【ゲスト寄稿】20000人が通う、WEBに誕生した学校の新しいカタチ「schoo(スク ー)」の今までとこれから[後編]

この記事をゲスト寄稿してくれたのは森健志郎さん。1986年大阪生まれ。大学卒業後、株式会社リクルートにて広告営業・広告制作業務を行う。SUMMOなどを担当した後、リクルートを退職。退職後、株式会社スクーを立ちあげ、同社の代表取締役社長。「WEB上に誕生した、学校の新しいカタチ」をコンセプトに、schoo WEB-campus(スクーウェブキャンパス)を運営している。前編に続いて後編をお届けします。

「教育・学び」「動画」の市場可能性について

「教育・学び」には、大きな可能性が眠っていると考えています。前編では、社会的な意義についてお話しました。後編では、schoo WEB-campusが「教育・学び」という市場をどのように捉えているのかをお伝えします。若造の、狭い見識でのお話になってしまうので、認識不足や「おいおい、それはないだろう」という点もあるかもしれませんが、そのような場合にはぜひご指摘頂けますと幸いです。それでは後編もよろしくおねがいします。

先月、欧米の有名大学の講義を受講することが出来るオンライン教育サービス「Coursera」が、1600万ドルを調達したことは大きなニュースになりました。その少し前には、Webなどの開発を学ぶことが出来る「Treehouse」が475万ドルを調達したことも話題を呼んでいます。これら以外にも「Udacity」や「Udemy」、「Lynda」や「Codacademy」など数々の教育ベンチャーが立ち上がり、大規模の投資を受けています。どうやら、この状況を見ると、いまアメリカは「教育系スタートアップ、百花繚乱」といった状況だと言えそうです。

当然、日本とアメリカでは大学教育の仕組みもキャリアに対する感覚も異なるので、ただ単純にローカライズすれば日本で流行るとは言えませんが、この投資金額と、上記サービス以外も含む「教育・学び」系サービスの発生数は間違いなくシリコンバレー以外の今後の大きな市場変化を示唆しています。向こう1〜2年の間で、世界中でシリコンバレーで生まれたサービスを焼き直したようなものや、教育・学びを起点としたサービスが誕生していくことが考えられます。その傾向は日本でも見られます。

先述したアメリカ、シリコンバレーで生まれたサービスを日本にローカライズさせるといった方法ではなく、日本の学びをしっかりと見つめて、最適解を追求すること。変えなければならない、進化させなければならないにも関わらず、大きな変化が起きていない分野を、先頭に立って動かしていくことが私達の使命だと思っています。

「動画視聴」における、いくつかのカタチについて

教育分野における、動画視聴型のサービスにはいくつかのパターンがあると考えています。大別すると「eラーニング系」と「動画蓄積系」です。前者はセミナーや学校の授業をweb上で公開することで、教室という物理空間を超えて世界中に配信することが出来ます。一方「動画蓄積系」は、ジャンル毎にいくつか動画が用意されていて、習熟度別に動画を視聴していくことでスキルが身につくという、いわば教則ビデオや参考書のような役割を果たしています。

では、schoo WEB-campusはどうでしょうか。schoo WEB-campusのコンセプトが学びに軸足を置いた「コミュニケーションプラットフォーム」だということは前編でもお話をしました。年齢や性別、職業などの異なる背景や価値観を持った人が同じ授業を視聴したときに、どのような「リアクション」をするのか、そしてそのリアクションにコメントをつけたりすることで参加者同士が意見交換し、さらに深く広い学びを得ていただくことを目的としています。よって、他のサービスよりも同期性が非常に重要になってきます。

誤解を恐れずに言います。日本で、WEB上で動画を使用したサービスのほとんどは、大きなイノベーションを生んでいません。動画視聴において、日本人を一歩先に進化させたという点において、「ニコニコ動画」の存在は非常に重要です。動画の前にコメントをレイヤーすることで、「動画の中(映像)の盛り上がり」と「動画の外(コメント)による盛り上がり」の同期を実現しました。ニコニコ動画でしか成し得ないカタルシスを形成したとも言えます。これは、「バルス」で盛り上がる国、日本だからこそ生まれた最強の視聴形態だと思います。しかし、それ以外については、まだまだ「WEBでしか成し得ないカタチ」をまだ実現出来ていないと思っています。

インターネット黎明期から、ブログなどの「文字」を介したコミュニケーションをスタンダードとする期間がかなり長く続いてきました。そして数年前から、デバイスの普及により、InstagramやPinterestなど、「画像」を介したコミュニケーションや情報交換を行う世界がやってきました。この流れはひとえに「同じ時間内で伝えられる情報量の増大」を示唆しています。今後WEB上に保持公開出来るトラフィックの総量、デバイス/回線の技術進化によって、【動画で情報を共有し、コミュニケーションを行う時代】がまもなくやってくるのではないかと感じています。

私達は、今後大きく成長飛躍するであろう「学び・教育」と「動画」という2つの分野において、最適なポジションを取り続けていかなければならないと考えています。もちろん、その市場的観点を見据えた経営戦略も存在します。

schoo WEB-campusはどのように進化するのか

前編でも書きましたが、「学ぶことを軸とした、コミュニケーション」が活性化する仕組みをつくり、『オンラインだからこそ出来る学び体験』を提供することが同サービスの根幹です。

ここで1つ例を挙げたいと思います。私達は、本をただPDF化したものを電子書籍だということに懐疑的です(電子メールみたいですね)。これでは、何もイノベーションを生み出していないと考えています。電子書籍は「電子となって出来ること」を追求するからこそ、新しい価値と市場を創りだすことができると考えています。

教育動画コンテンツのそれも、全く同じことだと思います。ただ書籍で読める内容や、セミナー・学校で出来ることを電子にするだけでは、それは「オンラインで学べるサービス」でしかありません。スクーは、「オンラインで学べるサービス」ではなく、『オンラインだからこそ出来る学び体験を提供するサービス』を目指していきます。

それが実現出来れば、現在はまだ「ビジネスクリエイティブ学部」のみの開講ですが、もっと教養や専門教育、もしかすると、「政見放送」をschoo WEB-campusで行ったりすることで皆で政治について考えることが出来るかもしれません。これは少し飛躍した例ですが、schoo WEB-campusはその名の通り、WEB上に誕生した「学校の新しいカタチ」なのです。学校というプラットフォームの上だからこそ、なし得る自由で活発な意見交換の数々、そして文化祭や運動会、音楽ライブやゼミ活動なども行なっていきます。

今後、schoo WEB-campusが上記のようなプラットフォーム化を実現していく施策の基本的な2軸として、「授業の高品質化と本数の増加」と「サービス上でのコミュニケーションの活性化」が挙げられます。あらゆるデバイスに対応していくことについては既に準備を開始しています。それらも含めて、『オンラインだからこそ出来る学び体験』を提供できるように可能な限り最速でPDCAサイクルを回しながら実現していきます。

スクーが作りたい世界

『オンラインだからこそ出来る学び体験』を追求することももちろんですが、その追求の先に作られていくのは「学ぶことが楽しい」そう感じられる未来だと考えています。

本来、学ぶこと・学び続けることは楽しいことのはず。始めるきっかけがつかめない。1人じゃ中々モチベーションが続かない。わからないことにぶち当たった時どうしようもなく、続かない。そんな学びを楽しくなくしている要素を、「学ぶことを軸としたコミュニケーション」が円滑に生まれる仕組みを通して解消していくこと。

スクーが作るのは、「学びの手段を増やす」ことではなく、もっとたくさんの人が実際に学びそれを楽しみ、より豊かに暮らしている次の時代です。『オンラインだからこそ出来る学び体験』の発展と普及が、そんな次の時代をつくっていくと信じているから、私達はこのサービスを作り上げています。

これからもご支援頂けますと幸いです。何卒よろしくお願いいたします。

株式会社スクー代表取締役社長
森健志郎
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