広告効果分析マーケティングツールを提供するサイカは29日、成果報酬型のテレビ CM 出稿サービス「XICA ADVA(サイカアドバ)」をローンチした。同社開発の TVCM 効果分析ツール「magellan(マゼラン)」で培われたデータサイエンスをもとに、テレビ CM から得られる事業成果を出稿前にシミュレーション、実際に出稿の計画づくりから出稿までをワンストップで行えるよう、事実上リブランドした。
アドバは、テレビ CM への投資額の決定から、エリア配分、局配分、線引き(出稿する曜日、時間帯、番組などの選定)、フライトパターン(出稿期間中の出稿量配分)に至るまで、テレビ CM の全ての出稿プロセスにおいて、定量的な評価に基づき、売上などの事業成果を最大化する出稿プランを算出することができる。
アドバは、従来の出稿ボリュームに応じたマージンモデルではなく、売上などの事業成果を対象とした成果報酬モデルを採用している。「どれだけ CM を放映するか」ではなく「どれだけ商品やサービスが売れるか」をコミット、テレビ CM 出稿前に確約した事業成果を獲得できなかった場合は、管理進行費(広告代理店マージンに相当)の支払が不要になる。

アドバは複数のツールで構成され、全広告の予算配分をを行う従来のマゼランを機能強化した「ADVA MAGELLAN(アドバ マゼラン)」、TVCM の出稿計画を策定できる「ADVA PLANNER(アドバ プランナー)」、メディアバイイング(CM 枠確保)ができる「ADVA BUYER(アドバ バイヤー)など複数ツールで構成。2020年冬には、TVCM のクリエイティブ設計を支援する「ADVA CREATOR(アドバ クリエイター)」を追加リリースする予定。
この分野では、電通デジタルの「Private Cross Media Planner」、ラクセルの「ノバセルアナリティクス」などが先行する。サイカはアドバをマゼランのユーザを皮切りに販売展開するとみられるが、先般のシリーズ D ラウンド調達発表時にも書いたように、マゼランのユーザには大手企業が多く、アドバの潜在ユーザとなる TVCM 広告主へのリーチは比較的容易かもしれない。
サイカは2012年2月の創業。2013年、企業が自社内データにおける関連性(テレビ CM の放映回数、チラシ配布の枚数など)を見つけられるマーケティングツール「adelie(アデリー)」をローンチ。この adelie が後にピボットし、2016年9月からは現在提供されているマゼランとなった。国内大手企業を中心に120社以上の導入実績があるとしている。
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