
今回の投稿は、本シリーズ「Discover Korea’s Tech(韓国のテックスタートアップを探る)」の第2弾である。数々の巨大企業が牛耳っていることで有名な韓国経済の中、自身が持つテクノロジーによって自立した韓国のスタートアップ起業家たちに話を聞いていく予定だ。数ヶ月に渡って彼らを追うこの企画を楽しみにしてほしい。@technodechina からシリーズ最新のストーリーをチェックできる。
MODI はロボットデバイスと併せて IoT ハードウェアやソフトウェアを作ることができるロボティクスプラットフォームおよびモジュール式 DIY ソリューションである。プログラミングの知識のないユーザもロボットを製作してその動作をドラッグ・アンド・ドロップで簡単にプログラムすることができる。MODI には MODI Module というハードウェアと MODI Studio というソフトウェアがある。
Kickstarter キャンペーンでは、3万米ドルの目標金額に対しその2倍にあたる6万8,413米ドルがつい先日集まったところで、終了まであと16日残されている(原文掲載日:11月4日)。
(編注:最終的には9万ドル以上の資金を集め、キャンペーンは終了済)

MODI モジュールを使用すれば、例えば侵入者検知器やスマートごみ箱、ペットにフードをあげてくれるロボット、ムード照明、懐中電灯、小型車まで、想像のおもむくままどんな IoT デバイスやロボットデバイスも作ることが可能だ。13種類のモジュールはインプット、アウトプット、セットアップの3つのカテゴリに分類でき、半田付けや配線の必要なく磁石でモジュール同士を組み合わせられる。
MODI Studio は PC、タブレット、スマートフォンに対応しており、各モジュールは耐久性のあるコネクタに接続することができる。
製品責任者の SeokJung Kim(김석중)氏は次のように述べている。
中核となる技術は OS で、特許を取っています。また各モジュールが知能を持っており、MODI の開発に ARM プロセッサと C 言語を使用しました。
主な競合にはニューヨーク市に拠点を置くスタートアップでモジュール式電子回路のオープンソースライブラリを開発する littleBits がある。
LUXROBO(럭스로보)のグローバルマーケティングマネージャーである MinUk Kim(김민욱)氏は TechNode に対しこう語った。
littleBits は回路ベースなので、モジュールを接続する順番や向きに制限があります。一方 MODI ではモジュールを繋げる順番や方向に制限はありません。
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Roboterra や Miaozhua、Kidscode.cn など一部中国企業は、親が子供に技術的スキルを身につけさせたいという要望の増大に応えて、ロボット工学に基づいたコーディングの授業を行っている。
今では教育部門は非常にレッドオーシャン化していますが、私たちは DIY マーケットに焦点を合わせています。DIY マーケットに競合は多くはいません。(Kim 氏)
Atmel によると、アメリカで製造業に従事する人はおよそ1億3,500万人いる。MAKE/Intel Maker Market Study によると、2012年には調査した789の製造業者のうち79%がハードウェアまたはソフトウェアのプロジェクトに関わっていたという。
2014年に大学生のロボットクラブが設立した LUXROBO の最初の製品がこの MODI だ。メンバーの平均年齢は非常に若いが、このチームには高い技術的バックグラウンドを持ったメンバーが揃っている。LUXROBO の25歳の CEO である Sanghun Oh(오상훈)氏は国際ロボットコンテストで8回優勝し、National Robot Team of Korea の最年少コーチやロボット工学コンテストの最年少審査員長を歴任した。
同社の27歳の CTO である Seungbae Son(손승배)氏は重要な制御技術を開発し、Hanwha(한화)および Samsung Thales の無人潜水機などの防衛デバイス向けに譲渡した。
Kim 氏によると、同社は今後イギリスの教育市場やアメリカの小売市場への拡大に焦点を合わせていくという。11月にはSTEM(科学・技術・工学・数学)教育に MODI を利用できる可能性を見出すため、MODI をイギリスの中学校・高校へ提供する予定だ。
LUXROBO はシードラウンドでハードウェア専門アクセラレータの FuturePlay から、シリーズ A ラウンドでは金融サービスグループである Mirae Asset(미래에셋)および Hanwha から資金を調達している。MODI の OS はフィンテックにも応用し得るという。同社は韓国の未来創造科学部傘下にある K-ICT Born2Global Center の支援を受けている。

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