
Image credit: CRE
不動産クラウドファンディング・プラットフォーム「FUEL(フエル)オンラインファンド」を開発する FUEL(旧称:クラウド・インベストメント)は4日、物流系不動産大手シーアールイー(東証:3458)のクラウドファンディングサイト「CRE Funding powered by FUEL」をローンチした。FUEL では、同社が開発したプラットフォームを提供し、上場している不動産事業会社(デベロッパ)との協業により、クラウドファンディングをローンチすることを明らかにしていた。シーアールイーはその第1弾となる。
FUEL は昨年8月のシードラウンドで、シードラウンドで物流系不動産大手のシーアールイーと、その子会社で不動産証券化事業を行うストラテジック・パートナーズから資金を調達していた。
FUEL は、デベロッパ向けのクラウドファンディング・プラットフォームを提供。デベロッパにとっては、既存の機関投資家やメザニンローン以外のルートで、低金利の資金を個人投資家から調達できるメリットがある。個人投資家にとっては、すでに安定した利回りの期待できる大手デベロッパ運用の不動産に対し、投資商品の中ではローリスクで参加できるメリットがある。
デベロッパが自らクラウドファンディングを行う場合、第二種金融商品取引業の免許を取得したり、クラウドファンディング参加者を集めて管理したり、システムを整備したりする必要がある。FUEL では、これらの機能をプラットフォームとしてデベロッパに提供することで、デベロッパが新たな取り組みを始める上でのハードルを下げる。

Image credit: Fuel
本稿執筆段階で具体的なクラウドファンディング案件(不動産名がタイトルについた形となる)は未掲載だが、FUEL では今後一週間程度を目処に、最初の案件が掲出される見込みとしている。クラウドファンディングには個人・法人共に参加できるが、基本的には個人をターゲットにしていて、法人は個人の資産管理会社などを想定しているようだ。参加者(投資家)の国籍は問われないが日本に居住している必要があり、学生を除く20歳以上75歳未満が対象。一口1万円から参加できる。
不動産クラウドファンディングは価格が変動しないため、初心者の資産形成にも向いている。このような投資商品をポートフォリオに取り込んでもらうことで、個人の資産経営の一助にしてもらえるように取り組んでいきたい。(代表取締役 細澤聡希氏)
FUEL では平均の利回りは2〜5%程度を目標としているが、リスクやリターンはクラウドファンディング案件により異なるという。一般的な不動産投資と違って租税公課の対象とはならないので、クラウドファンディングで得られた収益は雑所得として総合課税の対象となる。ただ、オフィス・商業不動産・住宅といった典型的な不動産と異なり、今回のシーアールイーとの取り組みは、物流不動産という成長と安定の両方を目指せるカテゴリだけに、クラウドファンディングのパフォーマンスのゆくえは興味深い。
FUEL では今後3年間で10社以上の不動産事業会社と協業し、プラットフォーム全体で取扱高1,000億円以上を目指したいとしている。FUEL は今回のサービス開始に先立ち、先月には取締役会設置会社へ移行。新たに監査役としてスパイラルグループの代表で公認会計士の太田諭哉氏、マーケティング機能強化に向けメルカリのマーケティング責任者を歴任した鋤柄直哉氏をマーケティングアドバイザーに迎えた。
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