フィールドワーク効率化を図るCRM「Orkney Upward」提供のオークニー、CAVほかから1.9億円の資金調達

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2014.9.16

Orkney_Upward

フィールドワーク(外出先の営業)支援CRM「Orkney Upward(以下Upward)」を展開するオークニーは9月16日、第三者割当増資および資本性ローンによる資金調達を発表した

調達金額は1億9000万円で、サイバーエージェント・ベンチャーズ(以下、CAV)およびSMBCベンチャーキャピタル(以下、SMBC-V)の2社が引き受けた第三者割当増資分として9000万円(CAVが6000万円でSMBC-Vが3000万円)、これに先だって6月に日本政策金融公庫より資本性ローンで調達を完了していた1億円の合計となる。第三者割当増資の払込日は8月29日。

調達した資金により、オークニーではサービスの機能強化および営業体制の充実を図るとしている。

Upwardは外出先の営業マンが顧客情報をスマートデバイスで確認し、効率的な顧客管理を実現するCRMサービス。特にオークニー社が創業期から取り組んでいる地図情報を活用し、外出先での移動ロスを少なくするインターフェースを特徴としている。

Orkney_Upward_02Orkney_Upward_01

また、同社は昨年にセールスフォースとの資本提携を結んでおり、このUpwardもセールスフォースのForce.com」上で動くクラウドサービスとなっている。サービスの概要はこちらの動画に詳しい。

https://youtu.be/948zN9vOG4k

さて、オークニー社は創業2002年と最近のスタートアップとしては少し古株だ。それもそのはず、このUpward(以前の名称はOrkney GeoGraph)が出る2011年頃までは地図関連の受託開発会社だったのだそうだ。地図大手のアルプス(2008年にヤフーが吸収合併)出身というオークニー代表取締役の森亮氏は、まだGoogleマップもなかった時代、このGISという分野をよりビジネスに活用したかったと創業当時を振り返る。

「地図はとにかく値段が高いし技術的にも難しい。その障壁を取り払うためにオークニーを創業しました。2002年のことです。当初はオープンソースの分野でやりたいと考えていました」

彼らの転機になったのが2008年のiPhone登場だ。アカデミックな学術研究の分野での依頼が多かった当時、この新たな端末の登場にチャンスを見いだした森氏らは、民間で地図を活用できるサービスを検討し始める。それがこのUpwardの前身となるサービスだった、ということだそうだ。

私の疑問はもちろん、この手の分野は沢山競合サービスがあるしなぜ同様のサービスがないのか、ということなのだが、森氏曰く、長年の地図分野での技術の蓄積で、ブラウザおよびアプリの両方で使いやすくするためのコツを掴んでいるから、という回答だった。

コンシューマーやスモールビジネス向け、というよりは完全に企業体、エンタープライズ商品のため、セールスフォースアカウントがなければ使えないなど、(訂正追記:プラットフォームにはForce.comを使っているが、必ずしもセールスフォースのアカウントがなくても利用は可能なのだそうです。修正して追記させて頂きます)ソーシャルアカウントでログインしてすぐ使える、という使い勝手のものではないが、この部分は企業のワークフローに組込むタイプと考えると仕方のないことかもしれない。

現在既に100社以上導入が進んでいる、ということなので、売上の回り始めてるアーリー/ミドルの企業であるが、長年、技術を蓄積してきた企業が新しい分野でスタートアップし、花開く例という意味で興味深いと感じた。

なお、今回の調達ラウンドをリードしているのがサイバーエージェント・ベンチャーズだったので、少し気になってエンタープライズ方面への興味が強くなっているのかと問い合わせたが、やはり今回のオークニーのように、スマートデバイスによって変化するビジネスシーンにチャンスがあると感じているようだった。以下、今回の投資担当である林口哲也氏にコメントを貰っているので合わせて記載しておく。

「スマートフォンやタブレット等のスマートデバイス普及は、ビジネスシーンにおいても加速しており、これまでPCベースで構築されてきたプロダクトでは対応し切れない面があると思います。

そこで、大手企業等で事業責任経験のある人の起業志向も、徐々に高まりつつあるのでは、という仮定と、特にUSと比較して、日本でのエンタープライズ等B2B領域のイノベーション余地はまだまだあるはず、という考えからCAVではエンタープライズ含めたB2B分野のスタートアップ企業に出資を進めたいと考えています」

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