注目のFinTechスタートアップFinatextが若年層の金融リテラシー向上に挑戦するアプリ「あすかぶ!」をリリース

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FinTech系のサービスがにわかに盛り上がりを見せている。「FinTech」は、FinanceとTechnologyを合成した造語で、金融や会計関連のスタートアップを示す用語だ。北米や英国が先行して成長しており、このあたりはTechCrunchの「FinTechスタートアップが目指すべき理想像はロンドンにあり」「日本の数年先を行く、米FinTech業界の次のトレンドは?」でも紹介されている。

ヘルスケア、ハードウェアなどともに注目したいFinTech領域。最近、そんな領域に取り組む日本のスタートアップFinatextから、アプリがリリースされた。同社が楽天証券とパートナーシップを組んでリリースしたのは、株アプリ「あすかぶ!」だ。「あすかぶ!」はiOSAndroidの両方で提供されている。

このアプリは若年層の株取引に興味がある人や、株の初心者などをターゲットとした、株に特化した教養アプリ。1日1つ銘柄が指定され、翌営業日の株価が上がるか下がるかを予想する。アプリ上では、初心者でも判断しやすいように、指定銘柄のチャート、企業の説明、ニュース、他のユーザのコメントを確認できる機能などが用意されている。

asukabu

Finatextによれば、NISAや近年の企業の確定拠出年金制度の限度額拡大など、日本全体での「貯蓄から投資へ」の動きが大きくなていると考えている。楽天証券でも、若年層のオンライン証券での口座開設数は増加傾向にあるという。だが、こうした流れがありながらも、投資はハードルが高いと感じている若年層は多く、Finatextは「あすかぶ!」でそんな若年層の金融リテラシーの底上げを実現を目指している。

金融とテクノロジーに通じるFinatext

Finatextは2013年に設立したFinTechスタートアップ。金融アプリサービス開発運営や、仮想通貨のデータ分析、情報発信をメインに事業を展開しており、これまでに金融情報スマホアプリ「Stocky(ストッキー)」、ビットコインの関連情報サイト「BitAntenna」などを提供してきている。

stocky

Finatext CEOの林 良太氏は、東京大学経済学部卒業後、英ブリストル大学のComputer Scienceを経て、日本人初の現地新卒でドイツ銀行ロンドンに2009年入社。その後2013年より国内最大規模級のヘッジファンド大手のGCIに参画。東京を拠点にGCIのグローバルビジネスを急拡大させた後、GCIのバックアップを受けて、2013年Finatextを創業した人物だ。金融とテクノロジーの双方に通じており、最近では東洋経済オンラインにビットコインに関する記事も寄稿している

Finatextチームは、東京大学経済学部出身者グループが母体となっており、林氏のほかには、金融工学経済学博士、東京大学教養学部講師など多彩なメンバーで新しい金融ビジネスに取り組んでいる。

金融リテラシーの向上は、重要性が騒がれながらも、なかなか実現ができていないテーマだ。だが、林氏と話していると何かを成し遂げてくれそうなワクワクした気持ちになる。「あすかぶ!」というアプリの様子ももちろん気になるが、Finatextというチームが今後FinTech領域でどのような活躍を見せるのか、楽しみだ。

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