インドネシアの Wujudkan は、クリエイティブなプロジェクト向けのクラウドファンディングプラットフォームだ。その Wujudkan が昨日(2月1日)、プラットフォーム上のブログで公式声明を出し、事業を閉鎖することを明らかにした。
プラットフォームの運営最終日を3月31日としたうえで、Wujudkan の設立者で CEO の Mandy Marahimin 氏は、閉鎖を決断した主な理由として、資金調達に成功したキャンペーンであっても、そこから自社の収益を生み出すことができなかったことを挙げた。
資金を確保できたクリエーション(キャンペーン)の数は、ここ5年間、12%に届くことはありませんでした。私たちはその現実と向き合わなければなりません。その数字は私たちにとって低すぎました。
Wujudkan 自身は資金提供機関ではありませんので、この数字が重要になってきます。Wujudkan は一企業です。そして、運営コストがあまりにも大きすぎるという点でも、この数字が重要になります。
Wujudkan は閉鎖を発表した2月1日以降、新たなキャンペーンの受け入れを終了し、段階的にプラットフォームを閉鎖する予定だ。
また、3月31日にサイト上のキャンペーン参加者ら全員に静的ページを送付し、彼らが自分のブログやサーバにそれを掲載できるようにする、と述べている。さらに、Wujudkan のブログを WordPress のサイト内に移動し、ユーザがクラウドファンディングに関する情報記事に引き続きアクセスできるようにするという。
Marahimin 氏によれば、Wujudkan は閉鎖になってしまったが、クラウドファンディングはクリエイティブ業界においてプロジェクトの資金を集める最良の手段の一つである、とチームは今も信じているという。だが、Wujudkan は「現実的にならざるを得ない」とも語った。
クラウドファンディングを決して止めないでほしいです。現在多くのクラウドファンディングプラットフォームがあり、その中にあなたのニーズに応えるものがあるはずですから。
Wujudkan は、KitaBisa と並んでインドネシアの最も古いクラウドファンディングプラットフォームの一つだ。
KitaBisa で CEO を務める Alfatih Timur 氏は e27のインタビューに対し、KitaBisa も設立当初はクラウドファンディングキャンペーンの大部分がクリエイティブ業界のプロジェクト向けのものだったと語った。しかし、チャリティープロジェクトの方がインドネシアの人々から人気を得やすい傾向にあることを KitaBisa は学んだ。
始めたばかりの頃は当社はユーザが個人的な目的でキャンペーンを行うことを禁止していました。たとえば、病気の友人のための資金集めとかですね。イノベーティブなプロジェクトを重視していこうと考えていました。しかし、個人的な目的のキャンペーンの方が目標額を達成する上で一番の近道になることに気付いたのです。(Timur 氏)
今では、KitaBisa が抱えるプロジェクトのうちクリエイティブのものが占める割合はわずかしかない。
また、ヘルスケアプロジェクトに注目したクラウドファンディングとしては、WeCare.id も挙げられる。
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