アジア太平洋地域各国のクラウドファンディングのパイオニアたち

【翻訳 by Conyac】 【原文】

インドネシアはアジアのクラウドファンディングにおける中心地なのかもしれない。Kickstarter系の2つのサイトが、既にプロジェクトへの資金調達に成功し始めている。クラウドファンディングのコンセプトへの認識が高まるにつれ、さらに多くのクラウドファンディングが誕生していくだろう。

この分野はまだまだ未熟で、最も成功したプロジェクトは数万米ドル規模だ。この流れは主流になるのか、それとも立ち消えるのか。まだ現時点ではわからないが、その展開を興味深く観察していきたい。

この記事では、アジア太平洋地域における注目のクラウドファンディングプラットフォームの概要を紹介しよう。

1) Wujudkan.com(インドネシア)

インドネシアにおける、クリエイティブ業界向けの著名クラウドファンディングのプラットフォーム。成功したプロジェクトの数でみると、おそらくアジアでこれまで最も成功しているといえる。この事実は、オンライン取引に対して消極的なインドネシア人の特徴を考えると印象的だ。DailySocialのレポートによれば、彼らが好む支払い方法はいまだATMだ。同プラットフォームで最も成功したプロジェクトは、映画製作プロジェクト「Atambua 39° Celsius」だという。これは映画監督の知名度に寄るところが大きく、3億1,100万インドネシアルピア(3万2,800米ドル)を集めた。サイトのトップページを見ると、新たな取り組みの多くが書籍、映画、建築とゲームに焦点を当てていることが分かる。

2) Patungan.net(インドネシア)

Patungan.netは同じくインドネシアで人気のクラウドファンディングだ。Wujudkan.comと同じようにクリエイティブ業界にフォーカスし、映画、音楽、演劇や書籍のプロジェクトで資金を集めている。最近では、バリ出身のバンドNaviculaのツアー費を集めるキャンペーンで目標額500万を超える513万インドネシアルピア(542米ドル)を集めた。その他に成功したキャンペーンには「Craft for Change」があり、過小評価された女性たちを支援するNGOの建築プロジェクトだ。こちらも目標額を少し超えた5,400万インドネシアルピア(5,700米ドル)を集めた。

3) ArtisteConnect.com(フィリピン)

音楽と映画業界の地元アーティストに対してクラウドファンディングを提供するプラットフォーム。キャンペーンが目標の40から50%以上に達した場合のみ、その資金が提供される。ただし例外もある。同プラットフォームは幸先の良いスタートを切っているように思われる。Ang Nawawalaという名の映画プロジェクトが目標の87%に達しており、13万フィリピンペソ(3,110米ドル)を受け取った。また、ポップ・ロックバンドのColor It Redは、24万3,500フィリピンペソ(5,830米ドル)を集めた。

4) Zeczec.com(台湾)

クラウドファンディングのブームは台湾にも上陸しており、クリエイティブ関連の事業に取り組む人々は資金集めのためにZeczec.comを利用している。その中でも有望なプロジェクトは「Sweet House No. 12」で、台湾の芸術家が自身の故郷を芸術センターへと育てる取り組みだ。締め切りまで21日を残して、すでに募集額以上の10万5,500台湾ドル(3,523米ドル)が集まっている。

5) pitchIN.my(マレーシア)

PitchIN.myには多くのカテゴリーが用意されているが、どうも書籍出版の人気が高いように思われる。その例となるのは、経営者のためのインタラクティブな電子書籍「BrandAids」だ。このキャンペーンでは目標額の160%に達する支援を得た。目標を達成するか、それを超過したプロジェクトのみに資金が提供されることになっている。

6) Nboon.com(韓国)

イベント向けのクラウドファンディングNboonによって韓国にも流れがきている。このアイディアは確かに斬新だ。伝統的に、イベントはチケット販売とスポンサーシップで成り立ってきた。これまでのところ、Nboonは小規模のイベントを取り扱っているようだ。BeLaunchのネットワーキングディナーのキャンペーンでは57万ウォン(505米ドル)を集めている。一方、モータースポーツ関連のイベント主催者は、支援者から60万90ウォン(531米ドル)を受け取った。

7) ToGather.Asia(シンガポール)

クラウドファンディングの流れに参入したばかりのToGather.Asiaは、その最初のキャンペーンを終了した。インドネシアのバンドThe Trees & The Wildのために約2,500米ドルを集めることに成功したのだ。特定の業界にフォーカスすることはせず、アジア全体の複数業界にまたがった展開を望んでいるようにみえる。

8) Perdmuak.com(タイ)

タイの同クラウドファンディングはまだスタートしたばかりだ。最初のプロジェクトはまだ進行中で、映画「Muay Thai」キャンペーンが目標額に近づいている。目標は10万バーツだが、今のところ92,320バーツ(2,930米ドル)を確保している。

9) ZaoZao(香港)

香港はアジアにおけるファッションの中心地であるため、ZaoZaoのようなスタートアップがそこから生まれても驚かない。ZaoZaoの設立者は「KickstarterにFabとModa Operandiを合わせたもの」と説明している。ZaoZaoはインディーズのファッションデザイナーが資金を集めるためのプラットフォームだ。 寄付は仮予約の形で寄せられる。そして、もし目標が達成されればそのアイディアが現実のものとなる。同スタートアップは生まれたばかりで、まだキャンペーンは行われていない。

【via SGEntrepreneurs】 @sgentrepreneurs

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