中国のテック大手Qihoo 360(奇虎360)、ディープラーニングの権威を招いて開設したAI研究所で自動運転技術の開発に注力

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中国で最も有名なアンチマルウェアソフトウェアを製作しているテック企業 Qihoo 360(奇虎360)は、製品開発で方向転換を図っているところだ。

他のテック企業大手の先例にならい、Qihoo 360 も自社のAI(人工知能)研究所を立ち上げスマートドライブのアプリ開発を目指している。

Qihoo 360 の AI 研究所でチーフサイエンティストを務める Shuicheng Yan(顔水成)氏は、TechNode(動点科技)に対し次のように語った。

当社には明確な長期目標があります。それはまさしくスマートドライブに関するものです。(中略)製品面でいえば、研究所全体がスマートドライブに注力しています。

Yan 博士が持つ、コンピュータビジョンとディープラーニングの学術的な知識を活用することで、Qihoo 360の AI 研究所は主に画像認識と顔認識に力を入れていくという。既存の IoT ポートフォリオ強化もラボの優先課題だが、Yan 博士率いるチームは運転の安全性を向上させるため AI 活用も視野に入れている。

彼によると、安全運転に資するバックミラー等を含む先進運転支援システム(ADAS)を活用した「レベルゼロ」の自動運転から始められる予定。このほか運転時の行動をモニターし、車両周りの環境を分析する製品の開発も検討している。

また、同社が持つセキュリティ面での強みも活用している。

車内でつながるモノの種類が増えたり、(エンターテイメントシステムを)ネットに接続したりした場合には、間違いなくセキュリティが脅かされます。(Yan 博士)

Qihoo 360 は、同社の「セーフティボディガード(当社翻訳)」のアンチマルウェアモバイルアプリを想起させるセキュリティソフトウェアを開発する予定だ。しかし、Baidu や Google のように自社で自動運転車を開発するところまでいくかはまだ議論の段階にある。同社には音声認識を研究する計画もあるが、それは別の研究機関が担うと Yan 博士は述べている。

IoTへの方針転換

Qihoo 360 のスマートドライブ計画は、コネクティッド・デバイスに注力するという同社の包括的戦略の一環だ。昨年12月の第2回世界インターネット会議(World Internet Conference)の中で、同社の会長兼 CEO である Zhou Hongyi 氏は、IoT を今後5年で最も有望なビジネスだとした。多くの面で、同社の AI 研究所は IoT 製品開発部門の延長線上にあるといえる。

当社では主に2つの主要製品ラインをサポートしています。一つはスマートデバイスつまり IoT、もう一つはライブストリーミングです。(Yan 博士)

Yan 博士のチームは、Qihoo 360 のスマートホームセキュリティカメラ「小水滴」が持つ顔認識機能の向上に努めている。ライブストリーミングプラットフォーム「花椒」に関しては、同研究所はビューティーフィルタやフェイススワップフィルタなど顔追跡機能を高めている。現時点で、基礎研究は最優先事項ではないと Yan 博士は言う。

IoT と AI は同社にとって新たな収益源になる可能性がある。その主なソースは360 Search、360 Mobile Assistant(360手機助手)、Qihoo 360 のモバイルアプリストアなどプラットフォーム上の広告だ。昨年、オンライン広告サービスは収益の67.1%を占めた。これとは対照的にスマートハードウェアや IoT デバイスからの収益割合は約3%で、その88%が経費であった。

Qihoo 360 は既存プレーヤーとの激しい競争にも直面するだろう。Alibaba や Baidu(百度)といった中国テック大手も数年来 AI に投資している。Alibaba は顔認識企業 Face++との提携を行っており、Baidu はディープラーニング研究所など自社専用の研究機関を活用している。

この分野の新参企業として、Qihoo 360 は生き残りをかけて既存製品の AI 機能を高めていくだけでなく、最新鋭の自社アプリを開発していかなくてはならないだろう。

免責事項:Shuicheng Yan 博士とのインタビューにかかる旅費は Qihoo 360 が負担してくれたが、本記事は公平性をもって執筆されている。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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