顧客対応メール共有SaaS「yaritori」、GPT-3を使った文面自動作成機能を限定公開

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「yaritori」で AI に文案を提案してもらった例。
Image credit: Onebox

OpenAI が高性能言語モデル「GPT-3」をローンチしたのは2020年7月で、おそらく、これを使った日本国内発のアプリケーションとして筆者が初めて取り上げたのは、昨年7月に書いたコピーライティングツールの「Catchy」だと思う。GPT-3 をベースにトレーニングを重ねたチャットツール「ChatGPT」が世に出たことで、その手軽に遊べる便利さから、GPT-3 にも人々の関心が向くようになった。以降、サービスに GPT-3 を取り入れる動きは、毎週、いや、毎日のようにどこかでニュースとなっている。

Onebox が開発・提供するメール共有システム「yaritori」は24日、顧客対応メールの文案を GPT-3 が提案する機能「yaritori AI」をα版として提供を始めた。顧客対応メール共有 SaaS には、ラクスの「メールディーラー」やサイボウズの「メールワイズ」などが存在するが、おそらく、GPT-3 を取り入れたサービスを提供するのは yaritori が国内では初めてだ。海外では先月、カナダ発の顧客対応メール共有 SaaS「Missive」が ChatGPT と連携した機能を発表している

yaritori で GPT-3 と連携した文面提案機能を先行ユーザ5社に提供し、うまく行けば、今年5月前後を目途に他のユーザにも公開する考えだ。Onebox では、「AI の採用とメール作業の効率化の分野では先駆者になりたい」との考えから、この分野でいち早く GPT-3 を連携することを決めたという。また、メールの文案提案以外にも、GPT-3 の文章の要約を得意とする特性を活かし、将来的には、顧客から来たクレームや要望のメールの内容を要約し、チケッティングシステムや社内の機能改善タスクリストに反映できるような機能の実装も検討する。

Onebox は2020年3月、奥村恒太氏(現 CEO)らにより設立された。2020年10月にはシードラウンド、2022年4月にシードのエクステンションラウンドを実施している。2020年にローンチした yaritori は、これまでに150社を超える企業に利用されている。yaritori はSlack 連携しているため、顧客対応の現場担当者が yaritori 経由でメールをやりとりし、その流れを確認したい管理職が Slack で確認するといった利用例が増えているそうだ。

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