クラウドソーシング翻訳サービス「Conyac」を提供するエニドアは12日、企業などの海外進出を総合的にサポートするアウトソーシング・プラットフォーム「Conyac Market」をローンチした。このプラットフォームを使えば、企業などは文書の翻訳にとどまらず、サービスのローカリゼーションや現地リサーチ、商品名の現地語によるコピーライティングなども依頼することができる。
Conyac には、現在70カ国語以上を扱えるバイリンガル・ユーザ(トライリンガル以上のマルチリンガル・ユーザも含む)が45,000人以上いるが、翻訳依頼者からは、クラウドソーシングによる翻訳以外にもネイティブ・チェックや書類の書き起こし、海外現地語でのプレスリリースやコンテンツ作成などの業務相談が寄せられてきた。エニドアでは、バイリンガル・ユーザの特性をふまえ、依頼者の要望に応える形で今回の「Conyac Market」とローンチに至ったとしている。
新サービスのローンチを受けて、サービスの抱負と今後の方向性について、エニドア CEO の山田尚貴氏にコメントをもらった。
エニドア CEO 山田尚貴氏 元々Conyacは、翻訳を提供するためというよりは言葉の壁を越えるためのサービスとしてスタートしました。運営していく中で、バイリンガルの方が増え、ニーズが多様化していく中で、バイリンガル・ユーザのスキルを最大限に生かすためには、翻訳以外の仕事も受けることができるプラットフォームになる方が良いと思い、今回Conyac Marketのリリースに至りました。
翻訳を依頼したい企業や個人にとって、翻訳は目的ではなく手段であり、目的を達成するためにバイリンガルの人が提供できることはもっとあると考えています。このサービスが一つでも多くの企業や個人が世界とつながれる一助になることを期待しています。
Conyac Market に参加するには、翻訳クラウドソーシングサービス Conyac の「依頼ユーザ(翻訳を依頼する側のユーザ)」として登録する必要がある。月額の基本料金などは発生しないが、案件の契約金額によって、2%〜10% の手数料という形で課金される。
一般的にクラウドソーシングは、業務を請け負う側の人が不特定多数となるため、コストを抑え速さを求める業務ニーズにはフィットする一方、継続的な業務においては、依頼側のフィードバックを伝えて、次回以降の業務改善に役立ててもらうことが難しい。
Conyac Market はクラウドソーシングではなく、アウトソーシングのプラットフォームであるため、業務を依頼する相手を絞ることができ、依頼側からの細かいリクエストが伝えられるのに加え、事業の根幹に関わる機密保持の観点でも安心して依頼できるようになるため、海外展開や翻訳のニーズを持つ企業にとっては、選択肢が大きく拡がることになるだろう。
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