韓国beSuccessとYouth Venture Summitが、beLAUNCH 2013の東京イベントを開催

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belaunch2013SDJapan のメディアパートナーでもある、韓国のテックニュース・メディア beSuccess は5月1日〜2日、ソウル江南(カンナム)の COEX で、スタートアップ・カンファレンス beLAUNCH 2013 を開催する。初回となった昨年のイベントには1200名が参加し、うち約5% の参加者は韓国国外からの参加だった。(昨年開催された、beLAUNCH 2012 の記事はこちらから。)

今年の BeLAUNCH 2013 の前哨戦として、今月27日には東京で beLAUNCH 2013 Japan Event が開催される。イベントには、beLAUNCH を主催する BeSuccess の創立者チョン・ヒョヌク(=정현욱、英名:James Jung)氏を始め、数多くの日韓スタートアップ関係者が顔を揃える予定だ。

beLAUNCH 2013 Japan Event の開催準備に奔走する梶谷恵翼(かじたに・けいすけ)氏に、今回のイベントへの意気込みを聞いてみた。梶谷氏は、韓国のカップルアプリ「Between」を展開するVCNCで日本市場の開拓に従事しており、Skyland Ventures の木下慶彦(きのした・よしひこ)氏とともに「Youth Ventures Summit」を主宰していることでも知られている。


beLAUNCH 2013 の本戦開催に先立ち、Japan Event の主催を決めたのはなぜですか。

keisukeKajitani昨年開催された beLAUNCH 2012 は、韓国のスタートアップ史上でも類を見ない大規模なイベントになりました。Youth Venture Summit は、韓国のスタートアップを日本のコミュニティにつなぐことが大きな目的ですが、今回は、日本のスタートアップを韓国のコミュニティに紹介したいと考えています。

beLAUNCH は韓国はもとより、国外からも多くのスタートアップ関係者が集まるので、この機会に日本のスタータップも多く参加してもらえればと考えています。

最近になって、日本のスタートアップが韓国にアプローチするケースが顕著に増えているように思います。韓国の市場は日本の市場より小さいので、韓国のスタートアップが日本にアプローチするメリットは明らかですが、反対に、日本のスタートアップが韓国にアプローチする理由は何でしょうか。

一つには、スマートフォンの普及率が日本より高いことだと思います。また、スマホ向けのアプリストアの中で、以前はSKテレコム傘下の T-Store  が一定の売上を上げていましたが、カカオトークがリリースされて以降、Google Play が売上が大きく伸ばすようになりました。これらに象徴されるように、韓国の市場が成熟してきたことも、韓国市場が注目を集める一因でしょう。CPAが割安で、ユーザ確保に必要なコストが比較的低いことも、理由の一つに上げられると思います。

昨年から Between のチームに参加され、活動の中心をソウルに置いておられましたね。ここしばらくの韓国のスタートアップを見ておられて、今年の韓国のスタートアップ界のトレンドはどのようになる予想されますか?

一昨年は、Moglueに代表されるような韓国スタートアップが資金調達をしていましたが、昨年は際立って注目を集めるスタートアップに恵まれませんでした。昨年以降、KCubeSparkLab などのインキュベータや、K-Startup などのスタートアップを支援するプログラムが充実し、有望スタートアップが数多く生まれる素地は整って来たと思います。個人的な意見ですが、「CashSlide(캐시슬라이드)」などは面白いのではないでしょうか。

一方で、アドネットワークまわりなど、日本のスタートアップのようにキメの細かい効果測定を提供できるスタートアップがまだ少ないので、この分野は、韓国スタートアップにとってもチャンスであり、日本のスタートアップが韓国に進出するチャンスでもあると思います。

アメリカ市場を目指すならシリコンバレー、アジア市場を目指すならシンガポール、みたいなトレンドがあると思います。ソウルまたは beLAUNCH は、どのようなスタートアップにフィットするでしょうか。

韓国は市場が小さい分、韓国のスタートアップは、世界市場を目指さないと生き残れないという危機感を常に持っています。韓国のスタートアップ・コミュニティとつながることで、日本のスタートアップにもその危機感を感じ取ってもらい、スタートアップやサービスのグローバル展開のモチベーションになればいいなと考えています。つまり、beLAUNCH に参加することで韓国市場を目指すに留まらず、その先にある世界市場を視野に入れて臨んでもらえるとよいのではないでしょうか。

ありがとうございました。応援しています。頑張ってください。

梶谷氏と話をしていて、一つ感じたことがある。成田、羽田、セントレア、関空などでの飛行機の駐機料が高いので、ヨーロッパ、アジア、アメリカへ行くのに、ハブ化が進むソウルのインチョン(仁川)空港を経由して旅行する日本人が増えた、というトレンドだ。事実、私も大韓航空やアシアナ航空の機内食が好きなので、インチョン経由のフライトは多用している。LCC(格安航空会社)の環境整備に伴い、幾分、このトレンドも下火傾向にあるが、国境があろうが海を隔てていようが、ヒトとカネは高い所から低い所へ流れるのが世の常である。

昨年以来、韓国のスタートアップ・シーンを支える動きについては、サンフランシスコロンドンでも顕著であることを伝えて来た。ここは試しに、成田や羽田経由ではなく、インチョン経由で世界へ飛び立つ感覚で、beLAUNCH 経由で世界市場を目指してみたらどうか、というのが、私から日本のスタートアップへの提案である。beLAUNCH トランジットとでも名付けてみようか。

beLAUNCH 2013 Japan Event は今月27日(水)、青山一丁目の Startup Base Camp で開催される。ピッチ出場企業も募集中だ。詳細はこちらから。

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