PayPalが同社史上最大22億ドルで「欧州のSquare」iZettleを買収、その意図は?

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Image Credit: iZettle

17日、PayPalはストックホルム発の決済スタートアップiZettleを、同社史上最大額の22億ドルで買収することを発表した。iZettleはいわば欧州版Square、実在店舗向けにクレジットカード端末とPOSソフトウェアを開発・提供する企業だ。

PayPalによるiZettleの買収は、22億ドルというPayPalの過去の買収事例と比べても突出して大きな額であったこと、さらにiZettle自身が近々IPOする予定とみられていたことから、大きな驚きを呼んだ。さらに、iZettleのIPO評価額は11億ドル強と思われていたことから、その約2倍の買収がさらなる反響を招いている。

PayPalが22億ドルを出してまでiZettleを買収したい理由はどこにあるのだろうか?

いくつかのメディアが指摘するのは、PayPalの欧州の実在店舗でプレゼンスを高めたいという意欲が大きいというもの。スウェーデン発のiZettleはこれまで12カ国に進出しており、そのほとんどは欧州だ。iZettleの既存のマーケットを活用して、欧州進出を加速できることは魅力だろう。

また、iZettleの主な利用者は実店舗のスモールビジネスになるが、モバイル・オンライン決済が成長している今、小売店舗に対してオフライン・オンライン・モバイルとオムニチャンネルを提供したいというのは、iZettleとPayPalがつながるべき大きな理由になる。PayPal自身もPayPal Hereというカード端末を出したもののあまり拡大しておらず、カード端末には苦戦していたようだ。今回の買収は、お互いの強みを補完しあえるものになるのではないだろうか。

一方で、2010年の創業したiZettleは、これまで1億5000万ドルをベンチャーキャピタルから調達し、そのうちの4700万ドルは昨年12月に調達したばかりだった。そのうち、少なくとも8300万ドルはデットファイナンスだった。借り入れ額の大きさは、IPOとその後の経過に同社が不安を抱く一因となっていた可能性もある。また、競合のSquareは昨年には英国に進出しており、今後欧州展開を加速していくと見られていた。そうした状況も鑑みると、iZettleは今回の買収で多少肩の荷が下りる思いかもしれない。

「iZettleは今後、PayPalのスモールビジネスの店舗向けプロダクトとサービスにおいて卓越した存在となります。その点について、私はとてもわくわくしています。(中略)私たちは引き続き、すばらしい拡大の機会をもつグローバルファミリーの一員として、これまでと同じような形で仕事をしていきます」

iZettleのCEO・コーファウンダーのJacob de Geer氏は、サイト上で今後の意気込みについてこのように語っている

参照:
Why Sweden’s iZettle sold to PayPal for $2.2 billion rather than IPO / VentureBeat
PayPal will spend $2.2 billion to buy the Square of Europe — iZettle — in its biggest acquisition ever / recode

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