Instagramの利用率を大きくアップさせた、わずかなコードの変更とは?

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Above: Profile page of photographer Lisa Bettany (@mostlylisa) on Instagram's iOS app. Image Credit: Ken Yeung/VentureBeat
上: iOSのInstagramアプリ上の写真家Lisa Bettany氏(@mostlylisa)のページ
Image Credit: Ken Yeung/VentureBeat

Facebook が所有する写真共有アプリ Instagram を開発するソフトウェアエンジニアたちは、アプリのパフォーマンスをいかに改善できるか常に模索している。パフォーマンスの改善というのは、完璧主義の行いのようにも聞こえるかもしれない。だが、実際にそうした行為が重要な指標の改善にもつながる。たとえば、ユーザーの利用が増えるというように。

それこそ、まさに最近起きたことだ。エンジニアは、モバイル端末上でInstagramの各写真に20個のコメントを表示させるという機能に疑問を抱き始めた(「全てのコメントを見る」をタップしたときに、コメントがより速くロードされるように)。彼らは、コメントの数を3つに減らす決断をした。それらのコメントは、Facebookのサーバーから自動的に送信される。そうした理由はいくつかあったが、その一つは一般的なInstagramユーザーにとってはこれ以上ないほど明白なものだ。

「一般的には画像メディアの方が、コメントの内容よりもよく閲覧されます。私たちは、そうしたより一般的な使い方に最適化するべきなのです」このように、InstagramのソフトウェアエンジニアClark Gredona氏とLinji Yang氏は、本日のブログ記事で述べている。(編集部注:原文掲載3月4日)また、コメントを生成させるには、実際に多大なコンピュータ処理量がかかるとも述べている。大量のデータを圧縮することが通常難しいという点もある。

この新たなアプローチの結果はどうか? サーバーから送られるデータが減ったことで、エンドユーザーのデバイス上のメモリ使用量は減り、パフォーマンスはより安定する。ユーザープロフィール上のスクロール率は 2.7パーセント上昇した。また、モバイル上の全インプレッションが0.7パーセント上がり、「いいね」の数も0.4パーセント上がった。

もちろん、GoogleやPinterestといった他のウェブ企業もまた、最適化を繰り返すためにコードの中身を調べている。だが今回の事例で興味深いのは、こうした成果がアプリに対する比較的小さな調整によって生じているということだ。

さらに、このコメントの変更は、Instagramが使用しているFacebookのデータセンターのインフラにもプラスの効果を与えている。

「全ユーザーに対してこの変更を適用したとき、私たちの全Django上のCPUは8パーセント減り、イーグレスは25パーセント落ちました。イーグレスはサイトの健全さを測る一つの指標で、こうした落ち込みは通常問題だと捉えられます。ですが、今回のケースに関しては、インフラへの負荷を減らしているので、よいサインなのです」とGredona氏とYang氏は書いている。

彼らの取り組みの詳細については、こちらの記事を参照していただきたい。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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