日本・中国・韓国・アジア「メッセージ」戦争ーー覇者はどのサービスだ

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ソーシャルやフラッシュマーケティング、リアルタイムといった比較的新しいキーワードがもう新鮮味を失いつつあるなか、再び脚光を浴びているカテゴリーがある。「メッセージ」だ。

2011年のSxSWで注目を浴びたこのカテゴリーには、facebookへの電撃的な売却で話題を呼んだBelugaやSkypeへの売却を果たしたgroupme、「ニアバイ」(近隣とのエンカウント)で独特のポジショニングを取ろうとしたyobongoやGlancee、Highlightなど、数多くのタイトルが並ぶ。多くは2010年に公開され、翌年には売却もしくはクローズという「短期決戦」を仕掛けたことも特徴的だった。

そして2012年、アジア圏でこの「メッセージング」がにわかに騒がしくなっている。

これまでと様子が違うのは、盛り上がりをみせるサービスのどれもが輸入品ではなく各国の国産であること、そしてアジア各国が国をまたいで資本提携を結び、マーケットの覇権争いをしている点だ。

さらに単なるテキストチャットだけでなく、音声、スタンプからクーポン、お絵描き、ゲームなど、多様なコミュニケーションを用意し、プラットフォームとしての展開を強く志向していることも北米事例とは大きく異なる。

中国、韓国、日本、その他アジア諸国で頭角を表しつつあるメッセージングアプリで、次世代の覇者となるのはどのサービスだろうか。主だったサービスを次にご紹介するのでもし、その他にも大きく成長しているサービスがあればコメントなどで教えて欲しい。

なお、中国のWeiboはメッセージングというよりソーシャルメディアの範疇としてここからは外しておいた。

中国代表:Weixin・微信(ウェイ・シン)/WeChat

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中国のメッセージングを語る上で避けて通ることはできないQQ。これを生み出したTencentが送り込んだメッセージングアプリが「Weixin」だ。1億人という莫大なユーザー数を獲得した2012年4月、世界展開版ブランド「WeChat」を公開した。

英語圏ユーザーの比率は正確な情報が見当たらなかったが、2億人に到達したのが2012年10月なので、相当数の海外ユーザーがいる可能性も否定できない。関連記事はこちら

サービス開始時期:2011年1月
ユーザー数:2億人(2012年10月時点)
主な機能:通話、スティッカー、クーポン、ゲーム
プラットフォーム:iPhone/Android/WindowsPhone/BlackBerry
サービス運営:Tencent(騰訊)

台湾代表:Cubie Messenger

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OMGPOPが出したお絵描きアプリ「DrawSomething」がZyngaに約2億米ドルというバカ高い金額で買収されたのは記憶に新しい。このお絵描きとメッセージングを合わせて強烈に急成長しているのが台湾のCubie Messengerだ。

DL数はアジア圏を中心に400万DL以上(2012年11月時点)と他の軍勢に比べれば小さいが、成長率から考えると来年の早い段階で1000万DLを超えるとみられている。2012年10月に日本のB DashVenturesや米国アクセラレーターの500Startupsから110万米ドルを調達していることから、さらに成長を加速させる可能性もある。

サービス開始時期:2012年3月
ユーザー数:400万以上(ダウンロード数、2012年11月時点)
主な機能:お絵描きメッセージ、音声や動画、テキストメッセージ
プラットフォーム:iPhone/Android
サービス運営:Gamelet

韓国代表:KAKAO Talk

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アジアメッセージング戦争で比較的古参なのが韓国KAKAOだろう。競合であるはずのTencentから資金調達をしていることから、WeChatとの競合関係が気になる。また、先日、ヤフージャパンとの提携で本格的に日本に攻め込んできた。

このNHNとKAKAOで興味深いのはKAKAOを立上げたBeom-Soo Kim氏がNHNの前CEOという点だ。NHN(Japanだが)がLINEで攻勢をかけていることを考えるとなんとも因縁めいたものを感じてしまう。

また、海外展開については日本展開に合わせてインドネシアへの進出を発表するなど活発だ。展開言語は英語、スペイン語、日本語、タイ語、インドネシア語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語、トルコ語、中国語(繁体)、中国語(簡体)、韓国語と比較サービス中で最も多い。

開始時期:2010年3月
ユーザー数:4600万人(2012年6月時点、日経トレンディネットのインタビュー記事参照)
主な機能:音声通話、音声や動画、テキストメッセージ、ゲーム
プラットフォーム:iPhone/Android/WindowsPhone/BlackBerry
サービス運営:Kakao Corp.

日本代表:LINE

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なんといっても国内の火付け役はNHN JAPANのLINEだろう。強烈な成長率で一気に世界展開を射程圏内にいれてしまった。(サイトのローカライズは英語/日本語/韓国語/中国語/タイ語)

ここに追いつけ追い越せでやってきたDeNAのcomm、音声にフォーカスして2012年11月に125万米ドルを調達したbaloon、ビデオメッセージのVidssageといったルーキーが周辺で潮流に乗ろうと奮闘している。日本市場の熱気に注目したKAKAOやCubieも参戦してさらに熱気が高まる中、逆にLINEはタイや東南アジアでの展開を伺っている。

開始時期:2011年6月
ユーザー数:6500万人(内、日本国内3000万人)2012年10月2日時点
主な機能:メッセージ(スタンプ)、音声と動画メッセージ送信、音声通話、アプリケーション連携(カメラ、クーポンなど)
プラットフォーム:iPhone/Android/WindowsPhone/BlackBerryアプリ・フィーチャーフォン
サービス運営:NHN Japan

シンガポール代表:bubbly

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シンガポールのメッセージングサービスBubblyはメッセージングというより音声ブログ、と説明したほうがしっくりくるかもしれない。

2012年8月にはJAFCOをはじめとする複数社から500万米ドルを調達し、総額でこれまでに5000万米ドルを集めている。スタートした時期も比較的早く、最近では音声のInstagramという打ち出しをしているようで、若干メッセージングからは離れつつあるような印象もある。

開始時期:2007年頃(前身サービス含む)
ユーザー数:1900万人
主な機能:音声メッセージ、ボイスフィルタ
プラットフォーム:iPhone/Android
サービス運営:bubble motion

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