IPO延期発表から4ヶ月、AnyMind Groupがデット含め50億円を調達

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Image credit: AnyMind Group

日本をはじめアジア各国で事業展開する AnyMind Group(以下、AnyMind と略す)は19日、プレ IPO ラウンドで約50億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、三菱 UFJ キャピタル、JIC ベンチャー・グロース・インベストメンツ、JP インベストメント、日本グロースキャピタル投資法人(野村スパークス・インベストメントが運用)、プロトベンチャーズ。調達額には、エクイティファイナンス約40億円に加え、みずほ銀行からの10億円のデットファイナンスが含まれる。

これは、AnyMind にとって、2020年3月に実施した約29億円の調達に続くものだ。投資家のうち、三菱 UFJ キャピタルは以前のラウンドに続くフォローオン。今回ラウンドを受けて、AnyMind の累積調達額は約119億円に達した。

AnyMind は今年2月、東京証券取引所からマザーズ市場(当時)への新規上場を承認されていたが、3月に入って、上場延期を発表した。延期の理由は、 ウクライナ侵攻の影響で投資家心理が冷え込んでおり、十分な需要を獲得できないからというものだ。今年の初めには、チャットコマースと接客 DX の ZEALS が同様の理由で上場を延期、5月にデット含め50億円調達したのが新しい。

東証マザーズ(現在のグロース)の中型案件の場合、上場時の吸収金額(企業が市場に新規公開する公募株式と売出株式で市場から得られる資金の総額)は約50億円前後であることが多いので、AnyMind にせよ、ZEALS にせよ、IPO で調達しようとしていた当初の金額と同等額をプライベートエクイティとデットで調達したと見ることができるだろう。ちなみに、AnyMind の想定株価ベースの時価総額は637億円。

Image credit: AnyMind Group

AnyMind Group 代表取締役の⼗河宏輔(そごう・こうすけ)氏によれば、当初からプラン A としての IPO、プラン B としてのプライベートでの調達を想定していたとのことで、今回は IPO 延期に伴うプラン B を発動させた形だ。株主を多く増やす意図が無いこと、相応のチケットサイズで出資してもらえること、中長期的な関係を続けられること、などの条件から、今回の投資家の顔ぶれになった。

AnyMind は今年4月、ブランドがは EC モールや自社 EC サイトなど、複数の販売チャネルを一元管理できる EC マネジメントプラットフォーム「AnyX」の提供を開始した。これは以前、「ブランド・エネイブルメント・プラットフォーム」として紹介したものをさらに進化させたものだ。十河氏によれば、日本・東南アジア・インドで AnyX は堅調に伸びており、それぞれの市場を深掘りすることでさらなる事業成長を目指す、とのことだ。

AnyMind がパートナーグロースと呼ぶ Web メディアやアプリを運営するパブリッシャーやクリエイター向けの収益化事業については、日本やアジアだけでなく、広告単価が高いことから幅広の利益が確保しやすいアメリカ市場についても積極的にアプローチして行きたいとのことだった。AnyMind はこれまでに、日本・インド・タイ・香港等で7社を買収しているが、調達した資金は主に、事業拡大に向けたさらなる企業買収などに使われると見られる。

AnyMind は2016年、マイクロアドの東南アジア各国の現地法人の CEO を歴任した⼗河氏と、ノボット(2011年に KDDI 傘下の mediba が買収)の海外事業展開に関わり、マイクロアドのベトナム現地法人の COO を務めた⼩堤⾳彦(こづつみ・おとひこ)氏により設立(設立時は AdAsia Holdings)。現在、世界13市場に17拠点を展開し、2021年12月期の売上は190億円を超えている。

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