
Image credit: Tech in Asia
本稿は、Global Brain Alliance Forum 2018 の取材の一部。
パブリッククラウドコンピューティングの世界市場は1,900億米ドル規模となっており、専門家は2021年までに3,000億米ドル規模に達するだろうと見積もっている。現在、この業界は AWS や Google Cloud といった、集中化された巨大プロバイダによる寡占市場だ。
シンガポールを拠点とするクラウドコンピューティングスタートアップ Perlin は、非中央集権型プラットフォームでそれを変え、あらゆる場所にいるクラウドユーザに、手頃な値段で手に入る環境を作ろうとしている。AI 向け、中でもガン研究や気候変化といった社会的および環境用途に向けた、コンピューティングパワーの提供に特化する予定だ。
Perlin の CEO でプロジェクトマネージャーの Dirjee Sun 氏は、集中型のクラウドコンピューティングプロバイダは、価格において不均衡であると考えている。
価格が安く、機能が豊富で、信頼性の高いコンピューティングへのアクセスは、その需要が急増するに従い、困難になってきています。
AI 企業が必要とするコンピューティングパワーは3ヶ月半毎に倍増しています。手頃な価格のクラウドコンピューティングにアクセスできないことは、イノベーションを阻害し、技術的、経済的、社会的進歩を遅らせる可能性があります。(Sun 氏)
Perlin はそんなビジョンを達成させるべく、12月7日、日本の投資会社グローバル・ブレインを戦略的調達パートナーに招いた。投資金額は開示されていない。
Perlin はこの提携により、8日に開催されたグローバル・ブレインのパートナーと投資先700社が集まるイベント(Global Brain Alliance Forum 2018)でデモデイに参加するのを皮切りに、グローバル・ブレインの投資家ネットワークに参加することになる。グローバル・ブレインは社内での事業機会の模索にも、Perlin のコンピューティングレイヤーやレッジャー活用する予定だ。
未使用のコンピューティングパワーを貸し出し
Perlin は、そのクラウドサービスをもう一歩先に進めようとしている。同社は、「クラウドコンピューティング版 Airbnb」を標榜して設立され、デバイスオーナーに空いているコンピューティングパワーを貸し出す機能を提供する。世界中の人々から受動的に収入を得られることから、Sun 氏はこれを「新種のユニバーサルなベーシックインカム」と呼んでいる。
眠っている時は、コンピュータ、電話、ゲーム専用機などあらゆるスマートデバイスは使われていない。非常に大きなコンピューティングパワーがムダにされている可能性があります。(Sun 氏)
同社はサプライヤーやユーザの導入を加速すべく、クラウドパートナー60社、戦略的提携先180社と合意を交わした。Sun 氏は、このプラットフォームをローンチからブートスラップでやってきたのは、これまでで十分だったと考えている。
ビジネスを成長させるため、積極的に新しい新しいパートナー、サプライヤー、ユーザを見つけてきました。今回調達した資金は、今後5年間の教育、提携、ビジネス開発に使われる予定です。(Sun 氏)
【via Tech in Asia】 @techinasia
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