優秀な高度外国人材を日本企業が獲得する方法、あるいはその理解について

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出生数90万人割れのニュースが話題になっています。

少子高齢化が加速する日本において、企業経営する私たちが注目すべきポイントはやはり労働人口の変化でしょう。実際、2030年には大きな労働人口の減少が予想されており、その対策は急務になっています。

このレポートにもある通り、解決策のひとつが「日本で働く外国人材を増やす」ことです。総務省の2019年1月1日時点の人口動態調査によると、国内の日本人は1968年に調査を始めて以来最大の減少幅を記録し、対照的に在日外国人過去最多の266.7万人まで増えています。

そして、日本総合研究所によると2018年時点で146万人だった外国人労働者は2030年までに最大で400万人弱まで増える可能性があるという調査結果も公表されています。外国人材の受け入れはもはや特別な選択ではなくなりつつあるのです。

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(出所:図:日経ビジネス、人口は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」、外国人労働者は厚生労働省、2030年の外国人労働者の予測は日本総研による)

では、労働力として優秀な外国人材を受け入れる企業側にはどのような視点が必要になるのでしょうか。

今の日本にとって必要な外国人材とは

私自身これまで留学生として日本の大学で学び、働き、その生活の過程で外国人材にとって日本の素晴らしい部分と「負」の部分の両方を身をもって体験しました。

日本は今、国策として単純労働者を2025年までに介護、外食、建設といった14の業種において最大で35万人の外国人単純労働者を受け入れる「特定技能」という新しい在留資格を新設しています。

しかし正直、イチ外国人として私は日本の単純労働環境及び労働条件には魅力を感じません。同じく出稼ぎに行くのであれば経済成長著しい中国やシンガポールといった国の方が断然コスパがよいと思います。

そんな私から見て、少子化による人手不足が深刻化する昨今の日本に必要となってくるのは一人当たりの生産性が高く、社会のコア人材として今後、長期にわたって活躍できる高度外国人材やその候補者なのです。私たちはそんな人材を「インバウンド・タレント」と呼んでいます。

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左:最高技術責任者(CTO)胡 華、中:代表取締役社長(CEO)仲 思遥、右:最高戦略責任者(CSO)娄 飛。Lincでもメタップスやメルカリで活躍してきた高度外国人材を採用して経営体制を強化中

働き先として日本が魅力的になるためには

企業経営者として彼らを受け入れることができれば、組織の可能性は飛躍的に広がります。留意すべきポイントは大きく分けて二つです。まず、働き手のリテンション(働きやすさ)を大事にすること、そして彼らに日本における「信用」を提供することです。

インバウンド・タレントが日本で働く上で直面する最大の問題の一つに、企業文化に対する順応や企業の期待値と個人の成長のギャップといった働き手との「ミスマッチ」があります。異なる社会で生まれ育った背景がそれをより大きな問題にしてしまうのです。

結果、私は今までたくさんの優秀なインバウンド・タレントがミスマッチにより一年未満で退職するケースを目の当たりにしてきました。

今のHR市場では「如何に採用まで結びつけるか」というリクルーティングの部分ばかりに焦点が当たっている印象が強いですが、より優秀なインバウンドタレントに来てもらうためには、採用した後「如何に定着し、長期的に良好な関係性を築き、気持ち良く働いてもらえるか」というリテンションの部分の方が圧倒的に大切になります。

また、高めないといけないのは企業におけるリテンションだけではありません。日本社会全体でも同じことが言えます。

どんなに優秀なインバウンド・タレントでも来日直後は社会的な「信用」がありません。そして「信用」がないため家を借りることすら困難で、生活がとても不便になるのです。

つまり、今後の日本に必要なのはインバウンド・タレントの「信用」をスコアリングできる仕組みなのだと思います。日本での「信用」が定量的に可視化されれば、彼らは日常生活がスムーズになり、結果、長期的な戦力として活躍してくれることになる、というわけです。

一方、社会としてこれに取り組むにはもう少し時間が必要でしょうから、こういったインバウンド・タレントを迎えたい企業は、積極的に彼らの「信用」を担保する仕組みを提供すべきです。

これら「リテンション」と「信用」をスコアリングする仕組み、これこそ外国人材にとって30年後も日本を魅力的にするために一番必要なことではないでしょうか。

なお、私たちは来るべく「大労働力不足時代」を見据え、圧倒的に増えるであろう外国人材の日本における留学、就職、生活を支えるライフイベント支援プラットフォームになることを目指しています。

<参考情報>

本稿は高度外国人材向け日本留学サポートプラットフォームLincStudyを提供するLinc代表取締役、仲思遥氏によるもの。Twitterアカウントは@shiyo_naka。Lincの事業や採用に興味がある方、彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトされたい

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