130億円規模のWeb3特化「gumi Cryptos Capital(gCC)」2号ファンド、初号はOpenSeaなどへのシード投資に成功

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gumiCryptosCapitalのパートナー陣、左から國光宏尚氏、Rui Zhang氏、Miko Matsumura氏

日米拠点でブロックチェーンおよび暗号資産テクノロジーへの投資を手がけるgumi Cryptos Capital(gCC)は3月31日、Web 3領域に特化した2号ファンド「gumi Cryptos Capital Fund II(gumi Cryptos Capital II GP, LLC)」の設立を公表した。ファンド規模は110万米ドル(日本円で130億円)で、運用期間は10年。主な出資者(LP)はgumi、新生銀行、GMF Capital、Rockaway Venturesなど日米事業会社および金融機関、個人。ファンドパートナーは國光宏尚氏、Rui Zhang氏、Miko Matsumura氏が務める。

シード・アーリーステージのスタートアップ約50社に対し、1社あたり50万ドルから最大500万ドルを出資する。出資の方法はエクイティ(株式)およびトークンの両方に対応する。出資対象となる事業領域はWeb3関連のゲーム、NFT、DeFi、メタバース、DAO、マルチ チェーン、マルチリージョン、クロスチェーンソリューション、インフラ、開発者向けのツール、アプリケーションなど。同ファンドは欧米とアジア間の暗号資産マーケットにおける架け橋になるとしている。

gCCの初号ファンドは2018年5月に投資を開始し、36社に対して2100万米ドルを出資した。NFTマーケットプレイスのOpenSeaやPlay to EarnのゲームギルドであるYieldGuildGamesなどに対してシード投資した結果、その資産価値を5億1,600万ドルにまで引き上げることに成功した。そのほかにもクリプトレンディングのCelsius Networkや開発基盤のAgoric、日本発パブリックチェーンのAstarなどの成長株をポートフォリオに納めている。

gCC初号ファンドのポートフォリオ(一部)

グローバルにおけるクリプトファンドの動きは、昨年に発生したNFTをはじめとするマーケットの加熱により加速している。Andreessen Horowitz(22億ドル)を筆頭に、Sequoia Capital、Bain Capital などの従来ファンドの参戦や、2018年設立の新興クリプトファンド「Paradigm」が25億ドル規模を集めるなど注目が続いている。日本に由来のあるファンドとしては、台湾拠点のInfinity Ventures Crypto(IVC)が今年2月に7,000万米ドルのファンド設立を発表している。

ファンドパートナーの一人、國光氏はこれまでにもクリプト関連への投資について、「ブロックチェーンならでは」の視点が重要と語っていた。以前の本誌イベント「BRIDGE Tokyo」でのインタビューにて次のようにコメントしている。

國光:すごいシンプルで、ブロックチェーンもそうだけど結局、オポチュニティに投資したことはないのね。基本的にここの領域がくる!っていうのを確信して、その中でイケてる会社っていうのを探す感じ。ブロックチェーンが出てきた時に効率の良いデータベースって見るか、全く新しいイノベーションと見るかで見える景色が変わると思うの。効率で見ればコストを20%、30%削減するとかどうでもいい話になってしまう。けど、全く新しいテクノロジーとして見ると、ビットコインって出てきて14年ぐらいで百何十兆円、イーサリアムも出てきて8年、9年で五十兆円(※)っていうのが無から生まれてるじゃない。どっちがワクワクするかっていう話なんだと思うのね。※2021年12月収録時点での価格」(ユニコーンクラス続出のクリプトファンド「gumi Cryptos」國光氏はどう見極めた/BRIDGE Tokyo Quote(1)より)

gCCは新たなファンドから既にProofofLearn(教育プラットフォーム)XY Finance(NFT流動性アグリゲーター)Solv Finance(NFTプラットフォーム)AllianceDAO(Web3アクセラレーター)などへの出資が明らかになっている。

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