配車サービス大手Grab、アジアで出発地〜公共輸送機関(ファーストマイル)/公共輸送機関〜目的地(ラストマイル)をつなぐサービスを提供へ

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Image Credit: Grab

Grab は、公共交通機関にも対応したアプリにより、マストランジット(大量輸送機関)に対するサービスを東南アジアで正式に提供すると3月26日に発表した。インドネシアのジャボデタベック圏での運用が3週間前に始まった。Grab は、Trip Planner(インドネシア語では Rute)という新たな機能により、ファーストマイル(出発地から輸送機関)・ラストマイル(輸送機関から目的地まで)の移動を提供する。

Grab はまた、GrabBike や GrabCar を公共交通機関の駅やバス停から/までの移動につなぎ、公共交通機関での移動に関する選択肢を補っている。

Trip Planner 機能は、バス旅行マーケットプレイスとともに、今後数週間東南アジアの他の諸都市でも運用開始していく予定だ。

Grab の新しい公共交通サービスとバスサービスは、諸都市、公共交通機関、私企業との提携を活用してマスマーケット顧客の要求を満たし、日常的な利用にも手ごろな値段の輸送サービスへのアクセスを提供する。この2つの新機能は、個人で雇った自動車ヘイリングサービスよりも最大で7割安いマストランジットの選択肢を提供することになりそうだ。

Grab のマーケットプレイスおよびシェアードモビリティ部長 Ngiam Xinwei 氏は次のように語った。

今日、例えばジャカルタでは、人々が市中心部と自宅を行き来する際、日常的な移動の70%以上が公共交通機関ではなくバイクや自家用車で行われています。こうした傾向が都市を悩ませる大混雑のもとになっています。私たちの長期的ビジョンは、人々の毎日の通勤を安心できてシームレスなものにし、最後には自分のバイクや自動車を家に置いておこうと思ってもらうことです。マストランジット、すなわちバス、シャトル、質の高い公共輸送。これが、路上に車を増やさずにそうした目標を達成する唯一の道です。

Trip Planner 機能は、Grab アプリ内でユーザが正確な公共交通機関に関する情報と出発から目的地までの方向案内を用いて、自分の移動を計画できるようにするものだ。Grab はまた、新たな MRT ジャカルタ(ジャカルタ都市高速鉄道)ローンチの勢いも得てこの機能を発表し、公共交通機関に関する情報を Grab アプリに導入するために MRT ジャカルタと協働した。

Grab は、お迎えや下車のためのシェルターを駅の近くに提供する予定だ。これは、ユーザの「ファーストマイル・ラストマイル(初めの出発地から最後の目的地まで)」というニーズに応え、パートナードライバーや乗客の安全を確保するためだ。

MRT ジャカルタのプレジデントディレクター William Sabandar 氏は次のように語った。

リアルタイムのトランジットスケジュールを Grab プラットフォームに導入することで、私たちは Grab のより広いユーザ層に働きかけて乗客利用を増やすことができると確信しています。より多くの人々が、次の電車の到着時間をよりよく見通し、予想、信頼できるようになり、前もって計画を立てられるようになります。

新しい MRT 用シリーズに加え、Grab アプリは通勤電車、Airpot Rail Link、Transjakarta の公共バスサービスといったリアルタイム公共交通機関のスケジュールや、さらにジャボデタベック圏の50以上の公共バスの固定スケジュールをも表示する予定だ。

現在地と目的地を Trip Planner を使って入れるだけで、通勤者は目的地行きの、近くの公共交通機関を使ったルートを見ることができ、一部の公共交通サービスのリアルタイムの発着時刻も見ることができる。また、通勤者は道案内を得たり、公共交通機関の駅やバス停から/まで移動する際に GrabBike や GrabCar といった移動オプションのどれを利用したらいいかというようなファーストマイル・ラストマイルのおすすめを得ることができ、それらはすぐに予約もできる。

さらには、Grab と提携を組んだ公共交通機関は、より高い乗客数、ライドシェアサービスの Grab ネットワークへのアクセス、旅の計画機能を得られるだけでなく、アプリ内で通勤者がどのように公共交通機関を使っているかも分かり、またすべての人にとっての交通の便を改善するために埋められるべき、既存の公共交通サービスのギャップを特定することもできるのだ。

「バス」機能については、Grab は今後数ヶ月かけて東南アジアの主要都市でマーケットプレイスをテストする予定だ。ユーザはライドヘイリングを使う場合よりも安価に Grab の提携バスが提供するルートで移動するバスの席を前もって予約できるようになるため、列を作って並ぶ必要がなくなる。また、都心と行き来するのが面倒であるような交通の便が悪い地域に住む人たちにとって、移動のギャップを埋める架け橋になる。

バス運営会社は、前もってユーザの需要に関する情報を完全に把握できるため、自社のバスを効率的に管理・運営することができる。彼らはバスをより上手く振り分けることができ、バスが足りない場合新たな供給の機会を開くことができる。

Ngiam 氏は次のように付け加えた。

究極的には、私たちの築きたいマストランジットのエコシステムとは、誰もが、自分の移動を最初から最後まで計画し、予約し、電子チケットを買い、公営であれ私営であれ、あらゆる形態の輸送機関を利用した移動の代金を1つの統合型決済システムで支払うことができ、かつ、単に普段の通勤をするだけで、GrabRewards のロイヤルティプログラムで得することができるというものです。

【via e27】 @E27co

【原文】

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