の「Gongkong(工控)」と戦略的業務提携を締結
Image credit: アペルザ

製造業というのはまだまだ古くて、(月額数万円の)Cluez の出展料を決済条件半年の手形とかで払ってくるお客さんが、普通にいます(笑)。(石原氏)

この分野では、B2B における最適化されたロジスティクスやペイメントというのもまだ確立されていない。C2C のロジスティクスやペイメントがレッドオーシャン化する今、新たなホワイトスペースと捉えてもいいだろう。

Masaru IKEDA

Masaru IKEDA

1973年大阪生まれ。インターネット黎明期から、シンクタンクの依頼を受けて、シリコンバレーやアジアでIT企業の調査を開始。各種システム構築、ニッポン放送のラジオ・ネット連動番組の技術アドバイザー、VCのデューデリジェンスに従事。SI、コンサルティング会社などを設立。Startup Digest(東京版)キュレータ。

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