広告効果分析マーケティングツールを提供するサイカは29日、成果報酬型のテレビ CM 出稿サービス「XICA ADVA(サイカアドバ)」をローンチした。同社開発の TVCM 効果分析ツール「magellan(マゼラン)」で培われたデータサイエンスをもとに、テレビ CM から得られる事業成果を出稿前にシミュレーション、実際に出稿の計画づくりから出稿までをワンストップで行えるよう、事実上リブランドした。
アドバは、テレビ CM への投資額の決定から、エリア配分、局配分、線引き(出稿する曜日、時間帯、番組などの選定)、フライトパターン(出稿期間中の出稿量配分)に至るまで、テレビ CM の全ての出稿プロセスにおいて、定量的な評価に基づき、売上などの事業成果を最大化する出稿プランを算出することができる。
アドバは、従来の出稿ボリュームに応じたマージンモデルではなく、売上などの事業成果を対象とした成果報酬モデルを採用している。「どれだけ CM を放映するか」ではなく「どれだけ商品やサービスが売れるか」をコミット、テレビ CM 出稿前に確約した事業成果を獲得できなかった場合は、管理進行費(広告代理店マージンに相当)の支払が不要になる。
この分野では、電通デジタルの「Private Cross Media Planner」、ラクセルの「ノバセルアナリティクス」などが先行する。サイカはアドバをマゼランのユーザを皮切りに販売展開するとみられるが、先般のシリーズ D ラウンド調達発表時にも書いたように、マゼランのユーザには大手企業が多く、アドバの潜在ユーザとなる TVCM 広告主へのリーチは比較的容易かもしれない。
サイカは2012年2月の創業。2013年、企業が自社内データにおける関連性(テレビ CM の放映回数、チラシ配布の枚数など)を見つけられるマーケティングツール「adelie(アデリー)」をローンチ。この adelie が後にピボットし、2016年9月からは現在提供されているマゼランとなった。国内大手企業を中心に120社以上の導入実績があるとしている。
ベンチャーキャピタルのグローバル・ブレインは9月28日、支援先のグロースを目的とした支援チーム「Valu Up Team」の新設を伝えている。出資先の企業に対して、支援先のニーズに合わせる形で戦略立案・実行を手掛けるもの。テーマとしてはBiz Dev、HR、知財、PRなどの領域で支援する。支援チームには以前、ピンタレスト・ジャパンの代表取締役を努めた定国直樹氏や、メルカリでマーケティング戦略を手掛…
グローバル・ブレインが公表したValue Up Team
ベンチャーキャピタルのグローバル・ブレインは9月28日、支援先のグロースを目的とした支援チーム「Valu Up Team」の新設を伝えている。出資先の企業に対して、支援先のニーズに合わせる形で戦略立案・実行を手掛けるもの。テーマとしてはBiz Dev、HR、知財、PRなどの領域で支援する。支援チームには以前、ピンタレスト・ジャパンの代表取締役を努めた定国直樹氏や、メルカリでマーケティング戦略を手掛けた伊藤暁央氏、三陽商会で執行役員として経営戦略に携わった慎正宗氏らが牽引する。
xpression camera は、ベースとなる画像や映像を読み込ませることで、誰かになりきって、Zoom や Google Meet でのテレカン、Twitch や YouTube などでのライブストリーミングなどができるアプリ。映像を扱えるアプリからは xpression camera はカメラデバイスとして認識され、自分の表情を元にリアルタイム生成されたフェイク映像を取り込むことができる。
EmbodyMe は2年前にも、今回の xpression camera と同じ技術を使ってモバイル向けの iOS アプリ「Xpression(エクスプレッション)」をローンチしている。カメラに映る自分の表情、元にする映像(なりきり先)の人の動きを分析し、GAN(Generative Adversarial Network、敵対的生成ネットワーク)で動画をリアルタイム生成する仕掛けは基本的に変わらない。
CEO でエンジニアの吉田一星氏によれば、EmbodyMe が xpression camera を開発した背景には、コロナ禍でテレカンが増えている現況がある。元にする画像や映像を自分のものにすれば、ユーザは声を発するだけでよく、相手にはあたかもユーザ本人が直視して応対してくれているように見えるので、ユーザは家事をしながら、極論すれば、風呂に入りながら、といった飛び芸も可能になる。
「xpression camera」を使い、Elon Musk 氏になりきる EmbodyMe CEO の吉田一星氏 Image credit: EmbodyMe
吉田氏は xpression camera について、ユーザにとって、場所の制約をなくせる点に可能性を感じていると語った。現在は顔の表情のみのリアルタイム生成だが、将来は、身体の動き全体の模写生成も実装を検討しているとのこと。このアイデアは、同社が3年半前に公開した VR アプリ「EmbodyMe」で具現化されているため、そう遠くない将来に現実化できるだろう。
EmbodyMe では xpression camera を無料公開するが、吉田氏は、ビジネス向けのリモートカスタマーサービスやインサイドセールス、次世代ファッション、Virtual YouTuber やデジタルツインなどでの活用の可能性を示唆した。xpressioin camera の事業戦略は、テレカンをよりリアル会議に近いものにすることを標榜する「mmhmm」のそれに似ていて、ユーザの反応を見ながら、どの分野に刺さるかを見極め、その分野に向けた商品開発でマネタイズを図る計画のようだ。
EmbodyMe は2016年6月、〝未踏エンジニア〟の吉田氏をはじめ、ヤフー出身のエンジニアやデザイナー3名により設立(当時の社名は Paneo)。2017年にはインキュベイトファンドから9,000万円を資金調達し、Tokyo VR Startups(現在の Tokyo XR Startups)の第3期に参加した。
Boston Dynamicsが営利企業となるため、Playter氏は営業、事業開発、マーケティング、人事、財務のベテランを幹部に迎えた。エンジニアリングのリーダーは研究開発畑から迎え、ロボットを生産する方法を組み立て直した。しかし新しい仕事の大半は偶然兼業したものであり、依然同社は「収益性のある事業を構築するためのプロセスと鍛錬法を開発している最中」だ。