クレジットエンジンがシードラウンドで約1.1億円を資金調達、機械学習活用の中小企業・個人事業主向け融資サービス「LENDY」をβローンチ

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2017.1.30

(1月30日14時更新:CFO の名前が誤っていたのと、VOYAGE GROUP を全文字キャピタルに修正。)

東京を拠点とするフィンテック・スタートアップのクレジットエンジンは30日、シードラウンドで総額1.1億円を調達したと発表した。同社は2016年9月に Draper Nexus Ventures と VOYAGE GROUP(東証:3688)から5,000万円を調達していたが、事業展開に必要な貸金業免許が金融庁から交付されたのを受け、今回、500 Startups、500 Startups Japan、フリービットインベストメントから6,000万円を調達した。調達時期は2回に分かれているが、いずれもシードラウンドでバリュエーションなど調達条件も同じとのこと。なお、これにあわせて、30日からオンライン融資サービス「LENDY(レンディー)」のベータ版運用を開始した。

クレジットエンジンは、CEO の内山誓一郎氏(上の写真中央、椅子に座った右の人物)や CFO の井上樹氏(上の写真最左)らにより2016年7月に設立。内山氏は新生銀行を経て、仙台の NPO で東北震災後の中小企業の資金調達支援に携わり、その後、UCLA で MBA を取得。昨年までは、マネーフォワードで事業推進部のマネージャーを務めていた。一方の井上氏はアクセンチュア出身で、ネットエイジなどでも事業に関わった。自身もモバイル CRM サービスを起業した経験があり、ヤフー社長室を経てバイアウトファンドに従事し、今回のクレジットエンジン参画となった。

LENDY は、中小企業や個人事業主向けに、比較的少額で短期間のつなぎ資金や運転資金を融資するサービスだ。各種ウェブサービスとの連携や機械学習の活用により、独自のリスク評価とスピーディーな申込受付や与信ができることから、従来の銀行や金融機関ではとりこめなかった資金ニーズにフォーカスする。LENDY では、ユーザが申し込みに際し、法人や個人の存在確認に加え、ユビレジ、スマレジ、freee、Amazon、住信SBI銀行、楽天銀行などの利用サービスのアカウントと API 連携することで、機械学習を活用した精緻なリスク評価を実現する。

これはいわゆる「ネオバンク」と呼ばれる金融包摂(financial inclusion)の領域で、アメリカでは Whole Foods Market(NASDAQ:WFM)が生産者向けのローンを展開したり、インドネシアでは Taralite が Uber の API と連携し、ドライバーの稼ぎに応じた条件で融資が実行されたりするサービスが現れている。

LENDY のダッシュボード(抜粋)

LENDY では、中小企業や個人事業主が急に資金が必要となる場合に資金を借り入れられるようにすることで、彼らが資金繰りではなく事業運営に集中できる環境を提供したいとしている。現時点では飲食店、理容室、美容室、オンラインショップ運営者を主な対象としており、1顧客あたりの予定平均貸出額は150万円(最高1,000万円)、平均貸出期間3ヶ月(最長1年間)、金利は10〜14%程度を予定している(サービス開始当初は貸出額は制限される)。いわゆる P2P レンディングではないため、貸出に必要となる資金については、クレジットエンジンが一般金融機関などから調達するようだ。

日本のフィンテック業界のイベントなどでも、人工知能を活用した新しい金融包摂のサービスを耳にし始めた。THE BRIDGE でも機会を改めて整理してお伝えしたい。

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