北京駐在の500 Startupsベンチャーパートナーが、中国のスタートアップ事情について語る

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500 Startupsのベンチャーパートナーとして、中国を担当するRui Ma(馬睿)氏 (撮影:松岡由希子)
500 Startupsのベンチャーパートナーとして、中国を担当するRui Ma(馬睿)氏 (撮影:松岡由希子)

その勢いは鈍化しつつあるものの、いまだ経済成長の著しい中国。2014年の経済成長率は7.4%を記録し(中国国家統計局による)、2015年以降も、年率6%を超える成長が見込まれています(国際通貨基金の予測)。また、2000年前後に創設された、中国のITベンチャー企業の先駆けともいえる、Alibaba(阿里巴巴)Baidu(百度)は、いまや、中国のみならず、世界に知られる大企業へと成長しました。

このような市場環境のもと、シリコンバレーのベンチャーキャピタル「500 Startups」は、2013年、中国の起業家やスタートアップ企業への投資を推し進めるべく、大手投資銀行で豊富な実務経験を持つRui Ma(馬睿)氏をベンチャーパートナーとして招聘し、北京にオフィスを開設。本格的に中国市場へ進出しました。

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Ma氏は、中国の優位性のひとつとして、世界一のインターネット市場である点を挙げています。中国のインターネットユーザー数は、2014年時点で約6.4億。また、スマートフォンの利用者は2013年末までに7億人を超えており(umeng=友盟調べ)、PCに比べてモバイルデバイスからより多くインターネットに接続されているのも特徴です(CNNICレポート)。

また、Ma氏いわく、世界に羽ばたき、成功を収めている〝Local Heroes(地元のヒーロー)〟の活躍も、中国のスタートアップ業界にとって、大きな刺激となってきました。Alibaba、Baidu、インスタントメッセンジャー・ソーシャルメディアネットワーキングサービスなどを展開するTencent(騰訊)といったベンチャー企業の〝先駆者〟に続き、2010年代に入って以降も、通信機器メーカーXiaomi(小米科技)、Wi-Fiソリューションを提供するWiTOWN(树熊)、タクシーアプリを開発するDidi Dache(嘀嘀打車)など、中国発のスタートアップ企業が次々と誕生しています。

数多くの投資家やアクセラレーターらの資金力や知見、ノウハウも、スタートアップ企業を後押ししています。500 Startupsのほか、テクノロジー系スタートアップに投資する「China Growth Capital(華創資本)」、アップル社やグーグルの役員を歴任したKai-Fu Lee(李開復)氏によって創設された「Innovation Works(創新工場)」、投資先をモバイルインターネットに特化する「PreAngel」といったエンジェル投資家や、ビジネスインキュベーターの「InnoSpring」らが、その例です。

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Z-innoway/中関村創業大街 (2014年9月、池田将 撮影)

さらに、中国政府も、スタートアップ企業の支援に、積極的に取り組んでいます。500 Startupsの中国部門が拠点を置く北京では、2014年、中央政府および地方自治体からの一部支援によって、アクセラレーターのオフィスやコワーキング・スペースなどを兼ねた大型複合施設「Z-innoway(中関村創業大街)」が創設されました。

現在、ビジネスアクセラレーターの「3W Coffee(3W咖啡)」や「Binggo Café(Binggo咖啡)」、オンラインニュースメディアを運営する「36Kr」、ビジネス雑誌を出版する「The Founder(創業邦)」らが入居しています。また、中国の最高国家行政機関である国務院は、2015年1月14日、スタートアップ企業への支援に、400億元(約7,600億円)規模の投資を行う方針を明らかにしました。

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華やかな話題でにぎわう中国のスタートアップ業界の現状を、さらなる成長の兆しとみるか、一過性の〝バブル〟のようなものとみるべきかどうかは、予断を許しませんが、中国内外から急速に集まりつつある〝ヒト・カネ・モノ〟が、今後、中国のスタートアップ企業のためのエコシステム(生態系)をどのように形成していくのか、興味深いところです。

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BingoCafe (2014年9月、池田将 撮影)
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