NFTトレンドの変遷、ユーティリティへのアンチテーゼ:「KawaiiGirl」FREX代表 Tommy × ACV唐澤・村上(1)

本稿はアクセンチュア・ベンチャーズが配信するポッドキャストからの転載。音声内容の一部をテキストとして掲載いたします

アクセンチュア・ベンチャーズ (ACV)がスタートアップと手を取り合い、これまでにないオープンイノベーションのヒントを探るポッドキャスト・シリーズです。旬のスタートアップをゲストにお招きし、カジュアルなトークから未来を一緒に発見する場を創っていきます。

ポッドキャストで語られたこと

NFTトレンドの変遷、ユーティリティへのアンチテーゼ

唐澤:Tommyさんとは沖縄のIVSでお会いして、KawaiiGirlのことは前から存じ上げていたので繋がったわけですが、そもそもいつからFREXをやっていて、何がきっかけで始められたんですか?

Tommy:FREXの事業は今年の1月に立ち上げています。きっかけはそれより前に「KawaiiGirlNFT」があったのですが、それより前にやっていたこととして、元々私は2017 年ぐらいから金融というよりも技術の方でブロックチェーンを学んでいて、そこからずっとブロックチェーンを追っていて、NFTが世界的に有名になってきて、そこで私はたくさんNFTを購入していきました。

アートの分野だったり、ゲームの分野だったり、コレクティブと言われる分野も購入していく中で、日本もだんだんNFTに参入してきたと感じました。ただ海外のNFTと比較すると、大きくギャップがあるなと思っていて、日本で色々な企業が参入してきているところは見受けられたんですけど、これってNFTである意味あるの?というところが多く見られたかなと私は感じていました。そのモヤモヤ感がありながら、自分でもNFT、何か面白いプロジェクトやってみようということで、KawaiiGirlNFTを作りました。

唐澤:まずは自分たちで立ち上げてみて(中略)具体的にどういう違いがあって、海外のフォーマットを持ってきてなぜ成功したのか、その辺りを教えて頂けますか。

Tommy:まず最初去年からNFTに力を入れ始めたんですけど、そのころ日本でNFTって言われると、アイドルの写真をNFTにしました、NFTと言ってもプライベートチェーン・パブリックチェーンがあるんですけど、プライベートの方でやっていたりとか、日本円で売っていたりとか。結局それを売って終わりだったりとか。それってせっかくNFTと言ってるのに、ただのデジタルデータと変わらない印象を受けたりだとか、そこにNFTである意味を感じられなくて。

その時に海外で流行っていたものは、その時のコレクティブNFTと呼ばれるCryptoPunks(クリプトパンクス)だったり、BAYC(Bored Ape Yacht Club)だったり。そこはNFTにすることで一種の会員制の要素を持たせていました。NFTを持っているからこのコミュニティに入れるとか、このNFTを持っていれば◯◯が無料でもらえるとか。そういったNFTで、ブロックチェーン上で自分の所有を証明することによって、ユーティリティを加える、みたいなことをやられていて、それがNFTのあるべき要素だと思ったので、そういうところを取り入れたいなと思っていました。

唐澤:(中略)Tommyさんから見られて、トレンドじゃないですけど、変遷みたいなものってあったりするんですか?

Tommy:ずっと流れが変わってきているところもあります。そもそもコレクティブNFTじゃない、そもそもユーティリティにだけ特化したNFTというものもありました。ホテルの会員権だったり、持っていたらレストランがこの月無料で食べれるみたいな、そういうユーティリティだけのものもあれば、コレクティブ、PFPのNFTにユーティリティを付与するという形で、その中で一番昔メインだったのが、「会員になれる」だけだったんですよね。

でもどこも会員になれるだけだったら飽きてくる人もいて、次に「リアルグッズがもらえる」とか、そこからどんどん増えていって、次は「パーティに招待してもらえる」とか、「投票」とか。アニメ化を最終的に目指しているプロジェクトのアニメの方向性に、NFTを持っている人だけ投票できるとかいう感じでどんどんユーティリティが増えていきました。

すると今度は逆にユーティリティが一切ない、みたいなものも流行ったりしました。アンチテーゼ的なところで、一切ないから何も運営しないというところに魅力を感じる人もいました。今の流行りの流れとしては、ユーティリティが無いところからどんどん増えて、増えたと思ったら一気に無くなって、また増え始めて、、みたいな感じがありますね。

次につづく:ユーティリティのないNFTをなぜ買うのか

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