IE Business Schoolと慶応大学が東京でVenture Dayを開催、請求書発行クラウドのMakeLeapsがピッチ優勝

SHARE:

ie-kmd-venture-day_featuredimage

マドリードに本拠を置く IE Business School慶応大学メディアデザイン研究科(KMD)は、共同で東京の起業家に向けて Venture Day イベントを開催した。昨年に引き続き2回目の開催となった今回は、会場を慶応大学三田キャンパスに移し、日本やヨーロッパから多数の投資家、起業家、メンターを集めてのイベントとなった。

ヨーロッパ、日本、それに KMD から10チームがピッチ・セッションに参加したが、優勝はクラウドベースで請求書発行ソリューションを提供する MakeLeaps が勝ち取った。各所のスタートアップ・イベントで目にする MakeLeaps は、日本のスタートアップ界においては重鎮の感さえ否めないが、B2B の SaaS スタートアップが多くない日本において果敢にチャレンジしている点が、審査員から高く評価されたようだ。

ie-kmd-makeleaps-award-presenting
賞を手にする、MakeLeaps CEO の Jason Winder 氏(左)。

去る8月、MakeLeaps が 500 Startups や AngelList などから60万ドルに上る資金調達を実施したことは記憶に新しい。Makeleaps の CEO Jason Winder によれば、来年以降、CRM など請求書以外の分野のサービスともインテグレーションも計画しているようだ。

1位となった Makeleaps には、Turkish Airlines から東京〜マドリード往復航空券2人分と、東京・八重洲のインキュベータ Venture Generation 3ヶ月分の入居権が贈呈された。

第2位、第3位の勝者についても見ておきたい。

Wovn.io(第2位)

ie-kmd-wovn.io-award-presenting
Wovn.io 開発元、Minimal Technologies 共同創業者の Jeff Sandford(左)。

Wovn.io は、Javascriiptのコードを一行追加するだけで、ウェブサイトを多言語化できるサービスだ。現在は、英語、中国語、フランス語など11言語に対応している。

共同創業者の Jeff Sandford の説明によれば、世界のインターネット・ユーザの70%は非英語話者だ。英語で構築されたウェブサイトを Wovn.io で多言語化することにより、リーチ可能なユーザ人口が単純計算で2倍以上増えることになる。これまでに600万ページを翻訳しており、ユーザの29.9%はアメリカから、29.2%は日本からの利用となっている。

<関連記事>

2位となった Wovn.io には、Turkish Airlines から東京〜マドリード往復航空券1人分と、東京・八重洲のインキュベータ Venture Generation 3ヶ月分の入居権が贈呈された。

Breezy not Wheezy(第3位)

ie-kmd-breezy-not-wheezy-award-presenting
Breezy not Wheezy のチーム。

Breezy not Wheezy は、午前中に開かれた KMD のセッションから選抜されたチームだ。アメリカには喘息で苦しむ子供が700万人いると言われるが、子供にとっては世界共通の病気だ。創業者の一人も、子供のころ喘息で苦しんだ経験があり、喘息の症状をアプリを使って緩和しようというアプローチが Breezy not Wheezy だ。

喘息管理をするためには、ピークフローメーターを使ってピークフロー値を計測することが有効だが、ピークフローメーターをスマートフォンと接続、ピークのパターンをクラウド上に記録し、保護者は子供を行動させるタイミングを考えるのに役立てたり、メッド・コンパニオンと連携して症状を緩和させたりすることができる。

3位となった Breezy not Wheezy には、東京・八重洲のインキュベータ Venture Generation 3ヶ月分の入居権が贈呈された。

ie-kmd-breezy-not-wheezy-pitch


IE Business School は、スペイン・マドリードに本拠を置き、フランスの INSEAD と並び世界のトップ5に数えられるビジネススクールとされる。これまでに世界20カ国で Venture Day イベントを展開しており、今年だけでも各国で Venture Day を16回開催している。

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する