中国当局の規制によりアプリ市場は破滅するか、救われるか?

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【原文】

先日、MITT(中華人民共和国工業情報化部)による中国のアプリ市場とモバイルアプリ業界全体の規制について記事で取り上げた。その反響は大きく、興味深い議論が交わされた。先日指摘したように、この件をよく思わないアプリ開発業者はたくさんいるが、Sina Weibo(新浪微博)を見てみると、政府が同国のアプリ市場に干渉することに賛成する人も少なからずいることがわかる。

もちろんこれは非常に複雑な問題であるが、両者の言い分を聞いてみる価値はあると思う。反対派の意見はこうだ。

  • 歴史的に見てMIITによる規制は中国でのリリースを遅延させる。アプリのリリースが遅れるということは、動きの早いこの分野において業界の発展を妨げることになりかねない
  • MIITはこれだけの規模と移り変わりの速い市場において効率的な規制を実施することができないかもしれない
  • 全てのアプリを公式に承認されなければいけないものにするということは、賄賂、贔屓、保護、といった規制側とアプリ開発業者の不正が誘発される

賛成派の意見はこうだ。

  • 中国のアプリ市場はコピーや偽物で溢れているので、MIITの規制でこれらを一掃することができる
  • 中国のアプリの多くは品質が保証されておらず、粗末なアプリや悪意のあるアプリはそれらをダウンロードするユーザの端末に悪影響を与える可能性がある
  • アプリ市場における開発規制がきちんと行われれば、健全な業界の発展と安定化を促すことになる

率直な意見としては、両方の言い分は理解できる。私は検閲はあまり好きではないので、個人的には反対派寄りの心情だ(MIITの目的は検閲でもあると思われる)。そしてMIITはハードウェアの評価にも非効率的であることを考えれば、市場に溢れる多くのアプリをMIITが効率的に、公平にひとつひとつ規制するのは困難な話で、かなりの人手が必要となる。

合理的な人間であれば誰でも中国のアプリ市場はかつての西部開拓時代のようなものだととらえており、コピーや不正アプリ、品質の低いバグやウイルスだらけのアプリの排除には大半の開発業者やユーザコミュニティが賛成すると思われる。

この計画に対する反発が多いという事実は、どれほどたくさんの人々が一般的な概念として政府規制に反対しているかではなく、政府やMIITに対して、特に効果的かつ効率的に規制を実施する上でどれほど信頼していないかを物語っている。

その他の問題として、規制とは順調な物事に足を踏み入れるということを意味する。規制しすぎると創造性を奪い、業界全体を完全にダメにしてしまう。しかし、規制が少なすぎると手に追えなくなり、ユーザが何を信じれば良いのかわからない、何が正しくて何が正しくないのかすらわからないという状況に陥る可能性がある。

MIITが適切に処理できるとは思わないが、モバイル業界規制が検討されているからには、私たちにできることは提案や希望を伝えることのみで、誰かが聞いてくれていることを願うしかない。個人的には規制当局は、開発アプリをひとつひとつ時間をかけて審査してリリースを遅らせることより、もっと第三者アプリストアに焦点を絞って偽アプリや複製アプリなどの不正の排除を強化すべきだと考える。

厳格な審査プロセスは、よりいっそう海賊行為や不正をはびこらせることになり、ユーザは非公式な出所から最新の流行アプリを見つけるようになるのではないかと思う。(多くのAppleファンがMIITによって公式に認可を受けた国内向けiPhoneがリリースされるのを待つ代わりに、グレーマーケットでiPhoneを買ったように)。

では、MIITの規制は中国アプリ市場を破滅させるのか、救えるのか?実際はどちらの可能性もある。もちろんMIITがどうするかはまだわからないが、2つのことが起こると予想される。まず、MIITの規制は海外企業よりも中国企業と国内アプリ市場に甘く、中国でアプリ販売を予定している海外開発業者にダメージを与え、国内開発業者が得をするであろう。

同時に、MIITの規制とリリースの遅延により、公開されるアプリ数は減少し、より長く待たされることになるので、開発業者にとってもユーザにとってもダメージとなる。規制が増えるということは、省庁がアプリ市場全体にかかる全ての追加作業のために大量の人材を雇用しない限り、MIITのハードウェア承認プロセスがさらに遅くなることを意味するからだ。

もちろん現時点では全ては推測に過ぎない。MIITが効率的に動き、強制的な審査システムの実施により全ての開発プロセスを遅らせることよりも、品質の低いアプリの削除に邁進してくれることを祈るばかりだ。

【viaTech in Asia】 @TechinAsia