ミュンヘン発〝空飛ぶタクシー〟製造のLilium、シリーズCラウンドを約2億7,500万米ドル調達でクローズしユニコーン入り

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Lilium のジェット機と共に、創業メンバーの Daniel Wiegand 氏、Matthias Meiner 氏、Sebastian Born 氏、Patrick Nathen 氏。
Image Credit: Lilium

2025年までに空飛ぶタクシーを空に出現させることを目指すドイツの航空系スタートアップ Lilium は、シリーズ C ラウンドの調達額を3月の当初発表に3,500万米ドル追加し、最終的に約2億7,500万米ドルの調達でクローズした。本件に詳しい人物によると、今回の追加出資により、同社の評価額は10億米ドル以上となり、話題の「ユニコーンの領域」にまで達したという。

今回の資金注入は、これまでに Tesla、SpaceX、Amazon、Airbnb などを支援してきたスコットランドの投資会社 Baillie Gifford(ベイリーギフォード)が全面的に行ったもの。輸送業界にとっては激動のタイミングで実施された。新型コロナウイルス蔓延による危機は配車サービスに打撃を与え、Uber は事業を適応させ、その広大な輸送ネットワークを他の用途に転用しなければならなくなった。一方で、都市では自動車用道路を減らして歩行者やよりクリーンな個人移動手段のためのスペースを確保されようになり、これがスクーターや自転車移動手段への投資を急増させている。Lilium のような企業にとって、こういった変化は同社の計画と一致する可能性があるが、Lilium の競合は電車やバスのような都市間輸送である可能性が高い。

Lilium のスポークスパーソンは、VentureBeat の取材に対し次のように語った。

どちらかと言えば、より持続可能な交通手段への移行は、我々の移動方法を変えたいという一般人の欲求を浮き彫りにしている。

とはいえ、我々が重視しているのは、一つの都市内での移動ではなく、むしろ都市、町、村を互いにつなぐことだ。300kmの範囲で地域全体をつなぐことができるので、高価なインフラを必要とせず、高速な接続手段が無い場所にもそれをもたらすことができる。

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2015年にミュンヘンから設立された Lilium は、ドライバー1人と乗客4人が乗れるスペースを持ち、垂直に離着陸するコンパクトな全電動ジェット機を製造している。これにより、高価でスペースを必要とする滑走路の必要性を回避し、着陸パッドは屋上や岸壁など、あらゆる都市環境に設置することができる。顧客は、Uber 風のモバイルアプリで呼び出すことができる。

Liliium の着陸パッド(モックアップ)
Image credit: Lilium

さらに、Lilium が地域移動に特化していることを考えると、国境を越えた移動がスムーズには行かない世界で有利だと言える。これは、航空業界の多くの企業が崩壊の危機に瀕している今、特に注目すべきことだ

Lilium は新型コロンウイルス感染拡大の間、会社の大部分の人々がリモートで仕事をしており、主な長期的タイムスケールの大部分は変更されていないという。

我々の開発では最終的なシリアル機の開発に焦点を当てているため、仕事の多くが自宅でできる段階にあることを幸運に思っている。新型コロナウイルスは年内のタイムスケールに多少の影響を与えるだろうが、2025年の商業運航開始に向けて軌道に乗っている。また、現在の航空宇宙市場が直面している課題を考えると、多額の資金を調達できたことは幸運であると認識している。(スポークスパーソン)

同様の未来に向けて取り組んでいる企業には、他にドイツのスタートアップ Volocopter がある。同社は最近、4,000万米ドルの新規調達をクローズした。累積調達総額は1億3,200万米ドルに達し、IPO を目指すと宣言した。

Lilium は追加で得た3,500万米ドルを含め、創業以来で累積合計3億7,500万米ドル以上を調達している。同社は Lilium Jet の開発を継続し、昨年発表したドイツの新しい製造拠点での「連続生産」の準備をするための十分な資金を得ている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】