SXSWで学んだモバイルマーケティングにおいて大切な4つのこと

Gilad Bechar氏はグローバルモバイルマーケティング会社MoburstのCEOである。Gliad氏はMicrosoft Accelerator、The Technion、テルアビブ大学、Unit 8200とMoburstクライアントでスタートアップ起業を指導しており、テルアビブ大学のモバイルマーケティングメディアコースでアカデミックディレクターを務めている。

Image Credit: sxsw.com/press
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SXSWとは革新、芸術と奇抜さの融合だ。会議というよりお祭り、なによりも心理状態というべきか。映画祭や音楽祭が娯楽なら、インタラクティブとはすべてが始まる場所である。

今年のInteractive Extravaganzagaでモバイルが大いに注目されたのは喜ばしい誤算だ。参加者数においても内容においても、今年のモバイルへの期待はこれまでになく高かったようだ。

モバイルアリーナではモバイルマーケティングと広告がステージ中央を占め、マーケティング関連セッションが大盛況であった。この混沌とした状況から得られたモバイルマーケティングの鍵となる要素を紹介しよう。

1. 顧客にリーチすることはもはや難しくないが、顧客に影響を与えることは難しい

モバイルを使えば今までになく顧客へのリーチが簡単に実現できるし、誰もがそれを知っている。スマートメディアを購入すれば進歩はみられるだろうが、それで何ができるのだろう? SXSWに集まった人々は、ユーザをデータとしてはなく、一人の人間として考えることに方向転換した。適正なモバイルマーケティングとは、ユーザが物理的な世界で何を必要としているかを確実に把握し、彼らと関係性を築くことに注力するものだ。

あるホテルがモバイルを使って顧客を惹き付けた例を挙げてみよう。そのホテルのマーケティングチームは、宿泊客の簡易アンケートからチェックインとチェックアウトに時間がかかりすぎることへの不満があることがわかった。それを受けてホテルはこれをモバイルデバイスでできるようにし、ウェアラブル端末をルームキーとして使えるようにした。現実の問題へのスマートな解決法に魔法のような要素を加えることで顧客の心を掴むことに成功したのである。Apple PayがあればウェアラブルとBeaconが及ぼす業界への影響は大きく、モバイルはマーケターが成功できる最高の場となる。

2. いまだにCPIにこだわるブランドが多すぎる

ブランドがモバイルマーケティング代理店を探す時、市場における微妙な空気感を逆手に取った「エキスパート」と称する人々に出くわすことがたびたびある。誰もがモバイルでの成功を模索しているのに、モバイルにおける成功とは何かがわかっていない状況だ。いわゆるマーケティングのプロにとって、意味のないことやそれらしい数字といった実体のない内容でクライアントをその気にさせることはいとも簡単である。

つまり、CPI(導入毎のコスト)である。SXSWにおいてでも業績の良い優れた企業がモバイルマーケティングに関してなす術を持たず、マーケティング会社がすかさずそこにつけこむのには驚かされた。企業内マーケティングチームを組織しても的確な目標を立てられず、効率良く運用できないことがあるのと同じだ。ブランドは多少の追加投資をして最大の効果を得るべきである。言い換えれば、ユーザの獲得においてブランドはコストを抑えることよりも高い品質にこだわるべきなのだ。

3. アプリストアの最適化が後回しにされている

モバイル界における魔法のフレーズは「オーガニック・トラフィック」である。誰もがそれを望んでいるが実際に手中に収めることができる人は少ない。ASO(アプリストア最適化)が不可欠な過程であるにも関わらず、SXSWのモバイルトークでそれがほとんど取り上げられなかったのは残念でならない。アプリマーケターとデベロッパーは、モバイルマーケティングが単にクールでクリエイティブな発想だけではなく(もちろんそれが仕事の大半であることは間違いないが)、普段注目されないような技術的要素こそ重要であることに気付くべきだ。

ウェアラブルの台頭によりASOの必要性が高まることは間違いないだろう。奇想天外な考えや地域限定の何かについて考えることのほうが楽しいには違いないが、まずは基本を考えることが重要だ。だが、多くのマーケターがそれを忘れている。

4. とにかくプロダクト

最高のプロダクトがあっても、マーケティングがうまくいかなければ結果は出ない。最高のマーケティング戦略があっても、プロダクトが良くなければ意味がない。マーケティングは常にプロダクトとともにあらねばならない。今日のブランドの問題点は、商品知識のないマーケティングのプロを雇って中途半端な結果に甘んじることである。マーケティングのチームはプロダクトを常に意識すべきであるし、逆もしかりだ。コンバージョンの追求とデータの収集の両者間で最高のバランスをとらなければならない。

これらの部門の細分化は最小限に留めるべきだ。SXSWでわかったのは、ブランドが実際のプロダクトへの干渉を非常に恐れていることである。しかしながら、マーケティング戦略の変更を基にアプリを洗練させること、収集したデータを基にユーザの流れを改善することはモバイルマーケティングの未来のことではなく、今まさにすべきことである。


SXSWではブランドのマーケティング戦略において、まだまだ欠けている面が多くあることが分かった。しかし、ブランドが自身に欠けていることを理解した上で熱意をもって取り組もうとしているということがわかっただけでも、今回の体験はすばらしいものであったと言える。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】