BPI(Bank of the Philippine Islands)はスマートフォンやタブレットをクレジット決済のためのPOS端末として使えることができるサービスをフィリピンの中小企業向けに提供している。
フィリピンではPayPalなどのオンラインやモバイル決済システムの利用が高まっているが、中小企業の中には「簡単に利用できるインフラに対応したPOS決済システム」のケータリングを必要としている分野がある。小規模企業にとってこれに当たるのがスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスだ。
アジア太平洋地域ではSwiffやMOLcube、アメリカではSquareなどのソリューションが提供されている。PayPalもPayPal Hereというソリューションを提供している。販売業者はモバイルデバイスに取り付けたリーダーを使ってクレジットカードによる決済を受け付けることができる。
フィリピンではWiFiあるいはデータ対応のスマートフォンやタブレットをモバイルPOSシステムとして使えるBPI mPOSというサービスをBank of the Philippine Islands(BPI)が開始している。このシステムではVisaやMasterCard、デビットカードが利用できる。
現在このシステムが動作するのはAndroidとiOSデバイスだがBlackBerry用アプリの開発が進められている。BPI mPOSを利用するにはアプリをインストールしmPOS端末をデバイスの3.5mmステレオジャックに取り付ける。これでデバイスはクレジットカードをスキャンすることができ、決済情報はBPIの中央サーバー経由で送信される仕組みだ。
顧客は紙ではなくスマートフォンあるいはタブレットのスクリーン上にサインし、レシートはeメールで顧客に送られる。BPIによると、mPOSはPayment Card Industry Data Security Standard(PCIDSS)とPayment Application Data Security Standard(PA-DSS)に準拠しており、スマートフォンやタブレット上に情報が保存されることはないという。さらにセキュリティを高めるため、改造されたデバイスでは動作しない。
Newsbytesによると、同デバイスは最初のユーザとなる600の販売業者により試験運用されている。
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