東大発の人工衛星スタートアップ、アクセルスペースがシリーズBラウンドで約25.8億円を調達——三井不動産、GB、INCJ、東大IPCなどから

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Image credit: Axelspace

本稿は、Global Brain Alliance Forum 2018 の取材の一部。

東大発のスタートアップで超小型衛星を開発するアクセルスペースは7日、シリーズ B ラウンドで資金調達を実施したことを明らかにした。リードインベスターは三井不動産とグローバル・ブレインが共同で運用する「31VENTURES-グローバル・ブレイン-グロース Ⅰ 事業(300億円規模)」で、調達金額は約25億8,000万円。このほか、本ラウンドには INCJ(旧称:産業革新投資機構)、東大 IPC(約3億円を出資)、SBI インベストメント、第一生命保険が参加している。

これはアクセルスペースにとって、2015年9月に実施したシリーズ A ラウンドに続くものだ。今回のシリーズ B ラウンドでの調達を受けて、同社の累計調達額は約45億円に達した。

アクセルスペースは東京大学からスピンオフしたスタートアップで2008年の設立。気象情報サービスのウェザーニューズから受託した超小型衛星の打ち上げ実績がある。アクセルスペースは重さ60キロググラム程度、大きさ50センチメートル四方の超小型衛星を開発しており、低軌道を周回する衛星群で気象データや地形データを集積し官公庁や民間企業に販売する。通常1基あたり数十億円以上かかる打ち上げ費用を10億円以下に圧縮できるため、衛星複数基による運用体制を構築できるのが特徴だ。

GRUS 初号機
Image credit: Axelspace

同社は当初2017年に予定していた GRUS 初号機の打ち上げを、機能改善を理由として今年に延期していたが、正式に12月27日にソユーズでロシア連邦ボストーチヌイから打ち上げられることが明らかにされた。

同社は 2015年に毎日全地球観測インフラ「AxelGlobe」を発表している。その実現を念頭に、今回の調達と合わせ、アクセルスペースの共同設立者で取締役の宮下直己氏が取締役  CTO(最高技術責任者)に、また、マーケティングマネージャー及び事業開発を担当していた山崎泰教氏が CBDO(最高事業開発責任者)に就任したことも発表された。

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